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BUNとアルブミン値
今回は、リクエストのあった、BUNとアルブミンについて説明します。特別おまけ編は、RTPというものの説明をしています。
タンパク質不足の目安
BUN ≧ 20、
Alb ≧ 4.0
であれば、タンパク質が足りているかもしれません。
そう、あくまで「かもしれない」という点に、ご注意ください。
身体の検査結果は、日本の小学生のテスト問題のように、「問題がコレなら答えはアレ1つ」といった事はありません。
1対1対応ではありません。
探偵モノ、推理モノでの、「状況証拠」の1つに過ぎません。
検査データは、それ1つで、犯人をビシッと指摘できるものではないのです。
逆に、
BUN < 20、
Alb < 4.0
の場合には、ほぼ確実にタンパク質が不足しています。
「逆もまた真なり」という言葉はある程度有名ですが、「逆」が常に「真」であるとは限りません。むしろ、「逆も真」は成立していない事の方が多いでしょう。
常に真偽が一致するのは「対偶(たいぐう)」です。逆は真とは限りません。対偶については、ネットで検索してください。
繰り返しますが、
BUN < 20、
Alb < 4.0
の場合には、ほぼ確実にタンパク質が不足です。
BUN < 20、
Alb < 4.0
の場合には、ほぼ確実にタンパク質が不足。
ただし、数値がこれ以上でもタンパク質不足の事は、よくある。
あくまで目安
これが、タンパク質が足りるかどうかの「1つの目安」です。
逆に言えば、1つの目安でしかありません。
BUN ≧ 20
かつ
Alb ≧ 4.0
であっても、実はタンパク質不足だ、という事は非常によくあります。
というのも、「検査データ」というのは、膨大な身体の情報のほんの一部でしかないからです。
BUN
BUN(尿素窒素)は、「blood urea nitrogen」の略です。血液中の尿素に含まれる窒素、という事です。タンパク質の分子には「N(窒素)」が含まれています。
脂質や糖質には、基本的には窒素は含まれていません。
このため、BUNは、血液中にあるタンパク質の老廃物といった意味合いを持っています。通常は、腎臓から尿中に排泄されます。そして、血液、腎臓、タンパク質などの様々な要因で上下します。
さらに、BUNを左右するのは「栄養」だけではありません。つまり、BUNから栄養状態を推測するためには、以下の「すべて」について、「常に」考慮が必要です。
「すべて」、「常に」、です。
BUNの数値は色々なものに左右される
素人判断は危険!
非常に大切なので繰り返します。BUNから栄養状態を推測するためには、以下の「すべて」について、「常に」考慮が必要です。出来ますか?
だから「素人判断はやめておけ」という事になります。症例を千件、一万件、と経験していないと、マトモな判断は下せません。ネットで、検査データをアップして「どうですか?」と質問することの愚かしさが分かるかと思います。
「BUNだけ」でも、栄養状態を推測するためには、以下の「すべて」について、「常に」考慮が必要です。
影響があるのか?無いのか?
影響があるなら、どの程度なのか?
という点を考慮して、栄養を推定する必要があります。
という事で、BUNに影響する因子を挙げていきます。
3つの分け方
血液が心臓から流れてきて、腎臓に到達します。そして、腎臓で尿を作って、体外に出ていきます。
このため、原因を
腎前性=腎臓に血液などが流れてくる前のもの
腎性=腎臓によるもの
腎後性=腎臓から尿などを出ていくもの
の3つに分けます。
血液→腎臓→尿、という流れになっているので、それぞれに分けて考える、という事です。
腎前性の上昇要因
1)蛋白の異化亢進(蛋白の分解が亢進した状態)
甲状腺機能亢進症、体内での出血、高熱、火傷、飢餓状態などのように、体内での蛋白の異化(分解の事)が高まると、その分尿素もつくられるため高い値を示すことがあります。
2)蛋白の摂取量の増加
摂取する蛋白量が多くなれば、その分尿素の作られる量も増えるので、高蛋白食を摂取した場合は高い値を示すことがあります。ただし、腎機能に問題がない健常者の場合、食事のBUNへの影響は、0~5mg/dl程度です。
3)腎血流量の減少
心不全のように、腎臓への血流が低下すると、腎臓の排泄機能がうまく働かず、その結果血液中に尿素が溜まるため、尿素窒素は高い値を示します。
4)尿素の再吸収亢進
脱水の場合、尿を腎臓で作る時に「尿素の再吸収」が増えるため、高いBUN値となります。
腎性の上昇要因
急性、慢性腎炎・糸球体腎炎など、腎臓に直接障害が起きると、糸球体機能が低下するため、尿素をうまくろ過できずに血液中に尿素が溜まり、尿素窒素値が高い値となります。
腎後性の上昇要因
尿路からの尿素の排泄障害が原因で起こります。尿が出て行かないから溜まる、という事です。腎結石・尿管結石、膀胱癌などで尿の排泄障害が起こると、尿素が尿から排泄されないため、血液中の尿素窒素が高い値を示します。
BUNが低くなる要因
今度は、BUNが低くなる要因についてです。
(1)肝障害(重度)
アンモニアから尿素に変換される作業の多くが肝臓でおこなわれるため、重度の肝障害が起こると、この変換作業も障害されるため、低い値となります。
(2)蛋白摂取量の減少
蛋白の摂取量が減少すれば、その分、尿素の作られる量が減るので、低い値となります。
(3)妊娠
妊娠の場合、胎児の成長に母体の蛋白が消費される事と、妊娠により身体をめぐる血液の量(循環血液量)が増えることにより低い値を示します。
病気じゃなくても上下する
・性別による変動:女性よりも男性の方がやや高い値となる傾向があります。
・日内変動:日中高く、夜低い傾向があります。
・その他の影響による変動:高蛋白食の摂取、激しい運動により高い値を示す傾向があり、妊娠や低蛋白食の摂取で低い値を示す傾向があります。
BUN/Cr比
BUNとCrの比率は、通常、10:1になっています。この割合が、10以上なら「腎外性因子」つまり腎臓以外の影響下にあると推測されます。
逆に10以下なら「腎性因子」つまり腎臓によって数値の異常が出ている、と考えられます。つまり、BUNだけではなく、Cr(クレアチニン)の数値も常にチェックする必要があります。
今まで、Cr値とBUN/Cr比、見ていましたか?
普通は見ませんし、BUNとCrの比率の事自体を知りません。
Alb(アルブミン)
血中のアルブミン(Alb)も栄養の指標です。アルブミンとセットで考えるものに「グロブリン」があります。血液中のタンパク質は、「アルブミン(Alb)」と「グロブリン(Glb)」があります。
アルブミンは単独で考えるのではなく、常に、この「グロブリン」との割合についても考える必要があります。
アルブミンは、「浸透圧の維持」や、「物質の保持・運搬」の機能を持っています。グロブリンは、免疫関係のタンパク質です。α1、α2、β、γなどの種類があります。IgG、IgE、IgA、IgMなどはγグロブリンの中の種類です。
A/G比
また、「BUN/Cr比」と同じように、「Alb/Glb比(A/G比)」というのもあります。
通常は、血液中のタンパク質のうち、アルブミンが約65%、グロブリンが約35%を占めています。このため、A/G比は、概ね 1.1〜2.0 となります。
Alb/Glb比(A/G比)は、通常、概ね 1.1〜2.0 。
A/G比が高い場合
A/G比が高い方は、問題がない場合が多くあります。健康でも若い人の場合は、A/G比の基準値よりやや高くなる事もあります。
逆に、グロブリンが減っている場合もA/G比が高くなります。無グロブリン血症などです。
A/G比が低い場合
A/G比が低い場合は、アルブミンが減っているか、グロブリンが増えているか、の場合があります。病的な場合が殆どです。以下のような場合があります。
肝疾患
慢性肝炎などのように、免疫グロブリンが増加する病態の場合や肝障害(特に重症肝障害)のように、アルブミンの肝臓での合成能力が低下する場合は共にA/G比は低い値を示します。
ネフローゼ症候群
蛋白漏出性胃腸症
ネフローゼ症候群、蛋白漏出性胃腸症のように、アルブミンが体外に喪失してしまうような病態があると、アルブミンは低下するためA/G比が低い値を示します。
甲状腺機能亢進症
甲状腺機能亢進症の場合、体内の代謝の亢進が起こり、蛋白の異化が亢進(蛋白の分解が亢進した状態)して、アルブミンが低下するためA/G比は低い値となります。
過度のダイエット
低栄養状態
ダイエット、低栄養状態のように、食事制限や食事の摂取量の不足によってアルブミンの材料となる蛋白が不足してアルブミンが作られなくなるためにA/G比は低い値となります。
感染症
細菌などに感染すると、体内では防御反応として抗体が産生されます。この抗体は蛋白で、γグロブリンに属するため感染症のようにγグロブリンが増加するとA/G比は低い値となります。
A/G比のまとめ
〜高値〜
無(低)γ-グロブリン血症、健康な若年者
〜低値〜
アルブミンの減少:重症肝障害、ネフローゼ症候群、蛋白漏出性胃腸症、吸収不良症候群、甲状腺機能亢進症、栄養不良 など
グロブリンの増加:多発性骨髄腫、マクログロブリン血症、膠原病、肝疾患(肝炎・肝硬変) 、慢性感染症 など
Alb値の目安
アルブミン値だけについて言えば、以下のような目安になります。
ただし、これだけで最終的な判断をすると間違うので、他の様々な要因についても同時に考慮する必要があります。
3.0~3.5g/dL → 軽度の栄養障害
2.5~3.0g/dL → 中等度の栄養障害
2.5g/dL未満 → 高度の栄養障害
(参考:日本病態栄養学会編,”身体所見と臨床検査値の見方と栄養管理への活用”,病態栄養認定管理栄養士のための病態栄養ガイドブック、2016)
BUNとAlbのまとめ
私は一般の方による検査データの判断は勧めません。理由は、以上のように「むちゃくちゃ色々な事を考慮・推測する」必要があるためです。一般の方は、何千人もの人を診察して、さらに前後の検査データを見て、なんていう事はした事がありません。
では、何でこの記事を書いたのか?と言えば、「あれ?おかしいんじゃない?」という疑問を持つベースはあった方が後悔せずに済むから、です。現代の医療には、「おかしいトコロ」や「分かっていない事」や「未来からすれば間違っている事」が、数多くあります。ですので、言われた事を鵜呑みにするのは危険です。
では、医師以外の医療関連職の方が判断するのはどうでしょうか?そういった方々についても、一般の方の判断よりは的確でしょうが、やはり不足します。
単純に検査データのみであれば、臨床検査技師が医師よりも詳しいでしょう。しかし、臨床検査技師は患者さんを殆ど診る事はありません。数値と実際の状態を比較する機会が少ないのです。
そういった中で「様々なもの」を考慮せずに、検査データのみで判断すると、必ずどこかで判断を誤ります。1回や2回は当たるかもしれませんが、数を重ねれば、必ず間違います。
経験のある医師ですら、百発百中とはいきません。検査データは、膨大な身体の情報の「ほんの一部」にしか過ぎません。過度の信頼を寄せるのは、間違いの元です。
このため、一般の方による検査データの判断は勧めていません。どれだけ多くの事を考慮すべきか?の一端が、分かったかと思います。これでも、かなり省略しています。
さらには、最後には「勘(かん)」や「第六感」などという一見すると胡散臭いものが重要になってきます。これも経験とフィードバックが数多くないと、育たない感覚です。
特別おまけ編!!、Rapid Tuneover Protain
略して「RTP」。
聞いたことがありますか?これ、医師でも内科・外科系で、栄養に詳しい医師じゃないと知りません。薬剤師、看護師さんは、病院の栄養管理関係のチームに所属していなければ、ほぼ確実に知りません。
今回は「おまけ」として、この知る人ぞ知る「RTP」について書いておきます。まぁ、医療職も殆ど知らない内容なので、「ふ〜ん、そんなのあるんだ!」と流し読みして下さい。
以下、その内容になります。
おまけ編、RTP
超マイナーだけど、とても有能な指標、RTP!
医師でもあまり知らない指標としては、RTPというものがあります。
RTPは、「Rapid Turnover Protein」の略です。通常は、そのまま「アール・ティ・ピー」と読み、稀に「単半減期蛋白」と訳される事もあります。
RTPは、短期間の栄養を表す検査項目です。
RTPは、短期間の栄養の目安!
なぜ、RPTが必要なのか?というと、「短期間での影響を知りたい」時があるからです。
上記のような一般的な栄養指標は、実は「割と長期間」の栄養指標です。
例えば、アルブミンは血中半減期が17〜23日と長いタンパク質のため、そのくらいの期間の栄養を反映します。逆に、アルブミン値から直近の1週間の栄養状態は、ほとんど評価できません。このためにRTPが必要となる事があります。
具体的な場面としては、入院患者さんの栄養評価などです。
集中治療室(ICU)や、重症患者さんの様な短い期間の変化を見逃すと、文字通りの命取りになる場合もあります。こういった時には、RTPが有用です。
最近では別の要因でRTPの必要性が言われる場合もあります。それは、「社会的要因」です。現在は、医療費削減のため、入院期間の短縮が医療機関に「強く」求められています。ご自身や知っている方が「すぐ退院してください」と言われた、という事もよくあるかと思います。
最近では、入院して2週間や1ヶ月で、退院・転院になります。長いと思うかもしれませんが、入院していると一瞬で過ぎ去ります。
そして、長期入院する患者さんは、いればいる程、医療機関が赤字になります。さらには、病院全体の3ヶ月の平均値が「基準」を下回ると一気に倒産するリスクまであります。
例えば、1日あたりの入院に対して医療機関は「入院基本料」という料金を算定する事が出来ます。「入院基本料」はその名前の通り、患者さんが1日入院していると算定できる料金です。これは保険診療の話ですので、本人の負担は、合計の3割などになります。(高齢者は1〜2割などです)
この「入院基本料」には様々な基準があり、看護師数や、看護補助数などの基準とともに、3ヶ月の病院全体の入院期間の平均値が何日以下、という基準があります。この基準を満たさなくなると、1日あたり1万円以上の入院基本料が、一気に3000円や1500円程度まで下がります。3分の1などになります。
また他の「算定できるもの」の基準も同時に満たさなくなる事がありますので、その場合は10分の1以下、なんていう事もあります。皆さんの給与が突然10分の1になったら、早々に立ち行かなくなる事を想像すれば、その危機的状態をリアルに感じる事でしょう。
入院患者さんの入院期間が長引くと、病院の給料(的なもの)が一気に「3分の1」、場合によっては「10分の1」になる可能性がある!
そして、医療機関は基本的には「お金儲け」をえげつなくしてはいけないという事になっており、現金の余裕がありません。このため、「入院基本料」やその他が大幅にカットとなると、たちどころに倒産します。
最近では、そこそこの規模の病院もガンガン潰れる世の中になりました。国も、以前から「入院ベッド数」はガンガン減らす政策を摂っています。今後も「入院期間の短縮」は厳しく求められていくため、「すぐに退院して下さい、この病院が無くなりますので」という状況は続く事でしょう。
さて、こういった状況ですので、アルブミンで半月から1ヶ月かけてのんびりと栄養評価している時間がありません。また点滴や食事に対するフィードバックも早めにするに越した事はありません。このためRTPが登場する余地がありあます。
とはいえ、医師も多忙のため、全患者さんの栄養評価をRTPを使ってまでする事はあまりありません。
また冒頭に記したように、RTPという検査項目自体を知らない医師も数多くいます。入院中は「命を助ける」「命をつなぐ」という事が最優先されるので、やはり栄養評価などは二の次・三の次になってしまいます。
さて、RTPというのは実は1種類の検査項目ではありません。RTPには3つの検査項目が含まれます。
(1)RBP(レチノール結合蛋白、Retinol-binding protein)
(2)PA(プレアルブミン、Prealbumin)
(3)Tf(トランスフェリン、Transferrin)
それぞれ、ざっと説明していきます。
(1)RBP(レチノール結合蛋白、Retinol-binding protein)
「レチノール(=ビタミンA)」と付いている事から分かるように、ビタミンAを輸送するためのタンパク質です。血中半減期は、何と、RTP中最短の「16時間」です。日単位ですらありません。
(血中半減期は、血液中の濃度が半分になるまでの時間の事です)
ただし、RBPは、肝胆道系疾患があると減ってしまい、逆に腎臓の病気があると排出が低下し増える、という傾向があります。このため、RBPを使って正確に栄養評価をする場合には、肝臓、腎臓、炎症などの状態もチェックする必要があります。
RBPの数値に影響する代表的なものは下記になります。
高値を示す疾患:腎不全、脂肪肝、高脂血症
低値を示す疾患:ビタミンA欠乏症、吸収不良症候群、重傷肝障害、閉塞性黄疸、甲状腺機能亢進症、感染症、外傷
(2)PA(プレアルブミン、Prealbumin)
アルブミンに「プレ」と付いているのは、電気泳動というのを行うと、アルブミンよりプラス(陽極)側に動く事から、そう呼ばれています。PAは、別名、TTR(トランスサイレチン、Transthyretin)とも呼ばれます。これは甲状腺ホルモンの「T4(サイロキシン)」の一部と結合して、輸送する事から、そう呼ばれています。
血中の半減期は、1.9日です。
また、PAは肝臓で作られているため、肝機能が低下している場合には減ってしまいます。これを逆に利用して、肝障害の重症度や予備能力、肝臓でのタンパク質を作る能力などの目安にされる事もあります。
PAに影響する代表的なものは下記になります。
高値を示す疾患:腎不全、ネフローゼ症候群、甲状腺機能亢進症
低値を示す疾患:栄養摂取不足、術後栄養不良、重症肝障害、感染症、悪性腫瘍、妊娠
(3)Tf(トランスフェリン、Transferrin)
Tf(トランスフェリン)は、血液中で鉄の運搬をしています。このため、鉄欠乏でTfは増えます(少ない鉄を効率よく運ぶためにTfが増えます)。またTfも肝臓で作られるため、肝疾患があると減ります。炎症でも減るのは、他のRTPと同じです。
血中の半減期は7日です。
Tfに影響する代表的なものは下記になります。
高値を示す疾患:鉄欠乏性貧血、真性多血症(妊娠)
低値を示す疾患:先天性無トランスフェリン血症、栄養障害、重症肝障害、感染症
まとめるとこうなります。
名称(別名・略号):半減期、役割
レチノール結合蛋白(RBP):16時間、レチノール(ビタミンA)の輸送蛋白
プレアルブミン(トランスサイレチン、PA、TTR):1.9日、サイロキシン(T4)の輸送
トランスフェリン(Tf):7日、鉄の輸送蛋白
ついでに他の2つも記しますと、
アルブミン(Alb):21日、血液の浸透圧維持・種々の運搬・細胞へのアミノ酸供給
C-反応性蛋白(CRP):0.3日、炎症の指標
なお、RTPと半減期を覚えるための、暗記の定番「語呂合わせ」として、(ごく一部で有名な)下記のようなものもあります(笑)
「プーさん、トラックに乗ってゴー!」
↓
プーさん(プレアルブミン:3日)、トラック(トランスフェリン:9日)に乗ってゴー(レチノール:0.5日)
どうでしょうか?
(参照、ゴロで覚える管理栄養士国家試験 https://inufukuken.exblog.jp/15336431/)
個別の説明でもサラっと「炎症などの状態もチェックする必要があります」と記しましたように、これらの検査項目は、単一の数値だけでは実際の栄養状態を反映しない事があります。
RTPも、「Protain:タンパク質」という名前がついているように、タンパク質の一種です。炎症があると、前記のように「異化」状態となり、タンパク質が消耗します。このため、白血球数や、CRP(C-反応性蛋白)という炎症の指標も同時に測定されたりします。
このため、複数の検査データを調べ、「総合的」に判断する必要があります。この判断は、症例を数多く診た事のある栄養に詳しい医師くらいしかできません。さらには、RTP自体をよく知らない医師も多く、総合的な判断が的確に出来る医師はかなり少ないのが現状です。
以上、BUN・アルブミンと「特別おまけ編、RTP」でした。
この記事は、有料オンラインサロン過去記事(シーズン1~3)の公開版でした。
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