糖尿病

血糖値を下げる運動は?

「筋トレなどの激しい運動は血糖値を悪化させ、有酸素運動が血糖値を下げる」というのは、ある意味、正解です。ですが、同時に大間違いでもあります。

激しい運動はアドレナリンなどの「抗インスリンホルモン」が出て、インスリンの効きが悪くなるから血糖値を上げる、という話でしょうが、それはあくまでホルモンが出ている間という〝一時的〟な事です。分単位の話です。有酸素運動が血糖値を下げるのも、運動中と直後、という〝一時的〟な事です。これも、分単位の話です。

ですが、糖尿病は短期的な病気ではなく、以降一生続く〝長期的〟な病気です。筋トレで筋肉を増やせば、24時間365日、運動していない時間も筋肉が血糖値を下げ続けてくれます

大切なのは、分単位の血糖コントロールではありません。生涯に渡る血糖コントロールです。見ている点をズラしてはいけません。重要な「カギ」や「キモ」となる点を間違えてはいせません。
南がゴールなのに、西に行ってもゴールできません。引いて開ける扉を押しても開きません。

それが証拠に、実際に「有酸素運動を始めた」という多くの患者さん達で、殆ど血糖値が下がりませんでした。有酸素運動は、毎月フルマラソン大会に出る位でないと血糖値は下がりません。結局、それも〝激しい運動〟です。

ABOUT ME
医師水野
内科医。2003年に医師免許取得(医籍登録)。 両親とも糖尿病家系。2度肥満だった自らの体の劇的な変化をきっかけに、糖質制限を中心とした治療を開始。 その後、糖質オフやビタミン・ミネラルなどの情報をブログ、Facebook、YouTubeなどで発信。 監修本「糖質オフ大全科 (主婦の友社)」が中国でミリオンセラーに。 著書は「糖尿病の真実~なぜ患者は増え続けるのか~ (光文社新書)」「1年で14キロ痩せた医師が教える 医学的に内臓脂肪を落とす方法(エクスナレッジ)」「薬に頼らず血糖値を下げる方法(アチーブメント出版)」、など。