統計学・統計手法は大変有用かつ重要なものです。
医学においてはどうでしょうか?
色々なものが独り歩きしているのが現状です。
今回は、
「相関がみられた!」
について。
前回の「有意差がみられた」
と同様、何か凄そうな響きですよね。
これも統計論文の結論に書いてあります。
「相関がみられた」
は簡単にいうと
「何かと何かが関係があった」
という事です。
薬Aの投与は
疾患リスクの低下と
相関がみられた
みたいな使用例です。
この場合は
薬Aによって
病気のリスクが減りますよ、
という事ですね。
今回の注意点はココ。
擬似相関
というものがあります。
関係があった、というのが相関なら、
擬似相関は
「一見関係がありそうだが、
実は関係なかった」
という事です。
え?
そんな事あるの?
よくアリます。
なぜなら、
元々、統計手法には
因果関係の考慮は
含まれていないからです。
ですので、
これは使い手側の問題です。
例を出しましょう。
子供1万人を無作為に選び
テストをうけてもらいました。
その結果、身長とテストの点数に
正の相関がみられました。
こんな感じです。
知ってる人はすぐに気付くかと思います。
子供1万人の中身です。
たとえば、6歳から12歳の子供
とかだったりした場合、
年齢が高くなるほど
成長しているので
テストの点数がよくなるのは実に
当たり前の事です。
なので、実際には
身長が高いと年齢が上
年齢が高いとテストの成績が良い
という関係になっています。
このように
実際は関係がないのに
関係があるかのように
みえてしまうのが
統計の罠
です。
これは3パターンがあります。
1つめの
今回の例は
「上流に共通の原因がある場合」
です。
これは他にもアイスクリームの例などがあります。
「アイスクリーム摂取が多くなるシーズンに溺死が多い。
したがって、アイスクリーム摂取が溺死の原因である。」
これも暑い時期に両方が起きるため、です。
気温が高い、という共通の原因があります。
2つめ
として、
「因果関係が逆転」
している場合。
例えば、今の例で言えば
「成績と身長は正の相関がある。
したがって成績が良くなれば身長が延びる。」
これくらい簡単な例だとすぐ分かると
思います。
ですが、複雑な事例については
結構起こり得る事です。
そして
3つめ
として
「全くの偶然の一致」
の場合。
風が吹けば風呂屋が儲かる的なものですね。
「ある事件が起きて
全く関係のないモノの売上が伸びた」
などです。
分かりやすいサイトが他にありますので
ご参考にされると良いでしょう。
論理的思考力と議論
ポジ熊の人生記「相関関係と因果関係 間違いやすい3つの例を学ぼう!」
さて、
医療・医学でも同様な事例があります。
有名なものは
「朝食をきちんと食べると成績が良い」
というものです。
皆さんも1度は聞いた事があるかと思います。
これも
因果関係
の方です。
原因と結果の関係
が大切です。
つまり、
この治療で、こう良くなる。
この食べ物で、こうなる。
こういう因果関係こそが大切です。
相関関係はその因果関係を探るための
ヒントでしかありません。
下図のような関係です。
しかし、現在は相関関係が
因果関係かのように扱われている事が
増えています。
何が大切なのか、もう1度、見直してみましょう。
相関関係は
因果関係では
ありません。