この記事は、有料オンライン・サロンのシーズン5の公開記事です。
現サロン(シーズン4&5)に参加希望の方はコチラをご覧ください。
無料公開は過去のシーズン(1〜3)のみの予定でしたが、公開記事にビオチン療法に関係する記事が複数あったため、こちらの記事を無料公開致します。
ビオチン療法
今回は、「掌蹠膿疱症5-ビオチン療法」でも取り上げた「ビオチン療法」について。
何に効くの?
基本は「しつこい肌荒れ」に効きます。
ニキビ、酒渣(しゅさ、いわゆる赤ら顔・赤鼻)、掌蹠膿疱症などが適応です。
他にも、薄毛、白髪、花粉症に効果が期待できます。
何か注意する事ってあるの?
・三位一体(ビオチン、酪酸菌、ビタミンC)の治療法ですが、それぞれの量が必要。不足すれば無効。
・アレしちゃダメ、が結構アリ(喫煙NG、生卵NG、ヨーグルトNGなど)。ヤっちゃうと無効。
・根本的な対策になるけれど、効果が出るのに、半年から1年以上かかる。
このように、自分でできるし、根本的な解決に向かう治療法ですが、時間がかかり、失敗する条件があります。
つまり、よくビオチン療法について知り、忍耐強く最低でも1年ほどは続ける必要があります。
ビオチン療法で効果を得るには、よく知って、1年以上続ける!
自分でも出来る対策
最初にまとめ
ビオチン:20〜40mg(20,000〜40,000 mcg)/日
強ミヤリサン:6〜24錠/日(ポリポリと噛み砕いてOK)
ビタミンC:4,000 mg/日
この3つのどれか1つでも少ないと、あまり効かないか、全く効きません。
「効かない」という場合の、ほとんどが「摂る量少な過ぎ」が原因です。
なお、東京近辺の方が皮膚科に受診する、という場合には藤沢皮膚科がオススメです。最高の皮膚科です。
また、皮膚の荒れなどには、
・ビタミンA不足
・ビタミンD不足
・亜鉛不足
などが関係します。
その場合には、以下の対策を。
・ビタミンA不足:ビタミンAか、ビタミンAの仲間の「アスタキサンチン」を1日10mg前後、摂るといいでしょう。
以下のサプリなら1日1粒。他サプリとの飲み合わせを気にする必要は無く、1日のうちでいつ飲んでもOK。
・ビタミンD不足:ビタミンDのみサプリで摂るとビタミンK欠乏症になり、骨からカルシウムが溶け出したり、それが腎臓などで結石になったり、凝固因子が作れなくなり出血が止まらなくなる、などのリスクがあります。このため、DとKを両方摂るといいでしょう。
以下のものなら、1日2〜4粒。他サプリとの飲み合わせを気にする必要は無く、1日のうちでいつ飲んでもOK。
・亜鉛不足:亜鉛サプリは胃のムカつきが出る場合があるので食後に。亜鉛摂取で、銅の吸収抑制が起きます。長期に亜鉛サプリを飲む場合には銅が入っているものを。
以下のものなら、1日2〜4粒。食後に。鉄やマグネシウムなど、他のミネラルサプリと同時には飲まないようにしましょう。(お互いに吸収阻害します)
掌蹠膿疱症の場合、この量でも効かない場合には、Bスポット療法がオススメです。(Bスポット療法については、ご自身でお調べください)
ビオチン療法の具体的な内容
(1)ビオチン
ビオチンは、ビタミンB7の事です。
古くはビタミンHとも呼ばれていました。
殆ど欠乏しないため、単にビオチンと呼ばれるようになっています。
ビオチン療法でのビオチンの作用機序は今でも、分からない事が多くあります。
ザックリと言えば、ビオチンが不足していて掌蹠膿疱症やアトピーなどになるので、補充すれば治るよね、というのがこの治療法です。
特に掌蹠膿疱症に伴う関節炎には効果が高いとするという報告もあります。
ビオチンはなぜ効くの?
分かっている作用機序を少し説明しておきます。以下の3つがあります。
・抗炎症効果
・ヒスチジンを体外に出す
・皮膚の毛細血管を丈夫にする
ビオチンは、
・α-リノレン酸からEPA(エイコサペンタンエン酸)を作るのを促進
・炎症を抑えたりする「プロスタグランジンE3」を作るのを促進
という効果があります。
EPAはアラキドン酸から炎症を起こす物質が作られるのを抑える働きがあります。
つまり、EPAは炎症を抑えてくれます。
また、ビオチンは、「ヒスチジン(必須アミノ酸の1つ)」を体外に排出させる働きがあります。
この「ヒスチジン」は代謝されると、かゆみを引き起こす「ヒスタミン」になります。
つまり、ビオチンはかゆみの元をデトックスしてくれます。
ビオチンは皮膚の基底細胞の下にある毛細血管を丈夫にする効果もあります。
それによって、血流が増えると、新しい皮膚もできやすくなります。
なお、この効果によって、ささくれだった爪にも効きますし、馬の蹄を強くするために、昔から獣医はこのビオチンを使っていました。
ビオチンが不足しやすい人は?
ビオチンが特に不足しやすい人もいます。
以下のような場合です。
・透析を受けている人:透析でビタミンB群が減ります。また、カリウム制限食をしていると野菜を茹でるなどで茹で汁に水溶性ビタミン(B群とC)が逃げてしまいます。(ビオチンはビタミンB群の1つです)
・抗菌薬を服用している人:抗菌薬によって腸内の細菌が変化し、ビオチンを餌にする細菌が増えるとビオチンが欠乏します。
・抗てんかん薬を服用している人
・長期間にわたって睡眠誘導剤、抗うつ剤を服用している人
・ α-リポ酸だけを摂っている人:ビオチン とα-リポ酸は化学構造が似ているため、一方を取りすぎると、片方が相対的不足を起こす、と言われています。
・生の卵白を非常に多く摂る人:ボディビルダーで、卵の黄身を取り除き白身だけでタンパク質のシェークをつくる人がいるようです。黄身を取り除くのは余分な脂質をとるためです。 そのシェークを毎日飲むような場合です。加熱していない生の卵白に含まれているアビジン(Avidin)というタンパク質が、ビオチンと結合して吸収を邪魔してしまいます。
・ヨーグルトを頻繁に多く食べる人:ビフィズス菌が含まれていると、ビオチンを食べてしまいます。
ビオチンの量は?
ビオチンは通常量より多い多量の1日9mg – 12mgで投与されるケースが多くなっています。
場合によっては、最大5mg/日なんていうドクターもいます。
が、足りません。
20〜40mgがイチオシの量です。
足りないと効きません。
効かない場合の多くが、量が足りないのが原因です。
ビタミンは101以上を摂って効くとしたら、100を摂っても効果““ほぼゼロ“”です。
90%とかではなく、ほぼゼロです。
ビオチンはビタミンB群の1つで水溶性ビタミンです。
水溶性のご多分に漏れず、持続時間が短めです。
このため、1日2〜3回に分けて飲んだ方が効果的です。
でも、ある程度、量を飲めば、1日1回でも効果が期待できます。
「効かない」のは、圧倒的に量が足りない事が多いです。
(2)酪酸菌
ビオチン療法は、ビオチンだけ摂っても効果が殆ど出ません。
ビオチンは、一部の腸内細菌の好物でもあります。
サプリなどでビオチンを摂ると、そのビオチン大好きな腸内細菌が増えるだけに終わります。
腸内細菌が食べてしまって、結局、腸から吸収されるビオチンが増えない、という事になります。
このため、ビオチンを食べない細菌を同時に摂って、ビオチン大好き細菌が増えるのを抑える必要があります。
最も多く使われているのが酪酸菌です。
市販のもので酪酸菌が含まれているのは「ビオスリー」と「強ミヤリサン」の2つです。
ですが、「ビオスリー」は名前の通り3種類の細菌が含まれており、酪酸菌以外の細菌がビオチンを食べてしまいます。
ですので、ビオチン療法として摂る場合には、「強ミヤリサン」の方にしておきましょう。
なお、あまり売っていませんが、“強“がついていない「ミヤリサン」でも大丈夫です。
なお、“強“とついている方が1錠あたりの菌の数が多いので、飲む錠剤の数が少なめで済みます。
逆に、”強”とついていないミヤリサンも、表記の量を飲めば同様の効果があります。
1日に6錠以上(強ミヤリサンの場合)を摂りましょう。
量は、12錠でも、24錠でも、100錠でもOKです。
また、噛み砕けるので、ラムネみたいにポリポリと噛んで飲み込んでもOKです。
(3)ビタミンC
肌はコラーゲンなどから出来ており、そのコラーゲンなどを合成するにはビタミンCが必須です。
このため、ビオチン療法ではビタミンCも、よく併用されます。
この必要量も色々な量が提唱されています。
例えば、、400mg/日など。
でも、足りません。
4,000mg/日以上は必要です。
ビタミンは101以上を摂って効くとしたら、100を摂っても効果““ほぼゼロ“”です。
量が足りなければ、効果がありません。
400mg/日では、到底、量が足りません。効かない原因になります。
具体的なサプリは?
ビオチン療法では、ビオチン(ビタミンB7)と、酪酸菌(宮入菌)と、ビタミンCを摂ります。どれも量が少ないと効きません。しつこい肌荒れ、ニキビ、花粉症、アトピー、掌蹠膿疱症などに効果が期待できます。
(1)チュアブルのビオチン
Natrol, ビオチン、ストロベリー、10,000 mcg、60粒
これは一粒で、10,000 mcg(μg)=10mgのものです。
これを1日に1〜2粒が、ビオチン療法の用量です。
1日2粒の場合には、朝1粒、夕1粒が理想ですが、まとめて飲んでも量が足りているので割と大丈夫です。
噛んで食べられるストロベリー味です。
チュアブルじゃない方がいい、という方はコチラを。
Natrol, ビオチン、成分増量タイプ、10,000mcg、タブレット100粒
(2)酪酸菌(宮入菌)
ミヤリサン-強ミヤリサン-錠-330錠-指定医薬部外品
1日6錠以上。最大は、何錠でもOK。
噛んで食べられます。
私は下痢っぽい時なんかには、1回で50錠くらい食べます。
ビオチンは、ビオチン単独で摂ると、ビオチンをエサにする腸内細菌が増えます。結果として、摂ったビオチンは腸内細菌によって食べられまくり、私達の身体の中に入ってきません。しかも、ビオチンをエサに腸内の悪玉菌も増えまくります。それらの「ビオチンをエサにしちゃう菌」が増えるのを抑えてくれるのが、酪酸菌です。市販のもので酪酸菌が入っているのは、「ミヤリサン」のみです。
「ビオスリー」にも、同じ「酪酸菌(宮入菌)」が入っていますが、「ビオチンをエサにしちゃう菌」も入っていますのでNGです。
(3)ビタミンC
ビタミンCは上記のもので大丈夫です。ただ、他の2つが「噛んで食べられる」ので、ビタミンCも「噛んで食べられる」タイプ(=チュアブル)のものを、挙げておきます。
チュアブルのビタミンC、500mg
Natural Factors, フルーツフレーバーチュー、ビタミンC、ピーチ、パッションフルーツ&マンゴー、500mg、チュアブルタブレット90粒
なお、チュアブルのビタミンCは、すごく湿気りやすいのでご注意ください。特に、粒数の多い大きめの方(180粒入り)だと、よっぽどの勢いで食べるか、乾燥剤を入れまくっておかないと、ほぼ確実に湿気ります。
チュアブルじゃなくてOK、持続性があった方がいい、という方はコチラ。
↓
ソラレーのビタミンC 1000mg、タイムリリース
1日3〜4カプセル
3000mg/日なのは、他の哺乳類が体内で作るビタミンCを人間に換算した量から。
できれば、朝2、夕2で。
こちらも各種試した中で最良。
他社の500mgサイズで、1000mg。
Cも持続時間が短め(すぐに尿中に排泄)なので、タイムリリース。
ビオチン療法のデメリット、時間がかかる!
自分で出来る、大した副作用はない、そして、根本的な対策になる。
そんなとっても素敵なビオチン療法ですが、デメリットがあります。
・アレしちゃダメが結構あり。
・効果が出るのに時間がかかる。
この2つです。
ビオチン療法では、特に「何となくサプリだけ飲んでおけばOK」は、間違いです。
簡単ですが続ける必要がありますし、NG項目を避ける必要があります。
さて、この「ビオチン療法」は、不足しているビタミンを補う治療法です。
そして、そこから「肌が再生」していきます。
つまり、「補う」→「再生」のための””時間””が必要です。
「肌の再生」だけでも、半年から1年ほどかかります。
つまり、ビオチン療法の効果が出るのには、最低でも半年から1年はかかる、という事です。
ビオチン療法は、栄養療法は時間がかかる、という典型でもあります。
「時間がかかるし、何かメンドイ」と言って、処方された薬をただ飲む方がラクでいい、という方も多く見かけます。
ですが、そういった方は処方薬を飲むだけだと、「全く何も治ってないし、何なら悪化してますよ?」という事に気づいていません。
なにせ、「根本的な原因」を全く放置しているからです。
「規律は軽く、後悔は重い」という名言があります。(ジム・ローン(Jim Rohn)の名言)
何も治っていないので、そうやって、ずっと医療サブスクに手間暇とお金を払い続ける事になります。
薬も効かなくなり、どんどん強い、そして副作用も強い薬に変わったり、種類が増えていきます。
「規律は軽く、後悔は重い」のです・・・。
後悔する前に、根本的な解決を目指すのがオススメです。
自己流のビオチン療法で完治まで10年かかった体験談
ネットで体験談があったので、引用しておきます。
〜〜以下、引用〜〜
何故完治まで、10年もかかったのか?
その間に4人の皮膚科の先生にかかりましたが、皆水虫との診断でした。
うち2人は顕微鏡でも調べて、「水虫菌がいないけど、今までも薬を塗ってるからでしょう。
薬を変えるから多めに塗って下さい。」
別の2人は顕微鏡も見ずに、いつも黙って薬を出すだけ。一度先生に云いました。
「先生、これ本当に水虫でしょうか?」「なぜ、そう思うの?」
「痒くもないし、だいぶ永い間薬を頂いても変化がありませんから。」
「どう診ても、これは白癬やで。はいはい薬を変えときます、今度は液体にしましょう。
水虫は痒いとは限りませんよ!痒くない水虫はいくらでもありますよ!」でした。
ただし、こうして皮膚科にかかったのは約7年です。
3年前にインターネットで掌蹠膿疱症と判ったのに、約1年間は自分の治療が間違ってました。
約2年前、正しい治療法が解り、1ヶ月位で効き目が出てきました。それから半年位で、見た
目にはほぼ治りました。80%位でしょうか?ここで油断してサプリメントを止めました。
これが大きな失敗で、元のように悪くなりました。元のもくあみです。
再度10ヶ月程サプリメントを真面目につづけて、ようやく治りました。ずい分遠回りしました。
しかし、このサプリメントは続けようと思います、別の面でも身体に非常にいいと思うからです。
うつ病も良くなりました。
〜〜以上、引用〜〜
途中でやめると再燃する、という「栄養療法あるある」も含まれており、トライする方に非常に参考になる事例です。
ビオチン療法中にしてはいけない事は?
(1)喫煙
喫煙すると、ニコチンを処理するためにビオチンが使用されてしまいます。
また、同時にビタミンCも消費されてしまいます。
ビオチン療法中は、禁煙一択です。
(2)飲食NGなもの
卵白:卵白に含まれるアビジンが、ビオチンと結合するため、すき焼きの生卵や、卵かけご飯は、ビオチンの吸収を阻害します
メレンゲ:卵白で泡だてた食材なので、ビオチンの吸収を阻害します
ムース:卵白で泡だてたメレンゲから作るので、ビオチンの吸収を阻害します
ヨーグルトなどの乳製品:ビオチン好きな細菌を腸内で増やしがちです。
アイスクリーム:乳製品の生クリームを泡だてた食材なので、ビオチンの吸収を阻害します
カフェイン:ビオチンだけでなく、ビタミンB1、イノシトール、カリウム、亜鉛、カルシウムを排出してしまいます。少量ならOK。
アルコール:ビオチンだけでなく、ビタミンA、B1、B2、B3、B15、コリン、葉酸、マグネシウムを排出してしまいます。少量ならOK。
ヨーグルトはどれもNGなの?
稀に、ビオチン的にOKなヨーグルトもあります。
ヨーグルトに含まれる菌の種類によります。
ビオチン的には、作る細菌と減らしてしまう細菌がいます。
(1)ビオチンを生産する善玉菌の例
・ビフィズス菌BB536(Bifidobacterium longum BB536)
・クロストリジウム・ブチリカム(Clostridium butyricum):酪酸菌の一種です。宮入菌という名前でサプリメントとして売られています。
・アシドフィルス菌(Lactobacillus acidophilus):乳酸菌の一種です。
(2)ビオチンを消費する善玉菌の例
・フェカリス菌(Enterococcus faecalis):乳酸菌の一種です。腸球菌とも呼ばれます。
・ラクトバチルス・ムリナス(Lactobacillus murinus):乳酸菌の一種です。
・ラクトバチルス・プランタラム(Lactobacillus plantarum):乳酸菌の一種です。
・ビフィズス菌JBL01(Bifidobacterium longum JBL01)
上記のビオチンを減らす細菌が含まれているヨーグルトは、ビオチン療法中にはNGです。
乳酸菌やビフィズス菌でもOKのものとNGのものがあり、要注意です。
乳酸菌やビフィズス菌でもビオチン療法OKのものとNGのものがアリ
以上、ビオチン療法でした。
この記事は、有料オンライン・サロンのシーズン5の公開記事でした。
現サロン(シーズン4&5)に参加希望の方はコチラをご覧ください。
無料公開は過去のシーズン(1〜3)のみの予定でしたが、公開記事にビオチン療法に関係する記事が複数あったため、こちらの記事を無料公開致しました。