今回は、インスリンを分泌してくれる大切な
膵臓の「β細胞」
について。
(元記事公開日:2015年6月7日)2019
糖尿病と診断された頃には・・・
糖尿病と診断された時には膵臓のインスリンを出す細胞(β細胞)の
5割が働かない状態
になっていると言われています。
このうち、3割程度は気絶しているだけ、なので糖質オフで休めてあげれば回復の可能性があります。
残りの2割のβ細胞は死んでしまっています。
糖尿病と診断された時には2割ほどの膵臓β細胞が死んでいるといわれている。
アポトーシスといって細胞が過労死してしまうのです。
残念ながら死んだβ細胞を復活させる方法は今の所ありません。
β細胞を増やす方法もネズミなどで研究中でまだまだ10年以上かかりそうです。
先日もハーバード大学の研究が話題になっていますが、細胞レベル、ネズミレベルです。
という状況ですので現在では糖尿病は完治しません。
現代の医療では膵臓β細胞の数を増やせないので、糖尿病は完治しない。
「長年の糖尿病が完治した」という医師や広告は誇大です。
すぐに医師を変えましょう。サプリ等であれば手を出すのはひかえましょう。
なお、糖尿病になりたてや、なる手前であれば完治の可能性はありますし、
そういう例を見たことがあります。
なぜなら、β細胞がそれほど死んでいない状態だからです。
ですが、長年の糖尿病となるとそうはいきません。
死んだ分のβ細胞は今のところは復活させる方法はありません。
あとは怪しげな治療法やサプリなどでも「糖尿病完治!」など書いてあったら確実に分かっていない人がやっています。絶対に避けましょう。
つまりβ細胞を増やす方法が医療現場に来るまでは、この負荷試験で「インスリンの出が遅い」は改善されないと思った方が良いでしょう。
では、どうすれば良いのか?
糖を負荷しなければ血糖値は上がらず、インスリンの追加分泌(食後のインスリン大量分泌)は必要ありません。
糖を摂らなければ膵臓のβ細胞にかかる負担は少なく、気絶しているβ細胞は回復させられる可能性がありますし、これ以上β細胞が死んでいくのも防げます。
つまり糖質を摂らなければ良いのです。
そう、糖質オフです。
ちなみに、「糖負荷試験」が大好きな医師がいます。
糖尿病できちんと糖質オフしている方に糖負荷試験をするとどうなるでしょうか?
まずは折角、普段、糖質を抑えて膵臓のβ細胞の負担をとっているのに、ガッツリと負担をかけてしまいます。検査で膵臓のβ細胞を痛めつけてしまいます。
また普段の糖質オフがしっかりしている程、久々に糖質を取ると高血糖になってしまう事があるようです。このため糖負荷試験で「負荷後の血糖値が高いですね。膵臓のインスリン追加分泌の機能が落ちています」とか言われます。
ですが、インスリンの追加分泌が落ちている、という事は元々、糖尿病と診断された時点で分かっていることです。分かっている事を知るために、既に減ってしまっている膵臓のβ細胞を痛めつけるのは意味があることでしょうか?
私なら絶対に願い下げです。
という事でここ数年来、糖負荷試験はオーダーしていません。
また負荷試験の結果を良くするだけなら、
負荷試験の3日前から糖質を摂ると負荷後の血糖値が低めになる場合もあります。しかし、そもそも高血糖・高インスリン血症による害があるのでお勧めしません。
この糖質オフ中の糖負荷試験については動画でも説明しています。
減ってしまったβ細胞を大切にする
という事で、減ってしまったβ細胞を大切にするには、糖質の摂取量を減らしましょう。
というと「玄米、ライ麦パンなどにしています!」という方がよくいます。
糖尿病になってしまったら、玄米でもライ麦パンでも血糖値は上がります。
糖尿病になってしまったら、玄米でもライ麦パンでも血糖値は上がる。
根拠は江部先生のブログに詳しく載っています。
大切なのは「糖質の量」自体を減らす事です。
そして栄養不足とならない様に「動物性蛋白質」を摂りましょう。
肉、魚貝、卵、チーズです。
以上、β細胞について、でした。