今回は、「病気で太る」という事について。
「病気で太る」とは?
単純に「食べ過ぎて太った」場合は、「原発性肥満」=「単純性肥満」と呼びます。
それ以外の肥満は「二次性肥満」=「症候性肥満」と呼びます。
肥満の90%以上が「単純性肥満」と言われています。
つまり、肥満はほとんどの場合、病気ではなく「単なる食べ過ぎ」という事ですね。
ほとんどの肥満は「単なる食べ過ぎ」。
病気のために肥満になっているのは1割以下、という事です。
とはいえ、病気の割合として10%程度というのは、少ないとも言えない割合です。
その肥満を引き起こす病気で、代表的なのは「ホルモン関係」の病気です。
肥満と関係する代表的なホルモン関係の病気
ホルモン関係の病気は無数にあるので、代表的な4つをご紹介します。
副腎皮質ホルモンのひとつ、「コルチゾール」が出過ぎてしまうという
Cushing症候群(クッシング症候群)
甲状腺ホルモンが少なすぎる
甲状腺機能低下症
女性ホルモン関係が乱れてしまう
多嚢胞性卵巣症候群(Polycystic ovary syndrome:PCOS)
インスリンが出過ぎてしまう
インスリノーマ(インスリンを出す膵臓の腫瘍)
この4つが代表的な肥満を起こす病気です。
病気にはなってないけど近い状態でも太る?
で、それぞれの病気自体まではいかなくても、それに近い状態のため「太る・やせない」、という事があり得ます。
上の4つの病気、それぞれに近い状態を挙げます。
クッシング症候群に近い状態
ストレス状態など
甲状腺機能低下症に近い状態
低T3症候群など
多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)に近い状態
更年期障害など
インスリノーマに近い状態
その他の高インスリン血症など
この「近い状態」で太っている・やせない、という人は、他の「病気」も合わせて、各種の診断基準を満たしていない事も多くあります。
その場合は、「病気」ではないので「原因不明」となってしまいがちです。
以上、病気でやせない「症候性肥満」、でした。