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糖尿病と予備軍向けのプロテイン
リクエストの「糖尿病と予備軍向けのプロテイン」について、今回は扱います。
糖尿病と予備軍向けのプロテインは?
結論からいえば、「糖が少なめのもの」となります。
どの程度、少なければいいか?は、人によります。
糖尿病が進行してしまっている人ほど、「糖が少なめのもの」を選ぶ必要があります。
最近では多くのプロテインが糖質含有量少なめです。
が、筋肉を増やす用の糖質いっぱいプロテインもある事はあります。
糖尿病やその予備軍の方は、糖質量をチェックしてから選びましょう。
糖が少なめのプロテインを選ぶ
なぜ人によって違うの?
これは、糖尿病が進行するほど、同じ糖質量でも血糖値が大きく上がるからです。
ブドウ糖1gでどの位、血糖値が上がるかは以下のようになります。
健康:1〜2
2型糖尿病:3
1型糖尿病:5
(単位はmg/dL)
このため、病状が進んで血糖値が上がりやすい人ほど、糖質の少ないプロテインを選ぶ必要があります。
プロテインの種類は?
植物性のプロテインには、ソイプロテイン(大豆)、ピープロテイン(えんどう豆)、ヘンププロテイン(麻の実)などがあります。
基本的にはどれも「お腹を膨らます」プロテインで、タンパク源としてはあまり考えないようにした方がいいでしょう。
大して我が身になりません。
空腹感が強い場合に、空腹感を抑えるためには有用です。
タンパク源としては、やはり「ホエイプロテイン」が有効です。
えっ?ホエイはインスリンが出るのでは?
確かに、ホエイ(乳清)は、インスリン分泌を刺激します。
それはデメリットがあるのでしょうか?
さらに、デメリットなのでしょうか?
ホエイで血糖値は?
が、血糖値自体は、1型糖尿病でインスリンの分泌が「ゼロ」か「ほぼゼロ」の方くらいしか、上昇しません。
健康な場合、タンパク質で血糖値は変動しません。
2型糖尿病では、1gのタンパク質で0.2〜0.3mg/dL程度の上昇。
1型糖尿病では、1gのタンパク質で2〜3mg/dL程度の上昇。
こんな感じです。
あくまで目安なのでズレる事も多くあります。
逆にいえば、だからこそ、1型糖尿病の血糖値は乱高下しやすくなります。
インスリン分泌がほぼゼロの1型糖尿病では、普通は関係ないような要因で血糖値が上がったり、下がったりします。
このように血糖値はホエイでは、ほぼ変動しません。
ホエイの分泌刺激の役割って?
また、ホエイによるインスリン分泌刺激は、膵臓のβ細胞が退化・萎縮しないためには必要だと「考えます」。
「考えます」というのは、特に根拠となる論文などがないから、です。
「エビデンスくれくれ派」の人はすぐに「根拠クレクレ」しますが、分かっていない事は、分かっていないのです。
「断糖や糖質オフをした上で、さらにタンパク質の摂取量を変えた場合に、膵臓のβ細胞の数や機能がどうなるか?」というのは、世界の誰にも分かっていません。
が、インスリンを外から打ち始めると「速攻で」、自分の膵臓のβ細胞からのインスリン分泌が減る事は私の患者さん達のデータから分かります。
また、腎不全の方が人工透析を始めると「速攻で」、尿が全く出なくなるのも同様です。
寝たきりだと「速攻で」、筋力が低下しまくるのと同じです。
生物は「使わないものは退化する」ように出来ています。
ですので例えば、「断糖」かつ「タンパク質やアミノ酸によるインスリン刺激も<<極端にかつ長期的に>>減らす」と、膵臓のβ細胞の数が減ったり、不可逆的な機能低下が起こるかもしれません。
以上のようにホエイは、血糖値をほぼ上げず、インスリン分泌は刺激してくれます。
膵臓の機能を保つには非常にいい程度の刺激ではないでしょうか?
まぁ、以上の事は、あくまで「現時点でそうかもしれません」という話です。
ホエイプロテインの中では?
さて、ここまでで以下の事を書いてきました。
糖尿病や予備軍の方にオススメなプロテインは、以下の様なものです。
・糖が少ないもの
・空腹感が強いなら植物性プロテイン
・タンパク源としてはホエイプロテイン
ホエイプロテインにも種類がある事は、今までの「ガイド」記事で説明してきた通りです。
予備軍や初期なら?
糖尿病の予備軍や、まだまだ軽めの人ならWPCホエイプロテインでいいでしょう。
日本で入手できるホエイプロテインの多くは、「WPC」です。
重量でのタンパク質の割合が約7割です。
含有量がそこまで高くない分、お安いのが特徴です。
糖は多めのものと、少なめのものがあるので注意しましょう。
初心者向けのWPCホエイプロテインには、「ビーレジェンド」などがあります。
値段がお安く、味の種類が豊富で、グラスフェッドな牛さんのミルクから作っている、などの特徴があります。
なお、WPCホエイプロテイン以外も作っているブランドではあります。
進行した糖尿病なら?
WPCでは、乳糖などが含まれます。
このため、進行した糖尿病の方では血糖値が上がります。
ですので、糖尿病が進行している場合には、さらにタンパク質含有量が多く、糖質量が少なめな「WPI」がオススメです。
WPIは、重量でのタンパク質含有量が8〜9割と高めです。
それに伴って、糖も少なめの事が多くなっています。
WPIホエイプロテインのオススメは「VALX」です。
出た当初は、売り切れ続出でしたが、最近は安定して入手できるようになりました。
さらに味の種類も増え、続けやすくなりました。
飲むタイミングは?
糖尿病や予備軍の人の多くは、タンパク質不足があります。
そして、タンパク質不足がある場合、<<他の何をしても>>、病状は改善し止まります。
最優先すべきは「タンパク質不足の解消」です。
このため、同時に最優先すべきは「ホエイプロテインを続ける事」です。
つまり、「飲むタイミングは?」といえば、「自分が続けられるタイミング」となります。
とはいえ、一般的に「良さげなタイミング」「続きそうなタイミング」はあります。
そう、「朝」と「夕」の2回、です。
「朝」は、「起床後」なのか、「朝食前」なのかは人によって変えてもいいでしょう。
朝食後にプロテインが飲めるなら、それでもいいのです。
が、タンパク質不足がある場合は、タンパク質の消化吸収能力が低下しています。
朝食後にさらにプロテインを飲めない場合の方が多い事でしょう。
「夕」も、「夕食前」なのか、「寝る前」なのかは、人によって変えてもいいでしょう。
「夕食後」もいいのですが、満腹感で飲めない人の方が多い事でしょう。
「昼」は、多くの人が飲み忘れがちなタイミングです。
とはいえ、「昼」にキッチリとプロテインを続けられるなら、「昼」に飲んでも全く問題ありません。
また、糖質は空腹時なら5gまでは血糖値が上がりません。
そして、食後2〜3時間は血糖値が高めです。
このため、血糖値的なベストタイミングは空腹時で、さらにプロテインから2〜3時間を空けて食事を摂る、という流れになります。
が、イチイチ時間を空けるのは、非常にめんどく、続かなくなりがちです。
なので、最優先を「続けやすいタイミング」にしておきましょう。
ホエイプロテインを飲む時に必要な事
ホエイプロテインは、元の牛乳と同じく、カルシウムを含みます。(含有量は、製品によって異なります)
このカルシウムが、マグネシウムの吸収を抑えるため、マグネシウム不足になりがちです。
ホエイプロテインを摂る時には、マグネシウムも摂るといいでしょう。
マグネシウムがあると、代謝が乱れ、血糖値も上がりやすくなります。
ホエイプロテインを摂る時には、マグネシウムも摂る
以上、糖尿病と予備軍向けのプロテイン、でした。
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