統計学・統計手法は大変有用かつ重要なものです。
医学・医療においてはどうでしょうか?
色々なものが独り歩きしているのが現状です。
また、知られていない様々な事があります。
今回は
「論文の始まりが
結論ありき」
という事について。
多くの論文は
「結論ありき」
で研究が始まります。
すると人間のする事ですので
意識的・無意識的に
思う通りの結論を導こうとしてしまいます。
無意識的には「評価」の変更などです。
聞き取り調査の時に無意識に
望む回答へ誘導してしまう。
効果判定が微妙な時に
効果あり、と判定してしまう。
などです。
データの元自体が変わってしまいます。
作為的には色々です。
有名な大論文とされているものでも
問題になったものがあります。
2013年に問題になった
2014年にデータ改ざんが問題になった
アルツハイマー型認知症の早期診断に関する研究
これらは「データ改ざん」が問題になったケースです。
これの「データ改ざん」は
「完全にアウト」
なものです。
そして、そこまでアウトでなくても、
意図的かつ
グレーゾーンな
場合もあります。
例えば、
メタ解析。
論文を複数集めて
関係性を研究する方法です。
このため、
「集める論文に
結論が非常に左右される」
という特徴があります。
ここに
「データの元を
作為的に集める」
というテクニックを合わせるとどうでしょうか?
自分の出したい結論に沿った
論文を集めれば
お望みの結論が得られる、
というワケです。
たとえば
ネット上で
「インターネットの利用率を調べるアンケート」
をすれば
全員がネットを使えるので
「インターネットの利用率は100%」
という結論が導けます。
メタ解析で信頼度の低い論文が
混じりこんでいた場合、
このような意図的な操作が疑われます。
例えば
「糖質制限で死亡率が上がる」
という有名な論文があります。
江部先生がこの論文の問題点について
指摘されています。
ドクター江部の糖尿病徒然日記
そして、
意識的・無意識的に
結論を歪めてしまう事に
「利益相反」
があります。
大規模な研究などには
お金が必要と考えられています。
お金の出処が
中立的な所ならまだ良いですが、
そうでない場合はどうでしょうか?
スポンサーの意向が
ある程度反映されてくるのは
当然と言えます。
利益相反があるかは
最近では開示される傾向にあります。
論文の最後などに書いてありますので
チェックすると良いでしょう。
結果や結論が歪められている場合があります。
このあたりは
たがしゅう先生がブログでも取り上げていらっしゃいます。
事実とエビデンスを照らし合わせて考える
以上、
論文の始まりが結論ありき、
についてでした。