今回は膵性糖尿病の食事について。
膵性糖尿病って?
まずは膵性糖尿病とは何か?から。
膵性糖尿病というのは何らかの膵臓の病気が進む事で、糖尿病が出現したものです。
ここで言う「何らかの膵臓の病気」には色々なものが含まれます。
膵炎や癌に伴って起こるものが典型的です。
他にも先天性膵形成不全、自己免疫性膵炎などがあります。
膵性糖尿病の食事は?
膵性糖尿病の食事は原因となっている膵臓の病気によります。
糖質制限か、ケトン食か、ケトジェニックか、MEC食か、緩やかな糖質制限か、などというより、脂質の量が問題となってきます。
そして、糖質制限の禁忌を思い出してみましょう。
そう、糖質制限の禁忌には「活動性膵炎」があります。
これは、活動性のある膵炎の方が脂質を摂ると、一気に膵炎が進行してしまうためです。
膵臓が自ら分泌する消化酵素で、膵臓自体を消化してしまうのです。
という事で、膵性糖尿病の原因として多い「膵炎」の方は膵炎の活動性がある間は糖質制限(高脂質食)ができません。
活動性がなくなってきた場合はどうか?と言えば、やはり高脂質食で膵炎の再発などが起こる可能性があります。
このため、膵炎の活動性がなくなった場合でも、糖質オフ(高脂質食)をする時にはきちんと糖質オフに理解のある主治医に診てもらいながら開始する事が大切です。
膵炎以外の膵臓疾患であれば、基本的には糖質オフは可能です。
といっても、膵臓が弱っている状態ですので消化能力も低下しています。
消化酵素などの薬の内服などが、併せて必要な事は多いかと思います。
またインスリンの自己注射が導入されている場合も注意が必要です。
膵性糖尿病では、通常の糖尿病よりも低血糖が長引きやすい事が多いため、糖質オフでの低血糖には通常の2型糖尿病よりもさらなる注意が必要です。
これは膵臓から分泌される「グルカゴン」という血糖値を上げる効果のあるホルモンも分泌が低下しているためです。
このため、膵性糖尿病では一旦低血糖になると、血糖値が上がりにくい場合が多いです。(他にも色々な影響があります)
ですので、インスリンが導入されている方も、糖質オフに理解のある主治医にきちんと診てもらいながら糖質オフを開始する事が大切です。
以上、膵性糖尿病について、でした。