「筋トレなどの激しい運動は血糖値を悪化させ、有酸素運動が血糖値を下げる」というのは、ある意味、正解です。ですが、同時に大間違いでもあります。
激しい運動はアドレナリンなどの「抗インスリンホルモン」が出て、インスリンの効きが悪くなるから血糖値を上げる、という話でしょうが、それはあくまでホルモンが出ている間という〝一時的〟な事です。分単位の話です。有酸素運動が血糖値を下げるのも、運動中と直後、という〝一時的〟な事です。これも、分単位の話です。
ですが、糖尿病は短期的な病気ではなく、以降一生続く〝長期的〟な病気です。筋トレで筋肉を増やせば、24時間365日、運動していない時間も筋肉が血糖値を下げ続けてくれます。
大切なのは、分単位の血糖コントロールではありません。生涯に渡る血糖コントロールです。見ている点をズラしてはいけません。重要な「カギ」や「キモ」となる点を間違えてはいせません。
南がゴールなのに、西に行ってもゴールできません。引いて開ける扉を押しても開きません。
それが証拠に、実際に「有酸素運動を始めた」という多くの患者さん達で、殆ど血糖値が下がりませんでした。有酸素運動は、毎月フルマラソン大会に出る位でないと血糖値は下がりません。結局、それも〝激しい運動〟です。