今回は膠原病について。
膠原病ってどんな病気?
膠原病という病名、聞いたことありますでしょうか?
膠原病 (こうげんびょう、connective tissue disease) とは、全身の複数の臓器に炎症が起こり、臓器の機能障害をもたらす一連の疾患群の総称です。
長い・・・
ポイントは
「全身に炎症」と「疾患群の総称」という点。
「全身に炎症」なので、あっちこっちに症状が出てしまいます。
「疾患群の総称」なので、1つではなく沢山あります・・・。
またソレがややこしい・・・。
いっぱいあるってどれくらい?
そう、膠原病は、とてもいっぱいあります。
以下にズラーっと記載します。
•関節リウマチ (rheumatoid arthritis; RA)
•全身性エリテマトーデス (systemic lupus erythematosus; SLE)
•強皮症 (Scleroderma)
•皮膚筋炎 (dermatomyositis complex; DM) / 多発性筋炎 (polymyositis; PM)
•結節性多発動脈炎 (polyarteritis nodosa; PN)
•混合性結合組織病 (mixed connective tissue disease; MCTD)
•その他の膠原病・膠原病類縁疾患
•シェーグレン症候群 (Sjögren syndrome; SjS)
•顕微鏡的多発血管炎 (microscopic polyangitis; MPA)
•ウェゲナー肉芽腫症 (Wegener’s granulomatosis; WG)
•アレルギー性肉芽腫性血管炎 (allergic granulomatous angitis; AGA) (チャーグ・ストラウス症候群 (Churg-Strauss syndrome; CSS) ともいう)
•過敏性血管炎 (hypersensitivity angiitis)
•ベーチェット病 (Behcet’s syndrome[disease])
•コーガン症候群 (Cogan’s syndrome)
•RS3PE (remitting seronegative symmetrical synovitis with pitting edema)
•側頭動脈炎 (temporal arteritis; TA)
•成人スティル病 (adult-onset Still’s disease; AOSD)
•リウマチ性多発筋痛症 (polymyalgia rheumatica; PMR)
•線維筋痛症 (fibromyalgia syndrome; FMS)
•SAPHO症候群
聞いたこともない病名も多いと思います。
しかも、1つの病名に「別名」すらあります。
さらに、最近でもドンドン増えています。
さらに上記の他にも、まだまだ膠原病はあります。
膠原病の治療方法は?
膠原病の治療は、従来治療では、膠原病は免疫を抑えるステロイドや免疫抑制剤の治療となります。
ステロイドも免疫抑制剤も、どちらも劇薬の類ですので副作用にはとても注意が必要です。
これらの免疫を抑える系の薬の他に、何か効果のありそうなものはあるでしょうか?
そう、ここで糖質オフです。
膠原病に対する糖質オフ
糖質オフで膠原病が良くなる可能性があります。
実際に改善が見られている症例を見ています。
逆に、その他の方法は上記の従来型の薬剤治療(ステロイドと免疫抑制剤)くらいしか「しっかり効く」というものは現在はありません。
やはり副作用の多い薬は減らしたいものです。
また基本的に、糖質オフと従来型の薬剤治療は併用も可能です。
個々の病態によって注意点などもありますので、実際に開始する場合は主治医とよく相談しましょう。
また、逆に膠原病にかかった方の食事を聞くと、ほとんどの方が「糖質ばかり食べてた。全部好物!」という答えをおっしゃいます。
糖質により免疫の暴走が起こっている可能性があるのです。
膠原病患者さん達の、かつての食事は糖質まみれ・・・。
どの位、糖質オフを?
問題は「どのくらいまで?」という事です。
まず糖質オフを始める時にする事の多い「緩めの糖質オフ」では、あまり効果が期待できません。
膠原病の方も診ていますが、糖質オフの効果が出たのは三食ともコメ・メン・パンを抜いてからでした。
ですので、お勧めは3食ともコメ・メン・パンを抜くことです。
このパターン5「癌の場合」に近いのが、膠原病です。
というのも、糖質を摂ると、インスリンが大量に出ます。
そして、インスリンは細胞の中から、細胞にダメージを与えてしまいます。
大量のインスリンによるダメージは、膠原病の特徴である「全身の炎症」への直通道路です。
インスリンで細胞にダメージって?
なぜ「血糖値を下げるホルモン」のインスリンが、細胞にダメージを与えてしまうのでしょうか?
その答えは講演会で説明しています。
糖質オフをキッチリとする
3食の主食を抜き、さらに1食の糖質を最も減らすのが「断糖」です。
膠原病を「治したい」と思った場合には、できれば断糖です。
最も糖質を控える断糖が、最も効果を期待できます。
断糖などの用語については、コチラで説明しています。
さらに免疫力を高め、回復力を高める
2015年にこの記事の「元記事」を書いた時には、膠原病対策はここまででした。
今ではさらに3つ、合計4つ(糖質オフを含める)の対策があります。
2019年版、膠原病対策
1.糖質オフ:できれば断糖
2.高タンパク
3.高脂質
4.ビタミン・ミネラル
この4つです。
高タンパク
膠原病は「免疫が狂った」状態です。
免疫の異常とは、免疫を担当する細胞の暴走です。
この細胞の暴走の原因はザックリ2つ。
・インスリンによるダメージ(毎日の過剰な糖質による)
・免疫細胞のエネルギー・材料の不足
インスリンによるダメージは糖質オフをすれば、それ以降のダメージを減らす事ができます。
2つ目の免疫細胞の材料不足とは、つまり「タンパク不足」です。
(免疫細胞のエネルギー不足は、タンパク質・鉄、各種ビタミン不足で、ミトコンドリアがきちんと働かない事によりますが、長くなるのでここでは省略します)
現代の日本では「タンパク質」の重要性がまったく理解されていません。
生きる上で最も大切な「タンパク質」は最も軽くみられており、逆に口から摂る必要がまったく無い「糖質」がやたらに重要視されています。
これでは病気は増え、良くならないのも当然です。
膠原病も、この「過剰糖質・タンパク不足病」という側面が強くあります。
では、その重要な「タンパク質」はどれくらい摂れば良いでしょうか?
それは「プロテインスコア」で計算します。
「体重の2倍」の所をご参照ください。
高脂質
高タンパクに次いで重要なのが「高脂質」です。
糖質をオフしつつ、脂質を摂ると「ケトン体」が増えます。
そして、その「ケトン体」は「炎症をおさえる」効果を持っています。
膠原病は「全身の炎症」の病気ですから、ケトン体を増やす事は病気の改善に大きなメリットとなります。
ケトン体って?
ケトン体についても、講演で説明しています。
既に上で挙げた講演です。
ビタミン・ミネラル
全身の炎症が起きている膠原病に、そのダメージを防いだり、回復に使われる「ビタミンとミネラル」の補充はとても大切です。
ビタミンAは粘膜系の炎症・回復に有効です。
ビタミンB群とCは「水溶性」のため蓄える事ができず、毎日必要です。
また「病気を治そう」という場合には、健康な人が必要とするよりも、もっと大量にビタミンが必要になります。
さらに、ビタミンB群のうち「ナイアシン」は膠原病にとても有効です。
またビタミンDとKも大切です。
ビタミンDは免疫を調整するのに関係するホルモンです。
免疫が狂っている状態の膠原病にはとても大切です。
ビタミンDを多く摂る場合には、ビタミンKの消費量が増えます。
そしてビタミンKが枯渇してくると、骨からカルシウムが溶け出し、骨の質が下がったり、その溶け出したカルシウムは腎臓で結石になったります。
ビタミンEも非常に大切です。
水溶性ビタミンのB群とCが効果を発揮するのに必要ですし、細胞膜のダメージを防ぐのにも必要です。
ミネラルでは、セレン、マグネシウム、亜鉛などが重要になってきます。
また、細胞膜の修復の働きをもつ「レシチン」なども重要です。
またデトックス効果の強い「グルタチオン」なども効果的かもしれません。
レシチン・グルタチオンあたりはこの講演で説明しています。
詳細なビタミンなどの内容は?
各自、学んでください。
facebookのビタミン関連の「グループ」
や、
「こてつ名誉院長のブログ」
などに情報が多くあります。
ビタミンって効くの?
ビタミンが効かない、ビタミンが有害、
というのはよく見かけると思います。
そして、今後も各メディア等で話題にされ続けます。
しかし、そういった事は全て無視してかまいません。
その理由は、コチラをご参照ください。
以上、膠原病と糖質オフについて、でした。