糖尿病

糖尿病の新分類「ABC-i 分類」、爆誕!

糖尿病の新分類を作るに至る理由については
前投稿参照。
 
 
では、さっそく新分類。
 
 
 
その名も
糖尿病の
「ABC-i 分類」。  
 
 
 
A型糖尿病:
インスリン分泌残存型。インスリン投与不要
 
 
B型糖尿病:
インスリン分泌減少型
1日1回以上のインスリン投与が必要
 
 
C型糖尿病:
インスリン分泌ゼロ型
測定感度以下の全くのゼロ。
 
 
各種抗体がある免疫異常型では
「-i」
をつける。
 
 
例えば
SPIDDMは
「A-i 型糖尿病」
となる。
 
インスリン抗体陽性例も
「i型糖尿病」となる。
 
 
以上が、「ABC-i 型糖尿病」。
 
凄いハッキリしてるのが特徴。
 
 
 
 
 
 
A型とB型の
区別が微妙
だと思う人もいるかもしれない。
 
 
 
しかし、これは
非常にハッキリ
している。
 
B型になると
インスリンを打たないと
日常生活に支障が出るレベルで
体調が崩れる。
 
そのまま我慢していると
救急車のお世話になるレベル。
 
さらにそのままインスリンを打たないと
死亡する。
 
なので、実際には
非常にハッキリ区別できる。
 
 
あとこの新分類には
「抗体も測らずに
糖尿病の治療を
するんじゃ無い」
というメッセージも込めている。
 
 
初診時
GAD抗体
インスリン抗体
の2つは是非測って欲しい。
 
 
血糖値が良くても抗体を持つ例が
しばしばある。
 
 
 
血糖値が低めでも、抗体アリの症例がある。
 
そういった症例では、
糖質オフ・スプラタスト療法
で1型糖尿病化を防げる。
 
 
 
免疫異常型をまとめて
「i 型糖尿病」
と言うのもアリ。
 
 
「i型糖尿病」の治療は「糖質オフ・スプラタスト療法」。
 
免疫異常を高率に改善できる。
ただし、時間は年単位でかかる
 
 
 
 
 
さて、以下が分類別の治療など。
 
A型糖尿病の治療。
 
 
糖質オフ、高タンパク。
 
タンパク質はプロテインスコアで、体重の1.5から2倍を摂取。
50kgなら、75〜100gのタンパク質を毎日摂る。牛肉なら650gになる。
 
 
下記がプロテインスコアのリスト。
 
各食材の含有蛋白質量(プロテインスコア100換算)
 
蛋白質10g摂取のための必要量
牛肉 65g
豚肉 83g
鶏肉 55g
羊肉 68g
チーズ 50g
イワシ 63g
サケ 58g
サンマ 52g
アジ 56g
カジキ 48g
エビ 86g
たらこ 60g
卵 79g(1.5個)
味噌 160g
豆腐 330g
牛乳 470g
 
各食材100g中の蛋白質含有量
牛肉 15.4g
豚肉 12.1g
鶏肉 18.3g
卵 12.7g
牛乳 2.1g
チーズ 20.9g
大豆 19.2g
豆腐 3.1g
味噌 6.2g
椎茸 0.3g
イワシ 15.9g
サンマ 19.2g
サケ 13.2g
マグロ 20.8g
 
 
A型糖尿病の治療で、
薬と食事以外は、以下の3つ。
 
・ナイアシン
・ビタミンD3(とビタミンK)
・ガンマオリザノール
 
どれも、膵臓の機能を改善させる。
 
 
 
Ai型糖尿病の治療。
A型糖尿病の治療に加えて、スプラタスト。
100mgを1日6カプセル。
分2か分3で内服。
 
Ai型糖尿病といいつも、
Bi型もCi型も同じ。
なので、Bi型もCi型は略。
 
 
 
 
B型糖尿病の治療。
 
このタイプはインスリンの自己分泌が足りない。
インスリンなしでは、血糖値がジリジリ上がり400以上になる
 
体重が止めどなく減るか、
アシドーシスになり糖質以外が食べれなくなる。
 
持効型インスリンを1日に1回打つ
 
インスリン以外の薬は、
ze=”5″>DPP4阻害薬やGLP-1製剤を
インスリンに併用する。
 
インスリン分泌を促し、膵臓のβ細胞が減るのを防ぐ。
 
 
インスリン分泌を増やして、
A型に戻りたいなら
A型でも書いた3つと糖質オフ・高タンパク。
 
その3つは、
・ナイアシン
・ビタミンD3(とビタミンK)
・ガンマオリザノール
 
 
 
 
C型糖尿病の治療。
 
C型糖尿病はインスリンの自己分泌がゼロ
全くのゼロ。
Cペプチドが測定感度以下。
 
 
インスリンを打たないとすぐに死亡する。
 
 
持効型だけでなく、
食前か食後の速攻型インスリンも必要
 
 
断糖でも食前か食後の速攻型インスリンなしでは気分不快が出る。
 
 
 
で、スーグラが1型糖尿病の保険適用になったので、新しく選択肢に入った。
 
 
しかし、血糖コントロールを改善してからでないと危険。
 
詳細は2019年の元旦のSGLT2 阻害薬ツイート祭りをご参照下さい。まだブログにしてません。
 
 
で、恐らくC型は何をしても最早インスリンの自己分泌が増えない。
 
だだし、
ナイアシン
C型であってもインスリンの必要量を減らせる
 
ビタミンD3(とビタミンK)は、
免疫異常を改善する可能性がある。
 
ガンマオリザノールは、
膵臓のβ細胞が少しでも残っていれば
インスリンの自己分泌がちょ〜〜っとだけ
増えるかもしれない。
 
 
膵島移植が最終手段だが、
まだお勧めできるレベルにない。
 
 
 
 
 
 
「i 型糖尿病」の治療
 
「i型糖尿病」は全部同じ治療。AiもBiもCiも同じ。
糖質オフ・高タンパク・スプラタスト。
できれば、
・ナイアシン
・ビタミンD3(とビタミンK)
・ガンマオリザノール
 
 
 
 
 
劇症型は?
 
劇症1型糖尿病は、
劇症C型糖尿病か
劇症B型糖尿病となる。
 
残存インスリン自己分泌量で分類すれば良いだけ。
 
 
 
 
 
 
2019年1月3日発表のこの
 
「ABC-i 型糖尿病」分類は、
このように治療がハッキリ分かるのが特徴。
 
従来分類は歴史的なだけで、治療と結びつきづらい。
 
 
ずっと従来の糖尿病分類、
使いづらいと思っていたので、
発表して大変スッキリ致しました。
 
従来分類、もう要らない勢い・・・。
 
 
以上、糖尿病の新分類「ABC-i 分類」でした。

ABOUT ME
医師水野
内科医。2003年に医師免許取得(医籍登録)。 両親とも糖尿病家系。2度肥満だった自らの体の劇的な変化をきっかけに、糖質制限を中心とした治療を開始。 その後、糖質オフやビタミン・ミネラルなどの情報をブログ、Facebook、YouTubeなどで発信。 監修本「糖質オフ大全科 (主婦の友社)」が中国でミリオンセラーに。 著書は「糖尿病の真実~なぜ患者は増え続けるのか~ (光文社新書)」「1年で14キロ痩せた医師が教える 医学的に内臓脂肪を落とす方法(エクスナレッジ)」「薬に頼らず血糖値を下げる方法(アチーブメント出版)」、など。