動脈硬化・脂質異常

先生!血圧が高いんです!

今回は、高血圧について。

 

 

高血圧の種類って知ってる?

 

高血圧には色々な種類があります。

最もザックリした分類では2つです。

「二次性高血圧」「本態性高血圧」です。

 

 

 

二次性高血圧って?

 

二次性高血圧は、高血圧の中の1割程度を占めます。

「二次性」高血圧というのは、高血圧の原因になるハッキリした病気がある高血圧を言います。

大雑把に言えば、ハッキリした原因があれば「二次性高血圧」で、無ければ「本態性高血圧」です。

 

ハッキリした原因があれば「二次性高血圧」で、無ければ「本態性高血圧」

 

 

 

 

二次性高血圧にもさらに種類が。

 

二次性高血圧は、その原因となっている「ハッキリした病気」により各種のタイプに分けられます。

 

腎実質性高血圧

腎臓の「実質(尿を作る部分)」の病気によるもの。

二次性高血圧の中では最も多いタイプ

高血圧全体の2〜5%程度を占めます。

疾患例:慢性糸球体腎炎、多発性嚢胞腎、虚血性腎症

 

腎血管性高血圧

腎臓の動脈が狭くなったり、詰まったりする事で起きるもの。

詰まっている場合は、その詰まった先の腎臓が死んでしまうのが厄介。

無さそうで、地味に見かけるタイプ。

疾患例:腎動脈狭窄症、腎動脈閉塞症(腎梗塞)

 

内分泌性高血圧

ホルモンを出す臓器が「暴走」して起きる高血圧。

高血圧の「原因」として思い浮かべる事が出来ないと、検査も出来ず、治療が遅れがちになるのがこの「内分泌性高血圧」。

各ホルモンの関係が複雑で医者泣かせ

医学部学生の頃から既にテストで泣かされる。

検査自体も複雑で手間がかかるものが多い

疾患例:原発性アルドステロン症、(その他の)ミネラルコルチコイド過剰症、クッシング症候群、褐色細胞腫、傍神経節腫(パラガングリオーマ)、先端巨大症など

 

血管性(脈管性)高血圧

その名の通り、動脈などの血管の病気から起こる高血圧。

疾患例:大動脈炎症候群(高安動脈炎)、その他の血管炎性高血圧、大動脈縮窄症、心拍出量増加を伴う血管性高血圧

 

脳・中枢神経系疾患による高血圧

これもその名の通り、脳やその周りの中枢神経系の病気から起こる高血圧。

疾患例:脳血管障害・脳腫瘍・脳炎・脊髄炎・脳の外傷などからの頭蓋内圧亢進(クッシング反応)による高血圧、神経血管圧迫症候群

 

遺伝性高血圧

「単一の遺伝子異常」による「生まれつきの」高血圧

難病指定されている事が多い。

複数の遺伝子異常で「ハッキリ分からない」高血圧の場合は、二次性高血圧ではなく、本態性高血圧に含まれます。

疾患例:偽性低アルドステロン症II型など。

 

薬剤誘発性高血圧

薬によって起こる高血圧。

痛み止め(NSAIDs)、漢方薬に含まれる「甘草(カンゾウ)」などによって引き起こされる。

薬剤例:痛み止め(NSAIDs)、漢方薬に含まれる「甘草(カンゾウ)」、グリチルリチン、グルココルチコイドなど

 

以上が、二次性高血圧です。

 

 

 

二次性高血圧の対策は?

 

それぞれに応じた治療を行います。

血管が詰まりかけているなら、詰まりを解消する。

ホルモンが出過ぎているなら、出過ぎないようにする。

血管の炎症が原因なら、炎症を抑える。

脳腫瘍が大きいなら小さくする。

薬が原因なら、その薬をやめる。

などなど、です。

 

 

 

本態性高血圧は?

 

本態性高血圧は原因がハッキリと特定できない高血圧

高血圧のうちの9割を占めます

本態性高血圧の、その「ハッキリしない原因」について、教科書的には「遺伝、ストレス、生活習慣、加齢などの複合的要因による」とされています。

 

という事になっていますが、

「動脈硬化」→「高血圧」

というのが本態性高血圧の原因のほとんどです。

 

本態性高血圧は概ね動脈硬化による血圧上昇

 

 

 

 

本態性高血圧の対策は?

 

となれば、対策は明らかです。

動脈硬化を治せば、本態性高血圧のほとんどについて改善が見られる、という事です。

実際に、動脈硬化について改善がみられれば、多くの本態性高血圧で血圧が下がります。

 

多くの本態性高血圧は、動脈硬化を治せば、治る

 

 

しかし、標準的な医療では「動脈硬化を治す!」とう話は全く出ません

代わりに、「動脈硬化の進行を防ごう」という事で、スタチン系薬剤は処方されます。

 

 

スタチン系薬剤についてはコチラを。

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しかし、動脈硬化を「治す」という話は出ませんゼロです

 

通常の医師から「動脈硬化を治す」という話は出ない
代わりにスタチンが処方される。

 

なお、動脈硬化が既にヒドい人は抗血栓薬(血液サラサラの薬)が必要です。

抗血栓薬ナシだと本当に血管が詰まります

 

各種の薬剤についてはコチラ。

動脈硬化「超まとめ」薬剤編今回は動脈硬化「超まとめ」薬剤編。 薬以外はコチラ。 https://mizunodoc.jp/archives/9...

 

 

 

 

進行予防じゃなくて、薬でもなくて、根本的に治せないの?

 

治せます。

動脈硬化は治せます

 

そして、動脈硬化が治れば、血圧も下がります

 

動脈硬化は治せる

 

しかし、相当な努力等が必要です

何十年とかけて「動脈硬化」してきちゃったものが、そんなに数日や数ヶ月程度で治るハズがありません

治るまでに何年も、何十年もかかります

 

つまり、これからの人生、ずっと気をつけていなければ、動脈硬化は治せません

 

動脈硬化しちゃってる人は、今後は一生、動脈硬化を治す事を続けると、治る。

 

そして、その方法はコチラ。

動脈硬化「超まとめ」薬以外編今回は、動脈硬化「超まとめ」薬以外編です。 薬はコチラ。 https://mizunodoc.jp/archives...

 

現在の動脈硬化がヒドい人ほど、治すのも大変です。

色々徹底する必要がありますし、ある程度治るまでに長い年月がかかります。

 

動脈硬化が既にヒドい方は、食事、ビタミン、ミネラル等、すべてについて徹底する必要があります。

 

動脈硬化が既にヒドい方は、食事、ビタミン、ミネラル等、すべてについて徹底する必要がある。

 

逆に今、あまり動脈硬化していない人は、ある程度で「現状維持」が可能です。

 

あまり動脈硬化していない人は、ある程度で「現状維持」が可能

 

 

 

 

今、動脈硬化してるかどうかは?

 

 

検査をしてください

検査についてはコチラ。

動脈硬化はしっかり検査を!今回は動脈硬化は検査をというお話。 動脈硬化の原因についてはコチラ。 https://mizunodoc.jp/ar...

 

 

以上、高血圧について、でした。

 

ABOUT ME
医師水野
内科医。2003年に医師免許取得(医籍登録)。 両親とも糖尿病家系。2度肥満だった自らの体の劇的な変化をきっかけに、糖質制限を中心とした治療を開始。 その後、糖質オフやビタミン・ミネラルなどの情報をブログ、Facebook、YouTubeなどで発信。 監修本「糖質オフ大全科 (主婦の友社)」が中国でミリオンセラーに。 著書は「糖尿病の真実~なぜ患者は増え続けるのか~ (光文社新書)」「1年で14キロ痩せた医師が教える 医学的に内臓脂肪を落とす方法(エクスナレッジ)」「薬に頼らず血糖値を下げる方法(アチーブメント出版)」、など。