前回の
「コレステロールの冤罪(えんざい)」
の続編。
なぜ、消防士のように
「血管壁の傷を治している」コレステロールが、
放火犯のように扱われるのか?
それにはもう1つ理由がある。
それが
疑似相関
というもの。
疑似相関とは、
直接的には全く関係ない2つを調べると
相関関係があるように見える、というもの。
例えば、
「アイスの売上が高くなると、プールで溺れる人が増える」
コレである。
「体が冷えるから溺れるのかな?」
とか 理由までつけ始めるのが人間の思考である。
実際は
「夏だから」アイスの売上が高くなる。
「夏だから」プールに行く。
結果的に行く人が多いので溺れる人も増える。
というのが本当のところ。
つまり、「夏」とか「気温が上がる」というのが本来の原因。
別の原因があるのに、
「アイスで溺れる」 とか考えてしまう。
統計の典型的誤解釈。
動脈硬化では
まさに疑似相関による誤解が生まれている。
高いLDLの人を調べたら
血管が詰まる傾向があった。(相関関係)
だから、
高いLDLによって、血管がつまる。
(相関関係からの誤解=疑似相関)
真の因果関係は下記のようになっている。
そう、
「体の酸化」
こそが、動脈硬化の原因。
そして、
体が酸化するから、
それを治そうとして
肝臓でLDLコレステロールが作られる。
原因は
「体の酸化」
である。
これをどうにかしなければ、
抗血栓薬を飲んだり、
LDL降下薬を飲んでも、
動脈硬化自体は1ミリも良くならない。