最初に結論を言うと
「普通の食事」つまり糖質まみれ食よりは、ずっと良い。
かなり良い。
人によっては「大正解」。
ただし、タンパク質不足には注意が必要。
という事。
脂質をいっぱい摂るのはどうなの?
アレ痩せるよね?
と思う方もいると思う。
確かに痩せる。
脂質を摂ると甘いものへの欲求も減る。
その一方で、痩せる状態で脂質いっぱいなら、
タンパク質は少なめになっている状態。
なぜなら、 タンパク質いっぱいで、
さらに脂質もいっぱい摂ってたら太るから。
糖質摂取ゼロでも、食べ過ぎれば太る。
痩せない。
で、タンパク質でも肥満ホルモンの「インスリン」は分泌される。
肥満の人ほど、インスリンが効きづらいので、
タンパク質だけ摂取しても
「大量のインスリン」 が出てしまう。
そして、その時に食べたものはめでたく体脂肪となる。
脂質を摂るならタンパク質と時間をズラして摂ると良い。
さて1食単位で言えば、
「高タンパク」かつ「高脂質」 の食事だと、
タンパク質摂取で分泌されるインスリンで、
アブラが体脂肪になってしまう。
太る。
なので、痩せるには1食単位で言えば
「高タンパク」
か
「高脂質」
かの、どちらかの選択になる
で、ここで思い出して欲しい。
肥満は最初っからタンパク不足。
もうほんと、全例、尿素窒素が低い。
そこで、高脂質をチョイスするとどうなるか?
いつまでもタンパク不足が解消されない。
それどころか、
高脂質によって空腹感が減るので、
何ならタンパク質の摂取量がさらに減ってしまう場合もある。
そして、その方が、
タンパク質の摂取量を減らした方が「すぐ痩せる」。
結果、タンパク不足が酷くなる。
すると、代謝が落ちる。痩せるのが止まる。
そこで、
さらに痩せようとタンパク質を減らすと、
また痩せる。
が、実際にはタンパク不足が深刻化する。
「健康」からは離れていく。
そういう事が起きやすくなる。
これが「高脂質」にするダイエットの失敗パターン。
ちょいちょい
「高脂質」食な方は「タンパク不足」に注意してね、
ってあちこちで言っているのはコレが原因。
まぁ、ほどほどに
タンパク質を摂っていればある程度の維持はできる。
なのでここで書いたのは「ありがちな失敗例」。
上手くいく場合は
タンパク質も
そこそこ摂っている
高脂質食。
特に、脂質を摂る時と、
タンパク質を摂る時とは
充分に時間をあけると良い。
タンパク質摂取によるインスリンの追加分泌が
終わってから脂質を摂ると良い。
まぁ、今まで書いているように
「より根本的な部分を何とかする」
という視点でいえば、やはり高タンパク食がお勧め。
なぜなら、
肥満の時点でほぼ確実に「タンパク質」が不足しているので。
体を作る栄養が足りないままで、健康でいられる筈がない。
タンパク質不足を放置するのは、
「建物を建てっぱなしで修理をしない」 のと同じ。
見た目は大丈夫そうでも年月と共にボロボロになっていく。
お年寄りで骨密度は良いのにあっさりと骨折するのもコレ。
骨の密度自体はあるが、タンパク質不足で修理していないので、
ハリボテ状態。 実態はボロボロ。
なので転倒したりするとポッキリ折れたり、
クシャっと潰れたりする。
タンパク質、超重要。
という事で
「痩せたいですっ!」
と私の外来を受診すると、
もれなく
「タンパク質摂れっ!!」
という指導を受ける事になります。
というか、最近毎日ソレ。
充分量を食べられない場合は、プロテイン。
食事作る・準備がめんどい人も、プロテイン。
ご高齢で甘いものしか入っていかない人も、プロテイン。
あとは、
「鉄」も、肥満の人に不足していがち。
女性で肥満、 肥満で糖尿病、
などでは、もうほとんど鉄不足がある。
という事で、次回は
「肥満は栄養失調」の鉄不足編。
鉄足りないと痩せないんだってさ〜、
というお話。