今回は、ケトン体自体について。
宗田先生の本
このブログの「ケトン体」関連の記事に関してはコチラ。
https://mizunodoc.jp/archives/category/ケトン体/
色々とケトン体について書いていますが、ケトン体自体についてはサラっとしか書いてきませんでした。
ついに基本中の基本を書き始めます。
しかし、医学生の頃に「ケトン体なんてあんまり大したものじゃないんでしょ。3つって何だっけなぁ・・・」とか思いつつ勉強していたのが懐かしいです。
無茶苦茶、重要でした。
御見逸れしました。
そしてこんなに「ケトン体」「ケトン体」と言う日が来るとは夢にも思っていませんでした。
人生は驚きで満ちていますね。
なお、今すぐガッツリ「ケトン体」について知りたい方は宗田先生の本を読むと良いです。凄い本です。
ケトン体には3種類ある
「ケトン体」には3種類あります。
その3つとは、
・β-ヒドロキシ酪酸(3-ヒドロキシ酪酸)
・アセト酢酸
・アセトン
の3つです。
<ケトン体には3種類ある>
・β-ヒドロキシ酪酸(3-ヒドロキシ酪酸)
・アセト酢酸
・アセトン
β-ヒドロキシ酪酸
この最初の「β-ヒドロキシ酪酸」はケトン基(R1-(C=O)-R2)という構造を持っていませんので、厳密にはケトン体ではありませんが、「慣習的に」ケトン体に含められています。
また、尿や血液で簡易的に測る場合は「β-ヒドロキシ酪酸のみ」を測る事が多いです。
ケトン体の簡易測定器についてはコチラ。
![](https://mizunodoc.jp/wp-content/uploads/2019/08/7ab39da226c055e70aea2f342bfba425-320x180.jpeg)
血液中のケトン体の大部分は、この「β-ヒドロキシ酪酸」で、血中ケトン体のうち7〜8割程度を占めます。
「β-ヒドロキシ酪酸」で、血中ケトン体のうち7〜8割程度を占める。
アセト酢酸
ケトン体は肝臓で作られます。
そして、血液にのって全身に配達されます。
ケトン体という「すぐに使えるエネルギー」=「お弁当」を肝臓が作ってくれて、全国発送している感じです。
肝臓さんは、すぐに食べられるお弁当(ケトン体)を全国発送している感じ。
肝臓さん、ほんと働き者です・・・。
そして、肝臓で最初に作られるのがこの「アセト酢酸」です。
しかし、アセト酢酸はほっておくと、めっちゃ揮発しやすい「アセトン」に勝手に変わり、揮発して飛んでいってしまいます(呼気、汗、尿などから)。
という事で、肝臓では最初に「アセト酢酸」を作った後に、大部分を上記の「β-ヒドロキシ酪酸」に変換し、安定化させます。
「β-ヒドロキシ酪酸」は揮発性が低いため、勝手に飛んでいって無くなる、という事がありません。
肝臓さんは、「アセト酢酸」を「β-ヒドロキシ酪酸」に変えて、安定化している。
なお、「アセト酢酸」は、血液中の全ケトン体の1〜2割程度を占めます。
医療機関で「血中ケトン体分画」というのを測ってもらうと量が分かります。
健康な人の場合は保険は効きません。
糖尿病の状態が悪く、ダルい、などの状況であれば保険適用がある場合「も」ある、といった感じです。
医療機関での「血中ケトン体分画」の測定は、ほぼ保険が効かない。
アセトン
上で書いたように、肝臓で作られる「アセト酢酸」が勝手に変化してしまうのが、この「アセトン」です。
「アセト酢酸」は勝手にどんどん「アセトン」に変化する。
アセトンは尋常じゃなく揮発しやすいので、呼気、汗、尿から勝手に飛んでいって無くなってしまいます。
アセトンは尋常じゃなく揮発しやすい。
このアセトンがいわゆる「ケトン臭」というニオイの元になります。
糖質オフ生活を始めた当初には、アセトンが増えるで、匂いの原因となります。
常温で高い揮発性があるので揮発して匂いとして感じる訳です。
![](https://mizunodoc.jp/wp-content/uploads/2019/08/1f4c987056916d69875b451dc07ad13b-320x180.jpeg)
ついでに、これはあまり知られていませんが、アセトンには強い引火性があって、燃えます。
アセトンは、別名「ジメチルケトン」とも表記されます。
で、ケトン体って何なの?
で、このケトン体は何なのか、というと脂質とタンパク質の代謝産物です。
といっても、主に「脂質」が原料です。
食べた脂質や蛋白質が代謝されると一部がケトン体になる、という事です。
ケトン体のメリット
ケトン体は体内に多いと
・神経の働きを安定化させる
・癌細胞の増殖を防ぐ
・各種の炎症を起こしにくくなる
などのメリットがあります。
ですので、
・難治性てんかん
・各種の癌
・自己免疫疾患などの難病
の方は、ケトン体が多い状態をキープできれば改善する可能性が期待されています。
ケトン体のデメリットは?
健康な状態であれば増える事によるデメリットはありません。
むしろ、増えれば増える程、より健康的になります。
糖尿病の状態が良くない時にもケトン体は増えますが、これは「インスリンの作用不足」が原因です。
ケトン体はその「結果」増えるだけです。
ケトン体が原因ではなく、結果です。
小児の脱水で増えるケトン体も同じです。
「脱水」やエネルギー不足、代謝異常などが「原因」です。
ケトン体は原因ではありません。
以上、ケトン体って何?でした。