考え方

〝バランス〟を見たら⚠️要注意〜糖尿病〜

例えば、「糖尿病の食事療法」では、こんな文章を見かけます。
いろいろな栄養素を適量とるのが、バランスのとれた食事で、以下のような割合です。
摂取エネルギーのうち、
炭水化物は40~60%
タンパク質は20%まで
脂質は20~30%

はい、出ました「バランス」。⚠️要注意です。

これは、一見すると「なるほど」とか「その通り」とか思うかもしれません。ですが、例によって大間違いです。

誰でも知っている事ですが、糖質を摂れば血糖値が上がります。なのに、上記の「バランスのとれた食事」では、なぜか、他の3大栄養素が2割ほどなのに、その糖質が4〜6割となっています。糖質だけ多いのに「バランスのとれた食事」と言い張っています。まったくバランスが摂れていません。これでは、血糖値がガンガン上がり、糖尿病が悪化していきます。糖尿病を改善させるハズの「糖尿病食」が、「糖尿病悪化食」になっています。いまだにこんな時代遅れの内容がまかり通っています。そう、「バランス」の単語とセットで。

せめて、「1日の糖質量は130g以下」とか、「1食の糖質量は40g以下」といった糖尿病を改善させる食事内容にアップデートして欲しいものです。

このように「バランス」と「栄養の間違い情報」がセットになりがちです。⚠️ご注意ください。

ABOUT ME
医師水野
内科医。2003年に医師免許取得(医籍登録)。 両親とも糖尿病家系。2度肥満だった自らの体の劇的な変化をきっかけに、糖質制限を中心とした治療を開始。 その後、糖質オフやビタミン・ミネラルなどの情報をブログ、Facebook、YouTubeなどで発信。 監修本「糖質オフ大全科 (主婦の友社)」が中国でミリオンセラーに。 著書は「糖尿病の真実~なぜ患者は増え続けるのか~ (光文社新書)」「1年で14キロ痩せた医師が教える 医学的に内臓脂肪を落とす方法(エクスナレッジ)」「薬に頼らず血糖値を下げる方法(アチーブメント出版)」、など。