糖質オフとお酒の強さから、ナイアシンのお話。
さらにナイアシンで、お酒の強さが7倍(!)になったお話に。
ナイアシン自体についてはコチラ。
https://mizunodoc.jp/archives/1528
ナイアシンフラッシュについてはコチラ。

まずは糖質オフとお酒の強さから。
糖質オフでお酒に強くなる
糖質オフする、という事は、そのまま体内に入ってくる糖質の量が減ります。
赤血球には細胞内にミトコンドリアがなく、最低限の血液中の糖(ブドウ糖=血糖)が必要です。
その最低限のブドウ糖は口から摂らなくても、「糖新生」をして作れます。
「糖新生」というのはブドウ糖を肝臓で作り出す代謝、の事です。
(ちょっとだけ腎臓でも糖新生が起こります)
細かく言うとこうなります。
「乳酸、ピルビン酸、プロピオン酸、アミノ酸などから、おおむね解糖を逆行してD-グルコースをつくる経路が糖新生」です。
「おおむね解糖を逆行」というのは「解糖」という経路のうち、3箇所程、反対向きの代謝ができないので、この3箇所については迂回路的な代謝経路を通るためです。
で、たとえば「ピルビン酸」2分子をこの「糖新生」に回すと、「ブドウ糖」1分子と、「NAD」2分子ができます。
で、この「NAD」がアルコールの分解に必要な「補酵素」というものです。
補酵素は酵素自体ではないけれども、酵素を助ける働きをするものです。
アルコールの酵素と言えば有名な2つ。
・アルコール脱水素酵素
・アルデヒド脱水素酵素
この2つですね。
この2つの酵素の働きを助けるのがNADです。
というか、NAD無しでは、この2つの酵素は働けません。
NADが無いと、アルコールを分解できない!
つまり、糖質をオフると、糖新生が多く起きてNADが多く作られ、アルコールの分解をしやすくなるのでお酒に強くなる、という事です。
私も糖質オフった時にはお酒が微妙に強くなりました。
しかし、ワイン常に1杯が、糖質オフ後に1〜2杯、といった程度でした。
元が弱いので微妙です・・・(笑)
これは、上の2つの酵素のうち「アルデヒド脱水素酵素」の働きが弱いためです。
この酵素の強さは遺伝によって決まっており、
「強いー強い」遺伝子(NN型)→お酒に強い(顔色も変わらない)
「強いー弱い」遺伝子(ND型)→飲んでれば飲める(顔は赤くなる)
「弱いー弱い」遺伝子(DD型)→どうやっても弱い
の3パターンです。
私の場合、ワイン1杯は飲めるのでND型でしょうが、その1杯も鍛えに鍛えて何とか1杯なので、かなりDD型に近い感じです。
さらに糖質オフでブーストしても調子良い時に2杯イケるかどうか、いった有様でした・・・。
控えめに言って、めっちゃ弱い(笑)
この強いタイプのアセトアルデヒド脱水素酵素(ALDH2)の割合を増やす事はできません。
遺伝子で決まっており、生涯固定です。(遺伝子組み換えでもしない限り)
なんてこったっっ!!!
無理なのか!→現代では無理です・・・。
分解力が強い酵素(ALDH2)の割合は一生同じ。増やせない。
なお2つの組み合わせなのは、遺伝子であるDNAが二重鎖らせん構造、つまり2本あるためです。
2本の同じくらいの位置にそれぞれ遺伝子になってる場所があります。
ですのでこの遺伝子も2つの組み合わせになっています。
日本人のこの遺伝子の割合は諸説あり、定まっていませんが、「どうやっても弱い」タイプは4〜10%程度と言われています。
この説明が、何と国税庁のサイトにもありました。
あ、酒税課の課長さんが書いているようです。なるほど。
キリンさんのサイトにも分かりやすい説明があります。
で、次は糖質オフで「逆に」お酒に弱くなるタイプの人について。
糖質オフでお酒に弱くなる
そう通常なら糖質オフすると、NADが増えて、2つのアルコール分解に関わる酵素をお助けするので、お酒に強くなります。
ですが、確かに糖質オフるとお酒に弱くなる人達がいます。
一見、不思議ですね。
しかし、これはごく当たり前です。
一言で表せば
「単なる栄養不足」
これに尽きます。
糖質オフでお酒が弱くなる人は「単なる栄養不足」。
そう、典型的なのが日本人に多い「タンパク質不足」、「鉄不足」です。
タンパク質不足があれば、補酵素のNADどころか、酵素自体にも影響します。
酵素は摂取したタンパク質から作られます。
鉄不足があると、エネルギー代謝にかならず通る「TCA回路」と「電子伝達系」の両方で代謝がストップします。
さらに、この「タンパク質不足」や「鉄不足」の人に限って、糖質オフする時に「植物性神話」を併用してしまいます。
つまり、野菜や大豆などに走ってしまい、タンパク質不足と鉄不足がさらに進みます。
この結果、「単なる栄養不足」がひどくなり、 お酒に弱くなります。
細かい話はいくらでもできますが、「タンパク質不足」だけでも代謝全体に悪影響が出ますので、あまり細かく話してもしょうがありません。
タンパク質だけで、アレもコレもアウトです。
さらに「鉄不足」も重なっている人が多いので、「エネルギー代謝」全体がアウトです。
「TCA回路」と「電子伝達系」がダウン、だけでも充分です。
広範囲に停電、みたいな感じです。
元々の「タンパク質不足」と「鉄不足」や、さらに「間違った植物メインの糖質オフ」によって、お酒に弱くなります。
元々の「タンパク質不足」と「鉄不足」や、さらに「間違った植物メインの糖質オフ」によって、お酒に弱くなる。つまり、「単なる栄養不足」。
もちろん、代謝が崩れればお酒にも弱くなるので、他のビタミンやミネラルの不足でも、お酒に弱くなります。
元々弱いんだけど?
タンパク質不足は、タンパク質の摂取で改善できます。
鉄不足は、鉄の摂取で改善できます。
ビタミン・ミネラルの不足も、ビタミン・ミネラルを摂れば改善できます。
でも、「アルデヒド脱水素酵素」の強さは遺伝子によって決まっており、生涯固定です。
じゃぁ、強くなれないね・・・。
と思ったら、さにあらず。
ここで、冒頭の「NAD」が出てきます。
NADをイッパイにすれば、アルコールの酵素2つを助けまくって、お酒に強くなるんじゃ?!
そう、これ正解です。
NADをいっぱいにすれば、お酒に強くなる。
どうやってNADをいっぱいにするの?
これ、日本語名が「ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド」です。
長い。
医学生が泣かされる長さです。ここ、テストに出ます。出ました。
長過ぎるので区切ると「ニコチン・アミド・アデニン・ジ・ヌクレオチド」です。
ニコチン?アミド?
そう、ナイアシンは体内でこのNADに変換されます。
かの有名な「ビタミンB3」=「ナイアシン」です。
私が常々「最強のビタミン」と呼んでいる、あの「ナイアシン」です!
ナイアシンは最強のビタミン!(と水野が勝手に言っている)
ところが、これ食べものでいえば、ナイアシン自体を摂るか、トリプトファンの60分の1からナイアシンを作るか、という事でしかゲットできません。
どうにかして、ナイアシンを多く摂れば、NADも増えまくって、お酒も代謝できる!という事です。
実際、ナイアシンは効くの?
めっちゃ効きます。
繰り返します。
めっちゃ効きます。
「気のせいか効いてるような・・・」的なウコンとかの他のサプリメントとは全く違う次元で効きます。
ナイアシンのお酒の強さに対する効果は、ウコンなどとは別次元!
私の場合、なにせ7倍です。
お酒の強さ。
水野はナイアシンでお酒の強さが最大7倍に!
・・・冷静になって見ると何のことやら、と我ながら思いますが、純然たる事実です。
目撃者も、ちゃんと5人以上います。
いつもワイン1杯でダウンの私が、ナイアシンで7杯、イケました。
このミクニマルノウチさんの時ですね。
https://mizunodoc.jp/archives/1325
酔ってる写真の時が6杯目の時点です(笑)
具体的には、1時間にナイアシン1000mgとビタミンC1000mgづつを、2回飲んでから、出陣しました。
ついでに帰宅後も「追いナイアシン」で、もう1セットのナイアシン1000mgとビタミンC1000mgを飲んで、翌日もスッキリでした。
「追いナイアシン」も効果あります。
糖質オフだけでも翌日の2日酔いや胃もたれはなくなりますが、「追いナイアシン」でさらに別次元のスッキリさ加減になります。
「追いナイアシン」とは、飲酒後にダメ押しでナイアシンを摂る事。本日(2019年9月7日に水野が勝手に命名)
ナイアシンは超不足しがち
で、このナイアシンなんですが、めっちゃ不足するビタミンです。
ビタミンは分子が小さい程、大量に必要になります。
その点では、ビタミンCとナイアシンの分子はともにめっちゃ小さいです。
そして、ビタミンCとナイアシンは必要量がめっちゃ多いです。
さらに、ビタミンCもナイアシンも「水溶性」ビタミンです。
他の脂溶性ビタミンのように体内に蓄えられません。
必要量が多く、蓄えられない、という事です。
つまり、毎日のように、多めに摂る必要があります。
ナイアシンは必要量が多く、体内に蓄えられない。
今までの人生でずっと不足してきた人、すでに病気にまでなっている人達は、健康な人よりさらに不足しまくっています。
その「何十年に渡る」不足分を回復するには、相当な量のナイアシンが必要になります。
健康な人が「ナイアシンなんか要らない」と言っているのは、不足している人には通用しません。
ナイアシン不足は万病を引き起こします。
ナイアシンは体内の500以上の代謝に関わっています。
ナイアシン不足は、全身に影響が出ます。
ナイアシンは500以上の代謝に関わっている。
メンタルの不調、睡眠障害、皮膚、髪の毛、アレルギー、免疫異常、糖尿病などの代謝の異常、などの幅広い不調や病気にナイアシンの不足が関係している可能性があります。
ナイアシンは絶対要るの?
ナイアシン不足のない方は、無理にナイアシンを摂る必要はあまりありません。
繰り返します。
ナイアシン不足のない方は、無理にナイアシンを摂る必要はあまりありません。
大切な事なので3回書いておきます。
ナイアシン不足のない方は、無理にナイアシンを摂る必要はあまり無い。
まぁ、明らかな不足がなくても摂ったら摂ったで、健康さは増します。
抜け毛も減り、お肌ツヤツヤです。
ナイアシンをいっぱい摂るには?
ナイアシンを飲み始める前に必ず下の2つのサイトを「少なくとも10回以上」読んでください。
もう1度書きます。
ナイアシンを飲み始める前に必ず下の2つのサイトを「少なくとも10回以上」読んでください。
さらに超大切なので3回目。
ナイアシンを飲み始める前に必ず下の2つのサイトを「少なくとも10回以上」読む!
かの有名な「こてつ名誉院長のブログ」に飲み方が書いてあります。
概要を言えば、最初はビタミンCとナイアシンアミド1500mgで始めて、アミドを3000mgに増やしていきます。
さらにその後に、500mgずつ「素のナイアシン(速効性ナイアシン)」に切り替えていく、という方法です。
100mgずつ素のナイアシンを増やす方もいますが、あれはナイアシン・フラッシュという「ほてり」が出まくって、全然増やせません。
アミドをMAXまで増やしておくと、ナイアシン・フラッシュの元となるヒスタミンを体外にある程度、出し切っていますので、素のナイアシンに切り替えてもフラッシュが軽く済みます。
さらに、ナイアシン自体に関してはコチラを。
ナイアシンに関する質問を多く受けますが、10人いたら10人ともこの上のインタビューに書いてある事を質問してきます。
つまり全員です。
10人質問してきたら、10人とも上のサイトを理解していない。
「読・ん・で」
ナイアシンを飲み始める前に、少なくとも10回くらい読んで下さい。
2〜3回では、頭に入ってません。
ナイアシンはアル中を防ぐ
ナイアシンでお酒に強くなったら、飲みすぎてアル中になるのでは?と思うかもしれません。
しかし!!
そこは最強のビタミンたるナイアシン。
スキはありません。
ナイアシンには「依存症」を防ぐ効果があります。
逆に不足すると、アルコール依存症などの各種の依存症になりやすい事が分かっています。
つまり、ナイアシンはお酒に強くなるし、アル中も防ぐ、という最強の効果を持ちます。
さすが最強・・・っっ!!!
ナイアシンはお酒に強くなるし、アル中も防ぐ。
B1も忘れずに!
ついでに、「アルデヒド脱水素酵素」の手前で働く酵素の「アルコール脱水素酵素」。
これの代謝が間に合わなくなると、代打が登場します。
その代打は、肝臓の細胞内にある「ミクロソーム・エタノール酵素(MEOS)」です。
効率の良い「ミトコンドリア」ではなく、効率がイマイチなミトコンドリアの「外」で起こる代謝です。
本職よりはやっぱり性能が落ちます。
しかも、この代打「MEOS」が働くと、ビタミンB1が大量に消費されてしまいます。
つまり、お酒を飲む時は、ナイアシンだけでなく、ビタミンB1も摂っておくと万全です。
・・・全部書いたら、めっちゃ長くなりました・・・。
旬の話題だったので、今、全部、書きたかったんです・・・。
以上、糖質オフとお酒とナイアシンでした。