統計学・統計手法は大変有用かつ重要なものです。
医学・医療においてはどうでしょうか?
色々なものが独り歩きしているのが現状です。
また、知られていない様々な事があります。
それを、ここまで書いてきました。
そうすると今までの所で
参考にならない点は分かった。
では、
何を信じれば
良いのか?
という事が、今回のお話。
その結論が
「論より証拠」
という事です。
統計論文はほぼこの「論」です。
というのも
「有意差がある」
も、確率的に違いがありそうだ、
偶然ではなさそうだ、
というもので、
100%のものでは
ありません。
確率的にそう考えられる、
という推察に過ぎません。
(何も分からない時には有用な事も多いです)
しかも、
明らかに
分かる程の差は
「ない」
という状況での話です。
そして
「相関関係がある」
は
「関係がありそうだ」
という推察にしかすぎません。
その次の
因果関係まで把握して
初めて治療に活きてきます。
相関関係は
因果関係の
ヒントに過ぎません。
これが統計論文です。
さも「証拠」のように扱われている事が
多くなってきていますが
「論」に過ぎません。
千の症例、1万の症例を集めても
すぐに分かるような差がないなら
その程度の差なんです。
信用すべきは「証拠」です。
1万件を統計処理して
何とか差や関係を見つけ出すよりも
実際に起きた事を
きちんと考察すべきです。
例えば、
ビタミンで病気が良くなった。
大勢の反応はこうです。
「そんなバカな、
統計的には有害だ。」
しかし、実際に病気が良くなる事があります。
「外れ値こそが価値を持つ事がある」
そういう事です。
統計論文は
「論」に過ぎません。
実際の症例、
現場の患者さんこそが
「証拠」
です。
統計論文の結果で
右往左往するのは
終わりにしましょう。
生化学的事実、
生理学的事実
も証拠です。
医学の統計論文の方が
上に見られるという誤解が
まかり通っていますが
これは完全に間違いです。
医学より
生化学・生理学の方が
圧倒的に「確かさ」
を持ちます。
・実際の症例
・生化学、生理学的事実
これこそが重視すべき事です。
例えば宗田先生の論文も
単なる統計論文ではなく
とても凄い論文です。
2016年の金沢講演で
熱弁しています。
このように、統計論文は
「参考」、「ヒント」
でしかありません。
繰り返します。
「論より証拠」
です。
以上、統計論文シリーズでした。