糖質オフライフ

脂肪肝を進めるか、治すか?

今回は脂肪肝について。

健康診断などで引っ掛かるアレです、アレ。

 

なぜ脂肪肝になるか?

 

食事からくる脂肪肝(アルコールや特殊な原因ではないもの)
には、なぜなってしまうのか?

それは
食事が「糖質まみれ」な事が原因です。

 

糖質まみれな食事が脂肪肝を引き起こす。

 

糖質まみれの食事を摂ると、
インスリンが食事のたびにドバドバ分泌されてしまいます。

そして、そのインスリンの作用は
「非常に強力」です。

単純に作用の強さが強い、というよりも
非常に強い強制力がある、という事です。

 

インスリンは、
その大量に体内に入ってきた糖質を
肝臓の細胞の中に「無理矢理」にでも入れ込みます。

肝臓の細胞が糖質で満タンな状態だと、どうでしょうか?

そこでさらに、糖質を大量に摂るとどうなるでしょうか?

 

脂肪肝になっても食事を変えないと?

 

インスリンによって、
「もう無理!」ってなっている肝臓の細胞内に
さらに糖質が詰め込まれる事になります。

 

インスリンの強制的は半端ない!!

 

肝臓の細胞が無理がたたり、
風船のように膨らみ(バルーニング)
それでも食事が糖質まみれなままだと
いずれ肝臓の細胞が破裂していきます・・・。

脂肪肝の状態になると、
健康な状態よりも肝臓が大きくなる
というのはコレによります。

 

脂肪肝になった肝臓が大きくなるのは
インスリンによって強制的に糖を細胞内に詰め込まれて
パンパンになっているから。

 

肝臓の細胞がパンパンになっても食事を変えないと?

 

肝臓の各細胞が糖質を詰め込まれまくって
パンパンになっている状態です。

そして、破裂した肝臓の細胞があった部分は
まだ初期の状態なら肝臓の細胞が増えて元に戻ります。

 

しかし、それでも糖質まみれになると、
インスリンにより強制的にパンパンになった肝臓の細胞に
さらに糖質を詰め込まれ続け、
ついにはドンドンと破裂していきます。

そう、治る間もなく、次々と破裂していきます。

 

インスリンの強制的は、ホントに半端ない!!
肝臓の細胞を破裂させてでも、強制的に詰め込みまくる。

 

そうすると、肝臓は傷跡だらけになります。
これが「線維化」といわれる状態です。

あちこちで細胞が破裂し、繊維に置き換わっているので、
肝臓の表面もデコボコになってきます。

 

あの脂肪肝の時には大きかった肝臓は
見る影もなく、デコボコで縮んでしまいます。

そうなると、もはや「肝硬変」です。

それだけ肝臓の細胞が無理をして、
どんどん死んでいった、という事です。

 

肝硬変で肝臓の形がデコボコになっているのは
肝臓の細胞が死にまくった跡。

 

 

肝硬変になっても食事を変えないと?

 

肝硬変になっても食事が糖質まみれのまま、
何の改善もないと、どうなるでしょうか?

肝硬変がある程度まで進むと、
さすがの再生力の高い肝臓でも、
治らなくなります

 

そして、さらにその先は、
肝臓の機能が破綻します。

 

過剰な糖質&インスリンのコンボが半端なくヤバい・・・

 

 

例えば、「解毒」の機能が働かなくなると、
体内に「アンモニア」という毒素が溜まるようになります。

そう、あの「トイレのキツイ臭い」の「アンモニア」です。

「アンモニア」が体内に溜まると、
脳の機能がおかしくなります。

これを「肝性脳症」と言います。

すると、酔っ払ったような、
認知症で暴れる高齢者のような状態になります。

アンモニアを減らして肝性脳症を抑える薬もありますが、
効果は一時的に進むのを抑える程度です。
いずれまたアンモニアが溜まるようになってしまいます。

進みきった肝硬変自体は治らないのですから・・・。

 

さらには、肝臓の癌になったり、
硬くなった肝臓のために静脈の流れがとどこおり
肝臓の手前の食道や胃に静脈瘤が出来る場合があります。

食道や胃の大きな静脈瘤が破裂した場合は、
医療機関の中であってもそのまま大量の血液を吐き
そのまますぐに命を落としてしまう事さえあります。

 

 

勝負はそうなる前!

 

肝臓は幸いにして再生能力がかなり高い臓器です。

肝硬変が進むまでは、回復する可能性があります。

多量の糖質と、それによる大量のインスリンによって
引き起こされた「脂肪肝」は、
糖質を控える事で回復できます。

私も以前のMAXメタボな時はガッツリ脂肪肝でした。

GOT・GPT(AST・ALT)は3桁、CTでもまだら脂肪肝でした。
当時はここまでなったか、と我ながらショックでした。

そして、その後、糖質をオフる事で肥満が改善するにつれて、
メキメキと肝臓の数値と画像所見が良くなります。
GOT・GPTもすっかり正常範囲になりました。

糖質まみれによって引き起こされた脂肪肝は治ります

肝硬変や肝癌になる前に、糖質オフできるかどうか?がカギです。

 

肝臓が治らなくなる前に「糖質オフ」を。

 

以上、肝臓と糖質オフでした。

ABOUT ME
医師水野
内科医。2003年に医師免許取得(医籍登録)。 両親とも糖尿病家系。2度肥満だった自らの体の劇的な変化をきっかけに、糖質制限を中心とした治療を開始。 その後、糖質オフやビタミン・ミネラルなどの情報をブログ、Facebook、YouTubeなどで発信。 監修本「糖質オフ大全科 (主婦の友社)」が中国でミリオンセラーに。 著書は「糖尿病の真実~なぜ患者は増え続けるのか~ (光文社新書)」「1年で14キロ痩せた医師が教える 医学的に内臓脂肪を落とす方法(エクスナレッジ)」「薬に頼らず血糖値を下げる方法(アチーブメント出版)」、など。