今回は反応性低血糖(機能性低血糖)について。
この辺り、講演会で説明済みだったりします。
とはいえ、文字でも書いていきます。
反応性低血糖(=機能性低血糖)って?!
糖質を含む食事をすると血糖値が上がります。
すると血糖値を下げる「インスリン」というホルモンが膵臓から分泌されます。
それだけなら、通常の反応です。
人類皆同じの反応です。
ですが、人によって、状況によって、
インスリンで血糖値が下がりすぎる場合があります。
これが「反応性低血糖」です。
5時間糖負荷検査や6時間糖負荷検査などもありますが、
簡易的に調べる方法は、糖質を含む食事をした後に
症状が出たら血糖値を測る事です。
その時に血糖値が低ければ反応性低血糖が考えられます。
診断基準自体は色々提唱されています。
反応性低血糖の症状は?
血糖値が下がった時に、低血糖による症状が起きます。
めまい、動悸、頭痛、不安感などです。
命に別状がある、という事は直接的にはありませんが、人によってはかなりつらい症状です。
反応性低血糖で症状が出た時は?
低血糖の状態なので、症状をとる「だけ」なら、
糖質を摂取すれば血糖値が上がり症状は一時的におさまります。
しかし、糖質を摂取することで、再び血糖値が上がり
インスリンが分泌され・・・と振り出しに戻り、
再び反応性低血糖となる可能性があります。
では、どうしたら?!
根本的には糖質を摂る事で血糖値が急激に上がる事が「引き金」です。
ですので、基本的には糖質を摂らなければ、急激に血糖値も上がらず、それに伴うインスリンの過剰分泌も起こらず低血糖も起きません。
低血糖と聴くと、糖質を摂れば良いと思いがちですが反応性低血糖では真逆です。
そう、基本的に「糖質を摂らなければ、反応性低血糖は起きません」。
それでも糖質を摂る時は?
普段は糖質を控えていても、時々は糖質を摂る時があるかもしれません。
そんな時はどうしたら良いのでしょうか?
反応性低血糖の引き金は「急激な血糖値上昇」です。
その後に起こる「過剰なインスリン分泌」自体はコントロールできません。
ですので、糖質を摂った時も「急激な血糖値上昇」を防げば、反応性低血糖を防げる可能性があります。
対策の1つは「運動」
一つは運動です。血糖値は食事開始から30分で上昇してきます。
このため食事開始から30分以内に運動を始めれば血糖値の急激な上昇を抑えられます。運動で血糖を消費すれば、その分、インスリンが出過ぎるのを防げます。
といっても、食後すぐの運動が、実際にできるかどうかは、別として・・・。
もしくは運動の「30分後」くらいに食事を摂れば大丈夫です。こちらの方が現実的ですね。
こちらは、運動によって「筋肉内」に蓄えている分の糖が使われており、食べた分が筋肉の方に入っていくために効果があります。
運動後の筋肉に血糖が入っていく時には、インスリンの作用は関係がありません。インスリン分泌がなく、血糖が筋肉に入っていきます。
このため、糖質を口から摂取しても筋肉に入る分のインスリンは少なくて済みます。
2つめの対策は、吸収をゆっくりにする
また糖尿病薬で言えばα-GI(αグルコシダーゼ阻害薬)。
ボグリボースなどがあります。
食事の直前(理想的には5分前)に飲む事で
糖質の吸収をゆるやかにして
急激な血糖値上昇を抑えてくれます。
当然、病院で処方してもらう必要があります。
サプリで何かありませんか?と訊かれれば
豆鼓(トウチ)エキスなどがあります。
これも上のα-GIに近い作用があるとされていますが、
当然、薬よりは弱い作用です。
他の対策は?
他には?と言えば
食べ順ダイエットの応用的な感じで
糖質を食べる10分前に野菜を食べておく
というのがありますが、ほんの少ししか効果はありません。
事前に食べないよりは多少は良いかな、程度の効果が期待できます。
以上、反応性低血糖について、でした。