今回は、動脈硬化「超まとめ」薬以外編です。
薬はコチラ。
中性脂肪はコチラ。
コレステロールはコチラ。
検査はコチラ。
動脈硬化の原因についてはコチラ。
薬以外は?
やっと本題です。
薬以外に動脈硬化にできる事、あります。
以下がそのリストです。
<動脈硬化対策>
〜食事関連〜
・低インスリン・高ケトンを保つ
・トランス脂肪酸を避ける
〜ビタミン関連〜
・ナイアシンを大量に摂取する
・ビタミンEを大量に摂取する
・ビタミンA・Cを摂取する
・抗酸化物質を摂取する(セレン、アスタキサンチン)
・EPAを大量に摂取する(1日3000mg程度。DHAを含まないもの)
・ガンマオリザノールを摂取する
〜その他〜
・運動(重度肥満や痩せすぎがない場合)
・禁煙
食事関連
栄養、食事に関しては高糖質・トランス脂肪酸摂取のままでは薬をいくら飲んでも動脈硬化が進む可能性があります。
毒と薬では、毒が勝ってしまいます。
動脈硬化の原因を取り除かなければ、動脈硬化は治りません。
抗血栓薬とコレステロール低下薬を飲んでいるだけでは病気を抑えつけているだけで病気の根本に関して何ら改善しません。
動脈硬化の原因を取り除かなければ、動脈硬化は治りません。
低インスリン・高ケトンを保つ
「低インスリン・高ケトンを保つ」には、
糖質を控える、脂質を充分に摂る、という事が必要です。
「低インスリン・高ケトンを保つ」には、
糖質を控える、脂質を充分に摂る、という事が必要。
肥満がある場合には体脂肪として脂質の蓄えが充分にあるので動物性脂質の積極的な摂取をしなくても、ケトン体は増えます。
しかし、空腹感が強い、甘いものが欲しくなる、という場合には、脂質を積極的に摂取すると良いでしょう。
空腹感が強い、甘いものが欲しくなる、という場合には、脂質を積極的に摂取すると良い。
植物性脂質に関してはココナッツオイル、MCTオイルなどを摂るとケトン体が増えます。
植物性脂質では、ココナッツオイル、MCTオイルを摂るとケトン体が増える。
オリーブオイル、紫蘇(しそ)油、荏胡麻(えごま)油、亜麻仁(あまに)油、の場合は、体内でEPAに変換され、血液サラサラの効果が期待できます。ただし、ケトン体はあまり増えません。
オリーブオイル、紫蘇(しそ)油、荏胡麻(えごま)油、亜麻仁(あまに)油、の場合は、体内でEPAに変換され、血液サラサラの効果が期待できる。
ただし、ケトン体はあまり増えない。
やせている場合(BMI 20未満)には体内に体脂肪としての脂質の蓄えが少ないため、すぐに脂質が欠乏します。
夜間や食間などの「食べていない時間帯」にはエネルギー切れの状態となってしまいます。
すると、体のエネルギーは「糖質のみ」となるため、肝臓でタンパク質から血糖を作りだしてしまいます。
これは「糖新生」を呼ばれます。
食事で摂るタンパク質も不足していると筋肉を壊して血糖にしてしまいます。
筋肉の減少を防ぐためにもやせている場合には動物性脂質の積極的な摂取が必要です
バター、生クリーム、ギー、クロテッドクリーム、牛脂、ラード、鶏脂などです。
やせている場合は、バター、生クリーム、ギー、クロテッドクリーム、牛脂、ラード、鶏脂などを積極的に摂る。
やせている場合には体脂肪が少ないために、夜間や食間などにすぐに糖新生が始まってしまう。これを防ぐために動物性脂質を積極的に摂る。
トランス脂肪酸を避ける
トランス脂肪酸を含む油脂には下記のものがあります。
<トランス脂肪酸を含む油脂>
・サラダ油
(なたね油、キャノーラ油、大豆油、とうもろこし油、ひまわり油、べにばな油、グレープシード・オイル、米油、綿実(めんじつ)油、等)、
・トクホのオイル(エコナ、リセッタ、サララ)
・マーガリン
・ショートニング
・ホイップ
サラダ油はとてもヘルシーっぽく売られていますがトランス脂肪酸を含みます。
またトクホのオイルも現時点では3種類ともすべてトランス脂肪酸を含ます。全くお勧めしません。
ナイアシン(ビタミンB3)を大量に摂取する
ナイアシンは動脈硬化に対してかなりの効果が期待できます。
詳細はコチラを参照ください。
国際オーソモレキュラー医学会ニュース、2013年3月21日
(以下、日本語訳)
「ナイアシンは最も安全で効果的なコレステロール抑制手段である」
(しかしメディアから決してこれを知ることはない)
(OMNS、2013年3月21日) ナイアシンの健康効果に対して、また異議が唱えられている。なぜか。簡単に言えば、金銭の追求のためである。年間1兆ドル規模の製薬業界にとって、コレステロール低下薬は、まさにドル箱である。一方、ナイアシンは、安価で、処方箋不要で、安全である。薬剤のほうがはるかに危険で、有効性もかなり低い。ナイアシンは、効かないから攻撃されているのではない。実際に効くから攻撃されているのだ。
(中略)
「ナイアシンは本当に有効である。これほど効果があるものは他に手に入らない。」
(クリーブランドクリニック循環器内科部長であり、過去に米国心臓病学会の会長を務めたSteven E. Nissen, M.D.が2007年1月23日付NY Timesにて引用)
(中略)
「ナイアシンは、コレステロール抑制のために現在入手できる最良の物質である。ナイアシンは、冠動脈疾患と脳卒中の発生率を下げ、平均余命を増やす。」
(メイヨークリニック研究員William B. Parsons Jr., M.D. [ 4] )
(中略)
ナイアシンの形態と効果
ナイアシンには、ナイアシンアミドや、標準的な「速放性」ナイアシンなど、いくつか形態がある。このどちらも、すべての生命体にとって不可欠な代謝酵素である細胞内NAD(補足:ニコチンアミド・アデニン・ジヌクレオチド)を増やす効果があるが、重要なこととして、VLDL(超低密度リポタンパク質)、トリグリセリド(アテローム性動脈硬化の危険因子の一つ)および総コレステロール値を下げながら、どのスタチン系薬剤よりもHDL(善玉コレステロール)値を上げることができるのは、ナイアシンだけである。高リスクの循環器疾患患者のほとんどにとって、こうした成果は一般に願わしいものである。しかし、ナイアシンは、ナイアシンアミドよりも、多種の細胞におけるNADの増加効果が高いこともわかっているため、疾患の予防効果では、ナイアシンのほうがナイアシンアミドより優れていることになる。
ナイアシンフラッシュ
一部の人に対する問題として、ナイアシンは、「ナイアシンフラッシュ」という有名な副作用を引き起こすことがある。人によっては、治療のための高量摂取後に、こうした一時的な(30~60分の)、時には痒みを伴う皮膚の発赤が生じる。しかし全体的に見れば、ナイアシンフラッシュは、有益な健康効果に関連している。ナイアシンはとくに、高親和性のGタンパク質共役受容体であるGPR109aとGPR109bを活性化し、それが様々なプロスタグランジン類の放出につながり、結果としてフラッシュ反応が生じる。血管拡張とフラッシュをもたらす、ナイアシンのこうした影響は、脂質異常症を治すものとして広く理解されている。ナイアシンフラッシュを副作用と表現する人もいるが、体が自分の脂質代謝経路を修正しているということであり、これはアテローム性動脈硬化の予防において重要となり得る。[10] 緩効性や徐放性のナイアシンなど、その他の形態のナイアシンは、フラッシュを引き起こさないが、アテローム性動脈硬化の予防や治療の効果は他より低いとも考えられる。また、人によっては、緩効性ナイアシンや、フラッシュを生じないナイアシンを摂った結果、肝臓中の酵素が警戒すべきレベルに増えることがある。[ 4] ほとんどの説明において、ナイアシンフラッシュは有益な効果に関連付けられているものの、不快と感じる人もいる。ナイアシンは使いたいがフラッシュは避けたいという場合、フラッシュ反応が最小限に抑えられる最大用量を見つけることは簡単である。ナイアシンが重篤な有害反応を引き起こすことはめったにないが、どちらかといえば反応は一時的なもので、最悪の場合でも少し不快な程度である。
(強調表示は水野による)
注意が必要なのは、ナイアシンは大量に摂取しない限り、効果がない、という事です。
そして、量を増やすとナイアシン・フラッシュ、頭痛、などの症状が出ます。
このため、ナイアシンを飲む場合には充分な知識を得てから、慎重に飲み始めるべきです。
ナイアシンを飲み始める場合には充分な知識を得てから慎重に!!
ナイアシンには4種類の形があります。
・速放性ナイアシン、素のナイアシン
(単に「ナイアシン」と表記されている)
最も効果が強いが、症状も最も出やすい
サプリの例
・徐放性タイプ
英語ではSustained Releaseと記載
サプリの例
・エステル化したもの
英語では、Flush Freeと記載
サプリの例
・ナイアシン・アミド
最も弱い
サプリの例
上記の引用文の中にもあるように動脈硬化を改善するには最も強い「速放性ナイアシン」を飲む必要があります。量としては、1日に2000mgから4000mgです。
具体的な飲み方はコチラを。
ビタミンEを大量に摂取する
ビタミンEは8種類あります。
「D」と「DL」の分け方と、
「アルファ」「ベータ」「ガンマ」「デルタ」の分け方があり、
2かける4で、合計8種類です。
そのうち、最も効果が強いのは「Dーアルファートコフェロール」です。
処方薬でビタミンEがありますが(ユベラ)「DLーアルファートコフェロール」という効果が低い形態のビタミンEです。このためあまり効きません。
健康維持のためには「Dーアルファートコフェロール」を1日400〜800 IUで充分です。
「IU」は国際単位の事です。
動脈硬化が強い場合には1日2000 IU必要になります。
ただし、動脈硬化が強い場合に最初から大量のビタミンEを飲むと、血栓が剥がれてとんでいき、他の血管に詰まる可能性が指摘されています。
このため動脈硬化が強い場合には、ビタミンEを徐々に増やす必要があります。
ビタミンEも「病気を治す」ためには健康維持よりも大量に必要になります。
サプリの例(ビタミンE)
ビタミンA・Cを摂取する
ビタミンAは1日2万5千IU、
ビタミンCに関しては1日3,000〜10,000mg(3g〜10g)
と説明しています。
ビタミンCは、1度に多く飲むと下痢をするので注意してください。
サプリの例(ビタミンA)
サプリの例(ビタミンC)
ビタミンCは上記のものが、有名なEster-Cと比べてややカプセルが小さく、やや下痢しづらい、という特徴がありました(私調べ)。
抗酸化物質を摂取する(セレン、アスタキサンチン)
セレンは1日200mcg(200マイクログラム)、
アスタキサンチンは1日10mg、
程度で飲む量をよく説明しています。
セレンに関しては大量摂取で中毒となる可能性がありますので、
200mcg以上を毎日毎日飲む事は避けた方が良いでしょう。
サプリの例(セレン)
サプリの例(アスタキサンチン)
EPAを大量に摂取する(1日3000mg程度。DHAを含まないもの)
EPAもナイアシンと同じく、量が足りないと全く効果がありません。
EPAのみ、高純度、1日3000mg程度、これを満たして初めて効果が期待できます。
何故そうなのか?は、薬剤編に記載済みです。
詳細は上記の通りです。
サプリの例(EPA)
カプセル、超大きいです。
ゲップ時には魚の匂いがします。
EPAは食事の後でないと吸収率が低いので注意が必要です。
ガンマオリザノールを摂取する
ガンマオリザノールは、「米糠油(こめぬかあぶら)」から抽出された物質。
植物ステロールというもの。
LDLや中性脂肪を下げ、HDLが低い場合は上げる効果、
血液サラサラ効果、
心身症や更年期障害の、不安、緊張、抑うつをやわらげる効果、
があります。
さらに、糖尿病では膵臓のβ細胞を増やす効果が示唆されています。
とはいえ、自然から抽出した物質なので効果はそれぞれそんなに強くありません。
というか、弱いです・・・。
心に対する効果は、50mg〜150mg程度。
動脈硬化や糖尿病に対する効果では300mgを摂ると良いとされています。
処方薬にもあり、「ハイゼット」という名前です。
サプリメントではこんな感じのものがあり。
元々、捨てている「糠(ぬか)」から作るからなのか、とってもお値段がお安いのが特徴です。
運動(肥満・やせすぎがない場合)
肥満の状態で運動すると関節に負担がかかる運動をすると、関節を痛めます。
「運動して痩せる」ではなく「痩せてから運動する」のがお勧めです。
具体的にはBMI 25以下です。
また痩せ過ぎているのに運動すると当然ながらさらに痩せてしまいます。
BMI 18.5未満の「やせ」状態では運動はお勧めできません。
高タンパク食で筋肉などを増やしてからの運動がお勧めです。
以上、動脈硬化「超まとめ」薬以外編でした。