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鉄サプリと生理出血シリーズ
お問合せ「藤川理論やってます。鉄サプリを摂ったら生理の出血が増えたけど、どうしたらいいの?」(S3)
鉄サプリと生理出血の栄養対策1-子宮筋腫に効かないもの
鉄サプリと生理出血の栄養対策2-子宮筋腫と子宮内膜症
鉄サプリと生理出血の栄養対策3-出血対策とEPA・DHA(シリーズ完結)
鉄サプリと生理出血の栄養対策-1
お問合せ「藤川理論やってます。鉄サプリを摂ったら生理の出血が増えたけど、どうしたらいいの?」の回答、栄養編
では、栄養での対応方法です。
原理原則に立ち返る
いつも「問い」に答えようとする時には、この「原理原則に立ち返る」のがオススメです。
「鉄サプリ摂ったら生理出血が増えた」の場合には、この原則が当てはまります。
「穴の空いたバケツに水を貯めるには、穴を塞ぐ」
これが、ある意味、最も根本的な対策です。
出ていかなくなれば、鉄サプリの摂取で、体内の鉄はすぐに増えます。
ピルなどで生理を止めておく、という事です。
最近では、子宮内に挿入する「ミレーナ」という薬剤があります。
(バイエルのサイトの仕様上、リンクが働きません。手動コピペはコチラ→betterl.bayer.jp/whc/mirena/mirena)
上記サイトの冒頭部分を引用しておきます。
「ミレーナ52mgは、黄体ホルモンを子宮の中に持続的に放出する子宮内システム(IUS: Intrauterine System)です。低用量経口避妊薬(OC)の避妊効果と、子宮内避妊用具(IUD)の長期の避妊が可能であるという特徴を持っています。また、過多月経の治療薬として国内外のガイドラインですすめられています。現在では世界約130カ国で、延べ約3,900万人の女性が使用しています。」
過多月経・月経困難症の治療でミレーナを使う場合には、保険が効きます。
ただし、避妊目的の場合には、保険は効きません。
「病気:保険が効く」、「病気じゃない:保険が効かない」と大雑把に考えておきましょう。
え・・・?でも?
このように生理自体を止めるのは確かに「根本対策」ではあります。
が、妊娠したい、子供が欲しい、という場合には、この方法は使えません。
また、生理を止めるのに抵抗感がある、という方もいる事でしょう。
とはいえ、妊娠希望・挙児希望が無いなら、ミレーナなどで生理を止めた方がいいでしょう。
出血が増える場合には、鉄だけでなくタンパク質も一緒に出て行ってしまいます。
出血が多く鉄不足が治らない場合、止めない方のデメリットが大き過ぎます。
糖質オフ・ケトン体で有名な産婦人科の宗田哲男先生は、よくミレーナをオススメしています。
また実際にミレーナを入れて、とても楽になったという声も、宗田先生のFacebookによく書き込まれています。
子宮筋腫がある場合
子宮筋腫がある場合、特に大きな筋腫がある場合には、手術で取らない限り、出血量が減らない事が多くあります。
では、栄養で子宮筋腫を小さくする事は可能でしょうか?
答えは「YES」。
栄養で、子宮筋腫を小さくする方法は、あります。
ただし、皆さんの予想通り、栄養で小さくするには時間がかかります。
このため、巨大な場合には栄養で小さくしようと思っても時間がかかり過ぎます。
そして、その間に出血し続ける事になってしまいます。
では、まず「効かない」ものから、見ていきましょう。
子宮筋腫に効かないアレコレ
(1)効かない1:緑茶抽出物
「緑茶抽出物」が子宮筋腫に効くとか、効かない、という話があります。
「普段から緑茶を飲むと子宮筋腫が小さくなる可能性がある」などといったものです。
まぁ、確かに可能性はゼロでは無いかもしれませんが、「ほぼゼロ」くらいに思っておきましょう。
「濃縮された緑茶のサプリ」にも、同様の効果が見られる、とか見られない、という話もありますが、これも基本「情弱ホイホイ」くらいに思っておきましょう。
また、緑茶抽出物にもカフェインが含まれています。
就寝前に摂取するのは避けておきましょう。
他には、緑茶抽出物は、医療機関で処方される薬剤との相互作用もあります(抗凝血薬、ベータ遮断薬など)。
内服薬を医療機関で処方されている方は、緑茶抽出物を摂る前に主治医に相談しましょう。
「そんなのやめとけ」と言われる事でしょう(笑)
私でも、「飲むなら緑茶にしておけば?」くらいの感じです。
わざわざお高い緑茶抽出物サプリを買う必要性を感じません。
結論:緑茶を飲んでおいたら?
(2)効かない2:桂枝茯苓丸(けいし ぶくりょう がん)
漢方薬、特に桂枝茯苓丸は子宮筋腫の「成長を抑える働き」があるとか、無いとか、言われています。
ごく小規模の研究で、桂枝茯苓丸により子宮筋腫が小さくなったという症例がありはします。
が、微妙な内容なので鵜呑みに出来ない感じです。
という事で、やっぱり「効果は完全にゼロではないかもしれないけど、ほぼゼロ」という評価です。
オススメはしません。
結論:桂枝茯苓丸は別にオススメではない
(3)効かない3:チェストベリー
チェストベリーというのもが子宮筋腫に効く、とか効かない、という話があります。
というのも、
「エストロゲン値が高いと、子宮筋腫のリスクもアップ」
↓
「チェストベリーは過剰なエストロゲン分泌を抑制」
↓
「チェストベリーは子宮筋腫の成長を防ぐ」
という話です。
まぁ、大して効きません。
一応、チェストベリー自体の説明もしておきます。
チェストベリーは、中央アジアおよび地中海地方原産の灌木状の低木であるチェストツリー(イタリアニンジンボク)の実です。
この名前は、チェストツリーの木が純潔を守ると信じられていたことからついたと考えられています。
中世の修道僧は性欲を減退させるのにチェストベリーを使ったと報告されています。
チェストベリーは、何千年も前から主に女性の月経症状(生理痛)の緩和のためや母乳分泌促進のために使われてきました。
「昔からの謂れ(いわれ)がある」、というヤツです。
今日でも依然として、月経前症候群などの月経に関する症状や更年期障害の症状、ある種の不妊症やざ瘡(にきび)に対して、伝統療法・民間療法として使われている位です。
乾燥して成熟させたチェストベリーから、液体や固体の抽出物を得て、カプセルや錠剤のサプリになっています。
おっと、サプリでも「副作用」について知っておいた方がいいでしょう。
「天然のものだから、副作用なんてない!」などという「アタマがお花畑」の方は、当サロンにはいらっしゃらないでしょう。
天然のもの、植物性のものでも、毒性があったり、副作用があるものは山ほどあります。
天然のもの、植物性のものでも、安全とは限らない
確かに、チェストベリーには命に関わる重大な副作用はありません。
とはいえ、色々なアレコレはあります。
胃腸障害やざ瘡(にきび)様の発疹およびめまいを引き起こす可能性があります。
また、チェストベリーは、ある種のホルモン値に影響を与える場合があります。
このため、妊婦、経口避妊薬を服用している女性、ホルモン感受性に留意しなければならない状態(乳癌など)の女性はチェストベリーはやめておきましょう。
チェストベリーは、脳内のドーパミン系に作用を及ぼす可能性があります。
このため、ある種の抗精神病薬やパーキンソン病薬などのドーパミン関連薬を服用している人は、チェストベリーはやめておきましょう。
という事で、まとめると、大して効かないチェストベリーよりは、他のビタミン・ミネラル、オメガ3などのサプリを摂った方がいいでしょう。
結論:チェストベリーよりも摂った方がいいサプリ、他にも山ほどあるよ?
以上、鉄サプリと生理出血の栄養対策-1、でした。
「効かない編」は次回に続きます。
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