糖尿病には
特殊なタイプ
のものがあります。
この特殊なタイプをチェックするために
糖尿病と診断された
「初めの頃」
に測定すべき抗体が2つあります。
なぜ、その2つを
最初の頃に測るかと言えば
陽性だと治療方針や、
その後の経過が
違う
からです。
放っておくと
取り返しがつかない事に
なる場合もあります。
(ならない場合もあります)
そして、2つの抗体は
当然ながら検査しないと
陽性かどうか、さっぱり分かりません。
さらにはその2つの抗体を
糖尿病が酷くなってから
測定するのでは遅すぎます。
悪化する前に測っておき
対処していくのが
より良い治療です。
その2つは
・GAD抗体
・抗インスリン抗体
の2つです。
1.GAD抗体
簡単に言えば
GAD抗体は
陽性だと
インスリンがそのうちに
全く出なくなってしまう可能性
があります。
インスリンが自分の膵臓から
全く出なくなってしまった場合には
インスリンを
1日4回打つ必要があります。
インスリンの自己分泌が
残っているうちであれば
対処方法があります。
その治療方法は
糖質オフ・スプラタスト療法
と言います。
実際にGAD抗体が陰性化した症例が複数あります。
またDPP4阻害薬やGLP1製剤による膵臓のβ細胞の保護も
有効である可能性があります。
しかし、この2剤は何の考えもなく使うと
高インスリン血症をもたらす薬剤です。
このため、高インスリン血症にならない配慮が必要です。
酪酸もDPP4阻害薬のようにGLP1という
腸管ホルモンの分泌を促進するので
同様に膵臓のβ細胞を保護してくれる可能性があります。
2.抗インスリン抗体
抗インスリン抗体は
インスリンにくっついてしまう抗体です。
くっついている間は
インスリンの効き目がなくなるため
抗インスリン抗体が多い場合には
インスリンが体内にあっても
効果が出ない状態になります。
つまり血糖値が下がらなくなります。
このように抗インスリン抗体が陽性だt
まるで、妊娠糖尿病のように
インスリンがあっても
高血糖になってしまいます。
抗インスリン抗体の結合率が50%以上だと
血中インスリン(IRI)が150以上あるのに(通常は10〜20程度)
血糖値は500くらいある(通常は80〜120程度)
そんな症例もあります。
そして、血糖値が上がってしまうだけでなく
何と逆に、血糖値が急に下がってしまう場合もあります。
この抗インスリン抗体も陽性だと
血糖値が乱高下するため
非常にコントロールが難しくなります。
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この場合にも
糖質オフ・スプラタスト療法
で抗インスリン抗体を消せる可能性があります。
実際に抗インスリン抗体が陰性化した症例が複数あります。
糖尿病の方で、この2つの抗体を
測定した事がない場合には
すぐにでも測定する事が大切です。
なにせ、血糖値が落ち着いていても
抗体が陽性
の事があります。
その場合、
知らないうちにインスリンが出なくなってきたり、
血糖値が乱高下したりします。
以上、糖尿病で測るべき2つの抗体、でした。