その他の健康

風邪で食欲ゼロ時の飲食物(公開版)-9/9

風邪で食欲ゼロ時の飲食物(公開版)-9/9

<糖質オフは?>
糖質オフを開始・再開するのは、胃腸が「元に戻った!」と思ってからにしておきましょう。まだ風邪でヤラれている間には、タンパク質や脂質を胃腸は受け付けてくれません。無理に摂ろうとすると、胃もたれしまくったり、嘔気・嘔吐の原因になったりで、かえって治るのが遅れてしまいます。

食欲ゼロ時は、糖質から始めましょう。

<味噌汁は?>
「スポドリより味噌汁」という話も聞くかと思います。味噌汁はどうなんでしょうか?

味噌汁は塩分・水分と、出汁(ダシ)などの成分や、発酵食品としての健康的な成分が含まれています。風邪で食欲ゼロの時には、そこそこ優秀な飲食物です。

が、いかんせん味噌汁は具を除くと糖質が殆どありません。絶飲食・飢餓状態で糖質ゼロに近いものを摂っても、筋肉などが糖新生で分解されていくのを止める事が出来ません。このため、糖質を摂った時よりも免疫も低下してしまいます。

イモなどの糖質のある具を入れれば「糖質が少ない」という点は解決します。が、今回の話は「風邪で食欲ゼロ」の時の話です。イモなどの固形物を食べられるなら、すでに「風邪で食欲ゼロ」からは脱している状態です。

それ以前の固形物なんて無理、食欲ゼロ、という時にはおそらく糖質を含まない味噌汁の液体部分は、あまり口が受け付けてくれない事でしょう。身体が欲しいものを選別してくれている、という事です。

「風邪で食欲ゼロ」の時には、身体が抵抗力・免疫・体力を落とさないように、糖質を欲しています。その状態でも無理に糖質をオフしてしまうと、抵抗力・免疫・体力を落とす事になってしまいます。

<なお持病のない方の話>
最後に、再度、強調しておきます。ここまでの話は、あくまで持病のない人の話です。癌だったり、糖尿病などがある場合には個別に飲食物を考える必要があります。

以上で、シリーズ完結です。

ABOUT ME
医師水野
内科医。2003年に医師免許取得(医籍登録)。 両親とも糖尿病家系。2度肥満だった自らの体の劇的な変化をきっかけに、糖質制限を中心とした治療を開始。 その後、糖質オフやビタミン・ミネラルなどの情報をブログ、Facebook、YouTubeなどで発信。 監修本「糖質オフ大全科 (主婦の友社)」が中国でミリオンセラーに。 著書は「糖尿病の真実~なぜ患者は増え続けるのか~ (光文社新書)」「1年で14キロ痩せた医師が教える 医学的に内臓脂肪を落とす方法(エクスナレッジ)」「薬に頼らず血糖値を下げる方法(アチーブメント出版)」、など。