考え方

〝バランス〟を見たら⚠️要注意〜亜鉛〜

例えば、こんな文章をよく見かけます。
「亜鉛は、汗を沢山かく場合や、運動強度が高くなるほど消費量が増える傾向にあり、良く運動する人ほど不足しやすくなります。亜鉛を十分に摂取するためには、バランスの取れた食事が重要です。」

はい、出ました「バランス」。⚠️要注意です。

これは一見すると「なるほど」とか「その通り」とか思うかもしれません。ですが、例によって間違いです。亜鉛不足が強い場合、1日に摂るべき亜鉛の量は25〜50mgにもなります。では、食べ物にはどれ位、入っていいるのでしょうか?

亜鉛は、牡蠣やアワビ、煮干し、スルメ、牛肉などに多く含まれています(豚肉・鶏肉は少なめ)。最も多い牡蠣でも、100g中に亜鉛は13mgほど、煮干しは7mg、スルメは5mg、牛肉も4〜5mgほどしか含まれていません

毎日ずっと、牡蠣を200g食べ続ける人はいないでしょう。牛肉500gならイケる人はイケます・・・が、少数派でしょう。となると亜鉛不足が強い場合には、サプリ一択になります(もちろん、亜鉛不足が無いか、ごく軽い場合には食事で補えます)。

このように「バランス」と「栄養の間違い情報」がセットになりがちです。⚠️ご注意ください。

 

なお、亜鉛不足では男性ホルモンの量が減り、男性の性機能低下と関係がある、と言われています。筋トレして、痩せて、血糖値も下がってるのに・・・という場合、亜鉛不足も関係するかもしれません。

ABOUT ME
医師水野
内科医。2003年に医師免許取得(医籍登録)。 両親とも糖尿病家系。2度肥満だった自らの体の劇的な変化をきっかけに、糖質制限を中心とした治療を開始。 その後、糖質オフやビタミン・ミネラルなどの情報をブログ、Facebook、YouTubeなどで発信。 監修本「糖質オフ大全科 (主婦の友社)」が中国でミリオンセラーに。 著書は「糖尿病の真実~なぜ患者は増え続けるのか~ (光文社新書)」「1年で14キロ痩せた医師が教える 医学的に内臓脂肪を落とす方法(エクスナレッジ)」「薬に頼らず血糖値を下げる方法(アチーブメント出版)」、など。