今回は
高インスリン血症で太る!!
インスリノーマに近い状態で太る
について。
今回は、少し難易度が高めの内容です。
書いた私にとっても、難産でした。
インスリンが肥満ホルモンというのは
皆さんも聞いたことがあると思います。
インスリンは太ります。
この肥満ホルモンとも呼ばれるインスリン。
通常は
血糖値が上がった時に
膵臓のβ細胞から
インスリンが分泌されます。
そのインスリンが
ガンガン分泌されてしまう病気があります。
それがインスリノーマです。
膵臓にインスリンを出しまくってしまう
腫瘍ができてしまう病気です。
他にも色々な病態の説明をしていきますので
私には珍しく(笑)
簡単な図っぽいものを出します。
インスリンが出てから太るまでの流れを
分けて書くと下記の様になります。
<インスリン分泌から作用までの簡略図>
◯インスリン分泌(通常は膵臓のβ細胞)
↓
◯インスリン
↓
◯各細胞のインスリン受容体
↓
◯太る
図の1段階目での異常は?
インスリンが強制的に出続けるのが「インスリノーマ」です。
上図で言えば、最初の「分泌する段階」での異常です。
◯インスリン分泌(腫瘍から異常に分泌)
↓
◯インスリン
↓
◯各細胞のインスリン受容体
↓
◯太る
インスリノーマ以外に
インスリンが出過ぎてしまう
とう状態もあり得ます。
原発性高インスリン血症とでも言うべき病態です。
上図で説明するとこうなります。
◯インスリン分泌(膵臓β細胞からインスリンが出過ぎる)
↓
◯インスリン
↓
◯各細胞のインスリン受容体
↓
◯太る
これについては、現代の医学では、よく分かっていません。
新井圭輔先生が、この「原発性高インスリン血症」に対する
治療「自己免疫疾患プログラム」を提唱されています。
また、生まれた時から高インスリン血症の子もいます。
これは「先天性高インスリン血症」と呼ばれます。
図の2段階目での異常は?
2番めの段階での異常はどうでしょうか?
◯インスリン分泌(通常は膵臓のβ細胞)
↓
◯インスリン←ここの段階での異常は?
↓
◯各細胞のインスリン受容体
↓
le=”font-weight:bold;”>◯太る
インスリンが分泌されてから
各細胞のインスリン受容体にたどり着くまでの異常、
という事です。
インスリンが分泌されてから
血液中で勝手に増えていくことはありません。
逆に途中で無効化される場合があります。
インスリンが効く前に無効化される場合は
高インスリン血症にはなりますが
インスリンの作用自体も無効化するので
むしろ痩せてしまいます。
これは抗インスリン抗体がある場合に起きます。
実際にそういう患者さんを診たこともあります。
インスリンが分泌はされますが
抗体によって無効化されている状態です。
図の3段階目での異常は?
では、図の3段階目での異常はどうでしょうか?
◯インスリン分泌(通常は膵臓のβ細胞)
↓
◯インスリン
↓
◯各細胞のインスリン受容体←ここの段階の異常
↓
◯太る
インスリン受容体の異常、というのは
インスリンの届く先での異常です。
インスリンの届く先に異常がある場合も
インスリンが効かないので
何とかしようと体はさらにインスリンを分泌します。
つまり、高インスリン血症となります。
この図の3段階目の異常は、
「インスリン受容体異常症」と言われ、
様々な症状が出ます。
インスリン受容体異常症は
A型とB型に分かれます。
A型は「受容体そのものに異常」などの先天的異常のあるもの、
B型は「インスリン受容体抗体」などの後天的異常のあるもの、
とされています。
インスリン受容体異常症も、
インスリンの作用が少ないため
痩せる場合が多いとされています。
インスリン受容体の異常で
インスリンが効きすぎる
という事もあり得ますが、
未だ報告はありません。
他にも何らかの原因で
高インスリン血症になる疾患や病態があり得ます。
そして図の1段階目の異常であれば、
太ってしまいます。
以上、高インスリン血症で太る、でした。