今回は尿中ケトン体だけが多い!というお話。
前の2記事、ケトン体特集もご参照ください。
尿中ケトン体だけが多い、血中ケトン体は少ない、という場合。
その原因はなんでしょうか?
原因ごとに1つずつ見ていきましょう。
時間差
血中ケトン体が高かったけど下がった、尿中ケトン体は遅れて下がるのでまだ出ている、というパターンです。
といっても、血中で下がれば尿中でもケトン体は、いずれ尿中でも下がってきます。
それまでの間に検査した、という場合です。
糖質を摂った直後なんかはこういう現象が起こり得ます。
再吸収不足
ケトン体を尿に出す時には、一気に出すのではなく、一旦はケトン体を尿に出してその一部を再吸収します。
より正確に書く場合はこうです。
上記の検査会社「BML」の検査項目説明より引用。
血中のケトン体は腎糸球体を透過した後、近位尿細管で再吸収されるが、ケトン体の生成量が再吸収閾値を超えると尿中に排泄されるようになる。
分子が小さいので腎臓のフィルターを勝手に通って出てってしまうので、エネルギーとして使えてもったいないから、尿の作成途中で再度回収している、という事です。
さらにもう少し3種類のケトン体の差についてはコチラ。
絶食時の代謝
上記サイトより引用です。
なお、血清ケトン体は、3-ヒドロキシ酪酸(β-ヒドロキシ酪酸):アセト酢酸:アセトン=1.2:1.0:0.5程度で、3-ヒドロキシ酪酸がもっとも多く含まれています。
これは、3-ヒドロキシ酪酸の方が、尿細管での再吸収が良好で、アセト酢酸の尿中排泄量が相対的に多いためと考えられています。
この再吸収が少ない場合は尿中ケトン体が多くなります。
といっても、この再吸収不足自体は健康への影響も少なく、あまり問題になる事はありません。
また、ケトン体生活、糖質オフを続けるとこの再吸収も効率よくなるという話もあります。
再吸収の効率化は糖質オフ生活を続けると尿中ケトン体が消えていく原因の1つともされています。
薬やサプリで偽陽性
SH基を有する薬剤、サプリメントで、尿中ケトン体は偽陽性になります。
つまり、尿中ケトン体が実際は出ていないのに検査では陽性となってしまう、という場合があります。
この「SH基を有する薬剤・サプリ」にはかなり色々あります。
これは長くなりましたので下記の別記事で取り上げました。
以上、尿中ケトン体だけが多い!でした。