ビタミン・ミネラル

なぜリンが広く使われているのか?

現代日本では、リン過剰になりやすい条件が揃っています。というのも、リン酸塩が様々なものに含まれているからです。

では、なぜリンがそんなに使われているのでしょうか?それは食品添加物として「リン酸塩」が、4つの特徴を持っているからです。
(1)各リン酸塩の固有のpHと緩衝力
(2)キレートおよび封鎖作用
(3)多価アニオンとしての作用
(4)リン酸塩を形成する陽イオンの作用

こうして列挙すると「何を言ってるんだ?!」となるかもしれません。が、実際の用途を見ると何となく分かるかと思います。以下のものがリン酸塩の用途です。

かんすい
膨脹剤
調味料
乳化剤(チーズ類)
イーストフード
pH調整剤
ガムベース
酵素
着色料(併)
保存料(併)
糊料(併)
アルコール製剤
日持ち向上剤
栄養強化剤

なんとなく分かってきたでしょうか。混ぜた状態をキープしたり、日持ちをよくしたり、などなどです。

このようにリン酸塩は、ビタミンCの分解防止、着色料など色素の変色の防止などに使用されます。非水溶性の物質の結晶化を抑えたり、分散させる効果もあります。それにより、マーガリンをはじめとした、乳化性食品の乳化剤としても使用できます。本来混ざらないものを「混ざったまま」にする作用です。また、タンパク質に作用して結着性や保水性を高めることで、食品を柔らかくしつつ食感を保つ作用があります。

「使う側」からすれば、「色々と便利」なので、広く使われています。なのに、「摂取する側」には、使われている事が殆ど知らされません。その結果、リンの過剰摂取につながってしまいます。

ABOUT ME
医師水野
内科医。2003年に医師免許取得(医籍登録)。 両親とも糖尿病家系。2度肥満だった自らの体の劇的な変化をきっかけに、糖質制限を中心とした治療を開始。 その後、糖質オフやビタミン・ミネラルなどの情報をブログ、Facebook、YouTubeなどで発信。 監修本「糖質オフ大全科 (主婦の友社)」が中国でミリオンセラーに。 著書は「糖尿病の真実~なぜ患者は増え続けるのか~ (光文社新書)」「1年で14キロ痩せた医師が教える 医学的に内臓脂肪を落とす方法(エクスナレッジ)」「薬に頼らず血糖値を下げる方法(アチーブメント出版)」、など。