今回は
女性ホルモンの乱れで太る?!
多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)に近い状態で太る
についてです。
多嚢胞性卵巣症候群(POCS)と肥満が関係あるというのは
産婦人科の医師にとっては常識中の常識。
で、多嚢胞性卵巣症候群のうち、
20%程度は、肥満が原因とも言われています。
この場合は痩せると
多嚢胞性卵巣症候群が改善します。
ですが、多嚢胞性卵巣症候群の原因については
現在の医学では、まだハッキリと分かっていません。
多嚢胞性卵巣症候群の詳細はコチラなどで。
で、
女性ホルモンはの乱れで太る、
というのは良いとして、
どのように乱れたら太るのでしょうか?
女性ホルモンというのは、基本的に
エストロゲン(卵胞ホルモン)
と
プロゲステロン(黄体ホルモン)
の2つの事を指します。
エストロゲンが減ると太る
エストロゲンは別名「卵胞ホルモン」といって
卵巣や子宮の発達を促すホルモンです。
他にもバストを膨らませる、
ヒップに丸みを出す、などで
女性らしい体を作るホルモンとも言われています。
このエストロゲンはさらに
脂肪代謝を上げて
内臓脂肪を減少させる働きがあります。
また満腹中枢を刺激して
食欲を抑える「レプチン」という
満腹ホルモンの分泌を調整する働きがあります。
レプチンは、割と最近話題になってきたホルモンで、
脳の視床下部に作用して
満腹だよ、というサインを送ることで
食べすぎを防止してくれます。
このためレプチンは、
別名「痩せるホルモン」とも
言われています。
エストロゲンが減ると、
この「痩せるホルモン」のレプチンが減ってしまいます。
そして真逆の「空腹ホルモン」とも言われる
グレリン
が増加することで、食欲がアップし、
結果、太ってしまいます。
またエストロゲンが減ると
内臓脂肪を蓄積する
「アセトアルデヒド脱水素酵素1(Aldh1a1)」
が活性化することで、内臓脂肪が増えやすくなる、
とも言われています。
という事でまとめると
エストロゲンが減ると太ります。
では、エストロゲンが分泌されまくっていれば
痩せるのか?
そうでもない、と言われています。
エストロゲンが出過ぎても太る
エストロゲンには細胞を増殖させる働きがあります。
このためエストロゲンが増えすぎると
癌などが起きやすくなる、と言われています。
そして、多すぎるエストロゲンは
脂肪細胞も増やしてしまいます。
その増える脂肪細胞ですが、
この脂肪細胞にはエストロゲンを
プロゲステロンの不足を引き起こします。
プロゲステロンが少なく
エストロゲンが多すぎると
月経周期が乱れたり
乳癌・子宮内膜癌のリスクが高まったり、
難産・流産のリスクも高まる、
と言われています。
プロゲステロンが出過ぎても、太る
プロゲステロンは、卵巣の黄体から分泌されるので
別名「黄体ホルモン」とも呼ばれます。
プロゲステロンは「ステロイドホルモン」の1種類でもあります。
排卵日移行で基礎体温が上がったり(高温期)、
妊娠が成立した際に基礎体温が高いまま維持されるのは
プロゲステロンの作用によります。
プロゲステロンが脳の体温中枢に作用し、
体温を上昇させていると言われています。
プロゲステロンが少ないと
月経不順や月経前症候群(PMS)の原因となります。
他にもエストロゲンと共に
色々な作用を持っています。
こう聞くと、プロゲステロンがやせそうなホルモンで
出ていれば痩せそうですよね?
では、これも多ければ良いのか?といえば
そうではありません。
プロゲステロンには
妊娠に備えて
水分や脂肪を溜め込もうとする働きがあります。
このため、プロゲステロンの分泌が増えると
「むくみ」や体重増加が起こります。
また大腸の蠕動運動も低下し
便秘となります。
以上、女性ホルモンがどう乱れると太るか、
について書きました。
そうなると気になるのが
更年期。
ご存知のように
女性ホルモンが乱れまくります。
この場合は
エストロゲンもプロゲステロンも
ともに減少します。
ですので、最初の
「エストロゲンが減ると太る」
に該当する変化が起こり得ます。
以上、女性ホルモンが乱れて太る、でした。