糖尿病

DPP-4阻害薬の超まとめ、各論、2019年1月版

今回は、DPP-4阻害薬の各論。

 

各薬剤について書いていきます。

 

 

 

<エクア>

 

エクアは作用が強い

腎不全でも副作用が増えない

(つまり腎不全でも量を減らす必要がない)

 

しかし、

元々、

肝障害を起こしやすく

定期的な肝臓の数値のチェックが必要

 

 

発売当初は強さと腎不全でも使える点でメリットがあったが、

今となっては同じ強さのDPP-4阻害薬が他にあり、

さらに同じ強さで腎不全でも飲める「テネリア」が出たため、

肝障害のデメリットがあるだけの薬剤に・・・

 

という事で肝障害が使いづらく、

エクアはほぼ出していないのが現状。

 

 

 

 

<トラゼンタ>

 

トラゼンタも腎不全でも飲める

 

こちらはエクアとは真逆で「弱い」DPP-4阻害薬。

その分、副作用が少ない

他のDPP-4阻害薬が副作用で飲めなくてもトラゼンタは大丈夫な事がある。

ワンチャンあるDPP-4阻害薬。

 

ただし、お値段がお高い

 

 

 

 

 

 

<ジャヌビア、グラクティブ>

 

ジャヌビアとグラクティブは同じ有効成分。

成分名は「シタグリプチン」。

一番最初に日本で発売されたDPP-4阻害薬。

このためシェアが最もある。

 

ただ、

他に特徴のあるDPP-4阻害薬が出まくったので、

私はほぼ処方していない。

 

 

 

<スイニー>

 

スイニーはちょっと変わって、

LDLコレステロールを下げる作用もあるDPP-4阻害薬。

 

LDLコレステロール下げたい派の先生が良く処方する。

 

私はLDLコレステロール自体ではなく、

その原因にアプローチする派なので、スイニーはほぼ出さない。

 

LDLや動脈硬化については

超まとめたのでそちら参照。

 

動脈硬化の超まとめ、その1、薬と検査

 

 

動脈硬化の超まとめ、その2、薬以外

 

 

 

 

<オングリザ>

 

オングリザはエクアと同じ強さ。

作用の強いDPP-4阻害薬。

 

エクアと違って肝障害の副作用は多くなく、使いやすい。

 

特に半量だと

他のDPP-4阻害薬より

お安いのが特徴。

 

 

最近では半量を処方する事がある。

 

エクアと違って、

腎機能が低下している例では

量を減らす必要がある。

 

 

 

 

 

<テネリア>

 

DPP-4阻害薬の中でも最後の方に発売された「テネリア」。

 

腎不全でも飲める

量を減らす必要もない。

 

20mgでそれまで最強だったエクアやオングリザと同等の強さ。

40mgだとさらにちょっぴりそれより強い。

 

つまりDPP-4阻害薬で最強なのはテネリア40mg

 

 

このため最近は、DPP-4阻害薬の中で主力としている。

 

ただし、お値段がお高い

お値段も最強。

 

 

テネリアは最近、

40mg錠が出たので錠数も抑えられるようになった。

最強でも1錠で済むようになった。

 

(それまでは20mg錠を2つで処方だった)

 

 

テネリアは

体重減少からのリバウンドがないSGLT2阻害薬「カナグル」

との合剤がある。

 

「カナグル」の「カナ」と、「テネリア」の「リア」で、

「カナリア」という名前。鳥の名前になった・・・。

 

カナリアも比較的使いやすい。

 

ただし、

この合剤「カナリア」も肥満例ではやはりより太る場合があり、

その場合はカナグルのみにする。

 

 

<ネシーナ>

ちょっぴり強い。

あまり処方しない。

メトホルミンとの合剤「イニシンク」「メタクト」がある。

ピオグリタゾンとの合剤「リオベル」もある。

 

 

 

<ザファテック>

週1回のDPP-4阻害薬。


ぼ処方しない。

 

 

<マリゼブ>

こちらも週1回のDPP-4阻害薬。

ほぼ処方しない。

 

 

<腎不全でも安心なDPP-4阻害薬>

 

腎不全でもそのまま飲めるDPP-4阻害薬のは

・テネリア

・エクア

・トラゼンタ

の3つ。

 

他は腎不全では量を減らしたり、他剤に変える必要がある。

 

 

 

以上、DPP-4阻害薬の各論でした。

 

ABOUT ME
医師水野
内科医。2003年に医師免許取得(医籍登録)。 両親とも糖尿病家系。2度肥満だった自らの体の劇的な変化をきっかけに、糖質制限を中心とした治療を開始。 その後、糖質オフやビタミン・ミネラルなどの情報をブログ、Facebook、YouTubeなどで発信。 監修本「糖質オフ大全科 (主婦の友社)」が中国でミリオンセラーに。 著書は「糖尿病の真実~なぜ患者は増え続けるのか~ (光文社新書)」「1年で14キロ痩せた医師が教える 医学的に内臓脂肪を落とす方法(エクスナレッジ)」「薬に頼らず血糖値を下げる方法(アチーブメント出版)」、など。