今回は運動でケトン体が増える?増えない?という事について。
基本的には運動するとケトン体が増える
運動でケトン体が増える、というのは、色々なパターンがあります。
どのパターンになるかは、運動前、運動中、運動後でケトン体を「測定」してみればハッキリ分かります。
論より証拠、という訳です。
実際の測定に勝るものはありません。
ケトン体が多いという状態は、脂質をメインエネルギーにしている状態です。
一方で、肝臓や筋肉にはグリコーゲンとして糖質が蓄えられています。
運動によって肝臓や筋肉に蓄えられていた糖質を一旦使い切った場合には、残りエネルギーは脂質のみとなり、血中ケトン体は増加します。
逆に、その場合でもケトン体が上昇しない、というケースには以下の4つものがあります。
<運動でもケトン体が増えない場合>
・脂質が無い場合
・糖新生が起きやすい場合(上とほぼ同じ)
・糖を使い切らなかった場合
・ミトコンドリア機能不全の場合
運動でもケトン体増えない場合、1「脂質がない」
これは痩せている人が当てはまります。
「痩せている」という事は、皮下脂肪や内臓脂肪がなく脂質の蓄えがない、という事です。
脂質の蓄えがないので、糖質を使い切った後にケトン体を作り出せません。
それでもケトン体を増やしたい!
この場合は、運動前に脂質をしっかり摂れば、ケトン体の材料が補給でき、ケトン体はは上昇します。
ただし、脂質はエネルギーになるまでに時間がかかります。
「代謝がはやい!」がウリのMCTオイルですら、ケトン体値がピークになるのに摂取開始から3〜4時間かかります。
バターなどは血中ケトン体値がピークになるために、摂取開始後5〜6時間程度かかります。
このためある程度、長時間の運動が予想される場合には、
1.前日の夜寝る前
2.当日朝起床時
の2回、脂質をいつもより摂ると良いでしょう。
摂る脂質の量は運動によって増減してください。
テニスやマラソンなどをする人には、例えば「バター40gづつ、夜寝前と朝イチ」といった説明をしています。
長時間の運動前の脂質摂取は2回。
かなり多くの脂質が必要。
1.前日の夜寝る前
2.当日朝起床時
運動でもケトン体が増えない場合、2「糖新生が起きやすい人」
糖新生が盛んな人の場合は、糖新生が起きて蛋白質から糖質を作り出してしまい、ケトン体はあまり上昇しません。
上記の痩せている人も、結局は脂質がないので糖新生が起きてしまいます。
この場合は脂質を摂ればケトン体は増えます。
さらに、痩せている・痩せ気味なのに脂質を摂らず、タンパク質ばかりという場合は、糖新生も過剰となります。
エネルギーを作り出すため、タンパク質が糖新生へ回ってしまいます。
そして、血糖となり、インスリンが分泌され、内臓脂肪に蓄えられます。
この場合も、やはり脂質を摂ればケトン体は増えます。
運動でもケトン体が増えない場合、3「糖を使い切らなかった」
運動量が少なく、体内の蓄えている(主に筋肉や肝臓)糖を使い切らなかった場合にも、ケトン体はまだあまり増えません。
糖質を使っているからです。
使い切った後にはケトン体が増えてきます。
運動でもケトン体が増えない場合、4「ミトコンドリア機能不全」
ケトン体は肝臓の細胞の中に数千個づつあるという、「ミトコンドリア」で作られます。
ミトコンドリアは、細胞の中にある「エネルギー発電所」みたいな器官です。
ここがきちんと働いていないとケトン体をあまり作る事ができません。
ミトコンドリアは非常に効率の良い発電所ですが、タンパク質、ビタミン、ミネラルなど多数のものを必要とします。
これらが不足している場合は、ケトン体をあまり増やせません。
対策は不足しているものの補充です。
以上、運動でケトン体は増える?!、でした。