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鉄不足かどうか?

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「医師水野のサロン」説明概略本ページでは、「医師水野のサロン」の概略を説明します。 サロン概要 「医師水野のサロン」は、「健康とそれを取り巻...

 

 

鉄不足かどうか?

 

鉄不足かどうか?それは、採血検査をしないと分かりません・・・。

つまり、検査をしてくる医療機関を探す必要があります。

 

 

 

医療機関リスト

 

一応、「こてつ名誉院長のブログ」にリストがあります。

フェリチン測定をしてもらえる医療機関と医師(全国版)

 

ただし、実際に問い合わせたら「やってない」とか迷惑そうだった、などといった事例があります

受診の前に必ず、その医療機関の公式サイトや、電話などで確認しましょう

 

また最終更新が令和3年などの場合には、情報が現状と違っている場合もあります。

ご注意ください。

 

 

 

オススメ検査項目

 

また、判断に<<最低限>>必要なのは下記の項目になります。

 

鉄関連:血清鉄、TIBC、フェリチン

炎症の目安:白血球数(できれば白血球分画=血液像も)、CRP

肝障害の目安:GOT、GPT、γ-GTP

栄養状態の評価:BUN(尿素窒素)、Cr(クレアチニン)、Alb(アルブミン)

 

これらが「最低限」必要な項目です。

 

なお、これらの検査が「保険が効くか?」どうかは、診察した結果、その医師が決めます

基本的には元気なら保険は効かないと思ってください

 

また、フェリチンは院内検査が出来ないので、採血する日と、結果を聞きに行く日で、2回受診する必要があります。

面倒なら、最初から結果を郵送でお願いすると、送ってくれるかもしれません(ただし、郵送は断られる事の方が多いです)。

 

 

 

フェリチンの推奨値は?

 

フェリチンは「貯蔵鉄」と言われ、細胞内の鉄の量の目安になります

その他、肝障害、悪性腫瘍、炎症などで上昇します

 

そういった「他の上昇要因」が無い状態で、フェリチン100以上が最低ラインです。

出来れば、余裕をもって200〜300なのがオススメです。

 

 

 

自宅で出来る簡易キット

 

郵送でするフェリチンの検査キットがあります。

 

サイトには以下の項目を測定する、とあります。

 

推定検査項目(鉄関係2項目+生活習慣12項目)
血清フェリチン、血清鉄
TP (総合タンパク質)、AST (GOT)、ALT (GPT)、γ-GTP、尿酸 (UA)、総コレステロール、LDLコレステロール (悪玉コレステロール)、HDLコレステロール (善玉コレステロール)、TG (中性脂肪)、アルブミン A1b、クレアチニン、尿素窒素 (BUN)

 

ただし、微量採血での検査方式ですし、採血時の手技の失敗や、郵送中の検体劣化などの要素があり、医療機関での通常量の採血で行う検査よりも、どうしても精度は落ちます。

また、白血球やCRPなどの炎症系の項目はないので、炎症の評価が充分に出来ない点にも注意が必要です。

 

 

 

 

検査結果の解釈は総合的に

 

フェリチンなどの検査を運良く出来たとします。

しかし、その後の「評価」は、ほとんどの医師がマトモに出来ません。

大体は、鉄不足でも「足りてる!」などと言われます

笑っちゃいますね。

 

 

判断が難しい場合も多い

 

さらには、炎症がない時はさておき、炎症がある時の鉄を評価するには、ドクターでも症例を重ねて経験を積まないと判断できません。一般の人には到底、不可能です。

普段は色々な事を「分かりやすく説明」していますが、この点は勘違いしないて頂きたい点です。

ここで「一般の人には到底、不可能」という点を分かりやすく説明します。

 

まず、ドクターでさえ、ほとんどが炎症時のフェリチンの評価を正しく判断できません

例えば、鉄欠乏性貧血がガッツリあるのに、炎症で上がってるだけのフェリチンをみて、「鉄は充分!」という判断がドクターによってなされている例も、ザラにあります。

何だったら、まだまだ必要な鉄剤が中止されていたりします。

本当に中止されていたんですよ、何例も

 

フツーのドクターは、「鉄の補給はガンと肝障害を起こす!少なめの方がいい!」という考えが常識です

逆に、鉄欠乏は無く「タンパク質不足」がしっかりあるのに、タンパク質不足が放置され鉄剤が延々と投与されている例もよくあります。

鉄だけあっても、それを運ぶ「タンパク質」が足りていなければ、体内に鉄が行き渡りません。

あとは、「貧血のない鉄欠乏」は、ほぼ100%放置され(保険適応的な問題とドクターが知らない為)、「各種検査で異常なし」で終わってる例も、非常によくあります。

慢性疲労、慢性頭痛などは、よくこのパターンになっています。

なぜこうなっているか?というと、ドクターはキッチリ教わった事が無いし、先輩ドクターも知らない、論文化もされない(査読で落とされる、学問的評価がほぼゼロ)、ためです。

 

 

 

前提となる炎症の評価

 

また、「炎症自体の評価」についても、知っておく事があります。

前提のココですら、引っかかります。

「炎症に関する検査項目」は、現代で測れない「未知のもの」も推定で考えたら、千とか1万とか、もっともっとある事でしょう。今は測れないだけで

現代に測れる項目でさえ、今迄はあまり関係ない数値が炎症に関係する事が分かってきていますし、特定の研究室でしか測れない項目もかなりあります。

で、そのうち現代の日本で「保険適応」をして測れるのはたった5つとか10とか、その程度です。100や200を定期的に測ってフォローアップするのは不可能です。

 

その5や10以外の「ほとんどの測れない部分」については、患者さんを直接対面で診察したりで「推定」する必要があります

数値がないので、当然、そこに数式などもありません

このためバックグラウンドに「多くの経験」が必要です。

診て、測って、ズレを修正して、仮説をたてて、検証して・・・。

フツーのドクターはまず注目しない部分ですし、症例からのフィードバック検証もしません。

で、ここまでが「炎症」に関してだけの話です。

 

 

ていうかフェリチンって何?

 

フェリチンは細胞が壊れて中から出てきます。主に肝臓の細胞ですが、他からの血液中への流入も考慮に入れます

そしてそこから、ただでさえ分からない「炎症」に、さらにそこからフェリチンとの関係を考察します。

炎症などがあると、細胞が壊れるので、血液中にフェリチンが流れ出てきます

 

そんな「炎症」なのですが、実は、採血結果に出ない「炎症」とかもザラにあります

これはどう考えても採血で炎症出るだろう、というのが肉眼的だったり画像検索的に「確認」出来た時でも、意外と採血上の炎症反応が出なかったりします。

また逆に、診察上も画像上も「炎症は少ない」という所見なのに、採血上では「めっちゃ炎症」とかも、結構あります。

 

このように、いかに見落としなく色々な所を診れるか?勝負みたいな時もあります。

そして、これらの事は、「全部」教科書に載ってません

鉄の検査と、その結果の解釈の色々、分かりましたでしょうか?

 

 

以上、鉄不足かどうか?でした。

 

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ABOUT ME
医師水野
内科医。2003年に医師免許取得(医籍登録)。 両親とも糖尿病家系。2度肥満だった自らの体の劇的な変化をきっかけに、糖質制限を中心とした治療を開始。 その後、糖質オフやビタミン・ミネラルなどの情報をブログ、Facebook、YouTubeなどで発信。 監修本「糖質オフ大全科 (主婦の友社)」が中国でミリオンセラーに。 著書は「糖尿病の真実~なぜ患者は増え続けるのか~ (光文社新書)」「1年で14キロ痩せた医師が教える 医学的に内臓脂肪を落とす方法(エクスナレッジ)」「薬に頼らず血糖値を下げる方法(アチーブメント出版)」、など。