糖質オフライフ

糖質オフでやせる方法

さて、今回は糖質オフでやせる方法について。

 

元記事:2015年6月6日

最終改訂:2019年9月20日

 

シンプルです。

 

摂取する糖質量を減らしましょう。


糖質を食べながらやせるには激しい運動や筋トレのみです。
他のやせるサプリや漢方は全て気休めです。

と、ここでよく混同される「糖質」と「炭水化物」について
炭水化物=食物繊維(食べて良い)+糖質(食べると不健康)
です。

「食物繊維」は食べてよいので、控えるべきは
「糖質」
です。

なので「炭水化物を控えましょう」ではなく、
「糖質を控えましょう」と言いましょう。

 

炭水化物=食物繊維(食べて良い)+糖質(食べると不健康)

 

 

やせる薬があるってきいたけど?

 

ちなみに、やせる薬というのはいくつかありますが副作用があります。

単なるやせ目的には適しません

 

結果として体重が減る薬はあるが、どれも要注意薬
薬でやせても「太る原因=食事」を変えなければ、また太る
やせ目的で薬を使うのは全くオススメできない。

 

古典的なやせ薬は「マジンドール」とうものです。

覚醒剤に近いような薬剤です。

まったくオススメできません

超肥満の方にしか処方できませんが、
そういう方にはほとんど効果がありません。

私も昔、数回処方しましたが、全く効果ありませんでした。

また、食欲と一緒に人生全般のやる気がなくなる場合もある、
と知り合いのドクターが言っていました。

 

最近発売された
糖尿病の薬の「SGLT2阻害薬」は確かに
体重を減らす効果があります。

しかし、各種の副作用や注意すべき事もあるため
気軽なダイエット目的での自己判断による内服はまったくオススメできません

 

 

さらに自由診療のクリニックで、糖尿病薬の「GLP-1製剤」という注射薬で簡単にやせる!みたいなのがありますが、これもインスリンの分泌を促してしまいます。

GLP-1製剤は、胃腸の動きを抑えるために、食欲が減り、体重減少の効果があります。患者さんに何人も実際に投与したことがありますが、たしかに「多少」体重は減ります。ですがその程度です。すぐ下がり止まります。当然ながら、注射をやめるとリバウンドします

しかも、GLP-1製剤は上記のように根本的には「インスリンを増やす」薬剤です。

GLP-1製剤も、痩せ目的で使うような薬剤ではありません

インスリンのヤバさについてはコチラを。

https://mizunodoc.jp/archives/1022

 

 

以上のように、「太る原因=食事」を変えずに痩せる、というのは全部、その場しのぎでしかありません。根本的な解決にはなりません。

 

「太る原因=食事」を変えずに痩せる、というのは全部、その場しのぎ

 

 

 

漢方ならどう?

 

また、漢方では
「防風通聖散」
が有名です。

薬局などでよく売っています。

防風通聖散は
「大黄(だいおう)」
という下剤の成分が入っており、
便通をよくする事で体重が減る場合があります。



しかし、大黄には習慣性があり、
長期連用でかえって
「大黄ナシでは便秘する」
という状態になってしまいます。

このため長く飲み続けるのはオススメしません

 

やせたい場合は、糖質を控えましょう。

 

 

食べてよいものとの区別は?

 

食べてよいものとよくないものが分からない、という方は糖質量を調べましょう。
グーグル先生に訊けば大抵のものは出てきます。

例:フルーツ、糖質量

 

江部先生も本を出しています。

 

 

糖質量を減らしてもやせないという方

 

パターン1:実は糖質量が多い

 

1番、多いのが「糖質量を減らしてるつもり」パターンです。

食べたものを記録しておいて、1つ1つ糖質量を再確認しましょう。
また糖質は1食単位で抜くのが効果的です。
特にあとは食べて寝るだけの夕食の糖質を抜くのが効果的です。

3食、糖質を抜ける、という人はそれでも良いですが、
なかなかコメがやめられない、パンがやめられない、という方は夕食から糖質抜きがお勧めです。

糖質を3食とも抜くとフラつく、ダルくなるという方もいます。
その方はココナッツオイル摂取で症状が改善したという報告もあります。お試しあれ。
ココナッツオイルは直接飲む(食べる)か、コーヒー・紅茶に入れるのが主流です。
いきなり多めに飲むと胃部不快感などが起きる場合があるので、少量から始めましょう。
小さじ1杯から始めて、最終的には大さじ2杯くらいまで増やせると良いです。
朝大さじ1杯、昼大さじ1杯など分けて飲むのも良いでしょう。

ちなみに厳格な糖質オフの禁忌となるのは
・長鎖脂肪酸代謝異常
・非代償性肝硬変
・活動性膵炎
の3つです。

糖質オフに理解の深い医師を主治医とし、主治医に相談しましょう。
なお、糖質オフに理解のない医師からは反対されるだけです。

 

 

パターン2:脂質が多い・少ない

標準体重より体重がある方は、
お腹に油がいっぱい蓄えられています。
今こそそれを使う時です。
油を口から積極的に食べる必要などありません。

糖質も必須栄養素ではありません。
経口摂取はゼロで大丈夫です。
全く糖質を口から食べる必要はありません。

となれば残るは蛋白質です。

動物性蛋白質は、肉、魚貝、卵、チーズ
植物性蛋白質は、大豆系(納豆、豆腐、湯葉、枝豆など)です。

大豆以外の豆はほとんどが糖質量が多いので要注意です。
食べたい時は少量にしましょう。

ちなみに私は肉大好きです。

 

とはいえ体質は様々です。
低脂質ではやせない方もいます
つまり、低脂質では、脂肪酸・ケトン体システムがうまく回らない=脂質をうまく使えない、という方です。

血中のケトン体を測定すると、糖質オフをしっかりしているのにケトン体が低い、という方です。

これは、食事内容を確認して、ケトン体の採血をすれば分かります

このような方々は、低脂質にするだけでは体の油が使えない体質です。

 



逆に高脂質気味にしたり、中鎖脂肪酸を積極的に活用すると良いです。

中鎖脂肪酸を含む代表的なものはココナッツオイルです。
食事の3時間前に摂取するのが有効です。

中鎖脂肪酸については日清さんのサイトが分かりやすく書かれています。
http://www.nisshin-mct.com/about/

 

 

パターン3:すでに痩せている

女性で多いパターンです。

糖質オフはどんどんやせる、という食事方法ではありません。
適正な体重になる、という感じです。

なので、すでにやせている人は糖質を控えてもそれ以上やせません。
そして、それ以上やせない方が健康的です。

BMIという数値で20〜22が適正な体重です。
(筋肉モリモリの場合はもっとBMIが高くても良い)

体脂肪を減らしたい、という場合は筋トレです。

 

そして肉、魚貝、卵、チーズなどの動物性蛋白質を摂りましょう。
例によってココナッツオイル併用も良いでしょう。

やせすぎは良くありません。

 

以上、やせた方向けの大雑把なまとめです。

ABOUT ME
医師水野
内科医。2003年に医師免許取得(医籍登録)。 両親とも糖尿病家系。2度肥満だった自らの体の劇的な変化をきっかけに、糖質制限を中心とした治療を開始。 その後、糖質オフやビタミン・ミネラルなどの情報をブログ、Facebook、YouTubeなどで発信。 監修本「糖質オフ大全科 (主婦の友社)」が中国でミリオンセラーに。 著書は「糖尿病の真実~なぜ患者は増え続けるのか~ (光文社新書)」「1年で14キロ痩せた医師が教える 医学的に内臓脂肪を落とす方法(エクスナレッジ)」「薬に頼らず血糖値を下げる方法(アチーブメント出版)」、など。