この記事は、有料オンラインサロン過去記事(シーズン1~3)の公開版です。
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当時の記事に、さらに加筆修正して、分かりやすさをアップしました。
頭の体操「現在まで危険性の報告なし」は「安全」なの?
中に入りますか?
突然ですが、皆さんの前に「金銀財宝が眠っていると言われている、真っ暗な洞窟」があるとします。
中に入りますか?
冒険心に溢れる方なら、「はい!入りますッ!」と言うかもしれません。
ですが、多くの人は「え?入らない」と答える事でしょう。
他には「もっと洞窟の情報はないの?」と訊く方もいるかもしれません。
洞窟の情報
では、洞窟を管轄する「責任者」の方に説明してもらいましょう。
責任者「責任者の岩屋です。」
責任者・岩屋「この洞窟は最近、発見されました。」
責任者・岩屋「まだ内部に照明はついておらず、足元も舗装などはされていません。ですが、奥には金銀財宝が眠っていると言われています。」
この情報の追加で、皆さんは中に入りますか?
当然、まだ入る方は少ない事でしょう。
洞窟の更なる情報
では、責任者の岩屋さんが、こう説明したらどうでしょうか?
責任者・岩屋「この洞窟には危険があるという話がありますが、それはデマです。洞窟発見後に、世界の最先端をいく専門家・エキスパート達100人が内部を実際に探索しました。その調査によれば、内部に危険なものは何一つありませんでした。さらに皆さんの前にも、一般の方が100人、中に入っています。その方達も洞窟内のものが原因で危険に遭遇した方はいません。もし何かあっても、1人あたり4420万円をお渡しします。では、皆さん、奮って中にお入りください。」
どうでしょうか?
これなら安心しますか?
なんせ専門家100人のお墨付きです。
さらに、一般人も100人、先に入っていて危険に遭遇していない、という話です。
責任者の岩屋さんが、太鼓判を押してくれている感じがしますよね?
さらに補償金も支払われるとの事です。
万全の体制と思うでしょうか?
低いリスクで、金銀財宝が入手できる可能性があるなら、中に入ってみたくなるでしょうか?
それって本当なの?
ですが・・・。
もし、岩屋さんが説明していない事があったら、どうでしょうか?
話は全く違ってきますよね?
死傷者あり・・・
先に入った一般の方100人のうち、既に10人が戻ってきており、死者5人、意識不明の重体5人だったとしたら?
でも、責任者の岩屋さんは、そんな事は説明していませんでした。
皆さんもお聞きになった通りです。
なぜでしょうか?
因果関係がまだ判断できない
その理由は、責任者の岩屋さんや専門家達が「今のところ洞窟との因果関係は判断できない」と認めていないだけだったら?
「因果関係がまだ判断できない」状態なので、「洞窟内の危険なものでヤラれた」と「確定」した人が、「今のところゼロ」なだけだとしたら?
それでも、責任者の岩屋さんは、何一つ、「嘘」は言っていません。
たったの100m?!
さらに、この洞窟は少なくとも全長5km以上があり、専門家達が調査したのが入り口の100m地点まで、だったとしたら?
そうだとしたら、残りの実に4900m以上の部分については、危険なのか、安全なのか、全く分かっていない事になります。
これは、実に単純なトリックです。
このように、「現在までの所、危険性の報告はありません」は、「安全」とイコールではありません。
調査したのは、5km以上あるうちの最初の100m部分までかもしれません。
本来なら「安全です!」と断言するには、残りの4900m以上の部分についても、綿密な調査が必要です。
が、「現在までの所、危険性の報告はありません」は、たったの100m部分の調査だけでも、そう言えてしまいます。
そう言っても、嘘ではありません。
ですが、それは「安全」とイコールではないのです。
後で危険性が知れ渡った時、危険な目にあった時に、クレームをつけたらどうなるでしょうか?
「アンタは安全だと言ったじゃないか!!」と。
当然、岩屋さんはこう答えるでしょう。
責任者・岩屋「私は、当時の100mまでを調べた情報で、危険性の報告はなかった、と申し上げました。専門家も当時そう言っており、それ以上の事については、分かりようがありませんでした。」
つまり、後から文句を言っても「専門家はそう言っていた」「当時の情報ではその判断は妥当だった」と答えられるだけです。
実際に、2020年と2022年で言っている事が変わってきている「専門家」も似たような事を言って言い訳していますよね?
報告なし、の実態は?
しかも、「現在までの所、危険性の報告はありません」という場合、「因果関係がまだ判断できない」というケースは、カウントに入れる必要がありません。
実際に死傷者が出ていたとしても、「因果関係が判断できない」と保留しているうちは、「洞窟内の危険による死傷者はゼロ」と言っても、嘘にはなりません。
何せ、「洞窟内の危険による」かどうか、分からないのですから。
「判断ができない」と保留しているウチは、延々に「死傷者ゼロ」です。
情報を集め、適切な判断を
という事で、上の話では、責任者の岩屋さんは何一つ嘘を言っていません。
実際に専門家達も100人で調査しました。
因果関係が認められれば、補償金も支払われる事になっています。
さて、皆さん。
洞窟の中に入りますか?
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