今回は、動脈硬化について。
動脈硬化、なりたくないですよね。
動脈硬化したくないなら、動脈硬化の原因となるものを避ければ良い、というのは誰にも分かる話。
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動脈硬化の原因って?
では、動脈硬化の原因は何でしょうか?
動脈硬化の原因は大きく分けて3種類あります。
(もちろんその他の原因も細かく言うとあります)
それは「サビ」、「コゲ」、「インスリン」です。
「サビ」と「コゲは、もう少しきちんとした言い方だと、酸化と糖化と言います。
「錆びる(さびる)」=「酸化」
「焦げる(こげる)」=「糖化」
「インスリン」は血糖値を下げるホルモンのインスリンです。
では、それぞれについて、書いていきましょう。
酸化(サビ)について。
酸化する(サビる)とは、モノに酸素が結びついて、分子の構造を変えてしまう、という事です。
酸化を引き起こす最も有名なのは「タバコ」です。
そしてもう1つ、酸化させる事で有名なのが「トランス脂肪酸」です。
これは一般的になっている「加工された植物油」に含まれています。
つまり、サラダ油、キャノーラ油、グレープシードオイルなどです。
最近流行りの「こめ油」にも含まれています。
またトクホに指定されている「エコナ」「リセッタ」「サララ」などにも含まれています。
またマーガリンやホイップクリームにも含まれています。
これらは全て、控えた方が良い油脂です。
外食やお惣菜などで使われている油脂はほぼ、こちらの「加工された植物油」ですので、トランス脂肪酸を摂取してしまっていることになります。
せめて家で料理する時は、トランス脂肪酸を含まない油脂を使いましょう。
トランス脂肪酸を含まない植物性油脂は?
植物性でトランス脂肪酸を含まないのは下記の5種類くらいです。
この油脂を摂ると良いでしょう。
熱にも強いのがこの2種類です。
オリーブオイル
ココナッツオイル
(ココナッツオイルから作られるMCTオイルは、熱に弱く、加熱すると煙が出ます)
一方、下記3種は熱に弱いので、加熱せずに摂りましょう(ドレッシングなどで)。
紫蘇油(シソ油)
荏胡麻油(エゴマ油)※これはゴマ油ではありません。
亜麻仁油(アマニ油)
注意が必要なのは「ごま油」です。
ごま油はトランス脂肪酸は少ないですが、リノール酸が多く含まれています。
リノール酸からはアラキドン酸が合成され、やはり動脈硬化の原因となります。
ごま油は摂り過ぎに注意しましょう。
現代の日本人はリノール酸を過剰に摂取する傾向があります。
ごま油は摂りすぎ注意!
動物性油脂は?
注意が必要な植物性油脂と違って、動物性油脂の方が安心です。
動物性油脂はどれもトランス脂肪酸を含まず、安心。
バター、生クリーム、ラード、牛脂、魚油、鶏油、などです。
またラードは匂いが気になるイメージがありますが、チューブに入っているものは無味無臭です。
どのスーパーにも売っているので入手も簡単です。
また肌に塗っても良いなど、とても有用です。
雪印のラードが良く売っています。
糖化(コゲ)について
糖の分子にはアルデヒド基という部分があります。
R-CHOという、炭素・水素・酸素の各1分子からできているシンプルな構造です。
しかし、このアルデヒド基が周りにあるものにやたらとくっついて、くっついた相手をボロボロにしてしまいます。
これが「糖化」です。
体外でもこの「糖化」は見ることができます。
皆さんもよく見かけるこんがり焼けたパン。
これはまさに糖化の反応です。(メイラード(Maillard)反応といいます)
糖質を摂取すると、体内でこの糖化が起こります。
糖質を摂ると、体内で「糖化」が起こります。
そう、こんがり焼けコゲてしまいます。
血管の壁がこんがり焼けコゲたらどうなるでしょうか?
結果の壁が固くてもろくなってしまいます。
これがまさに動脈硬化です。
糖化は血糖値が上がる事で起こりやすくなります。
血糖値が上がる=血液中のブドウ糖が多い
ですから、糖化が進むのは当然ですね。
つまり、糖質を摂取することで起こります。
糖化を防ぐには糖化を摂取しないことが一番です。
糖化を防ぐには糖化を摂取しないことが一番。
糖質を控えて、体の焦げ付きを防ぎましょう。
食べるべきは、タンパク質と脂質です。
日本人のほとんどが不足している「タンパク質」。
どのくらいの量を摂ったら良いのか?はプロテインスコアで計算してみてください。
食事の詳細は「蛋白脂質食の説明書」を御覧ください。
インスリンについて
「糖化」はブドウ糖が血管の中に流れており、それが細胞に届く事で起きます。
ですが「外からのダメージ」なので細胞の「膜」でダメージを防げます。
一方で、インスリンはホルモンです。
ホルモンは細胞の膜にある「受容体」にくっつくと、そこから「インスリン来たよ」情報が細胞内に広がります。
(インスリン自体は細胞の中には入ってきません)
この細胞の中に情報が広がりまくる時に「活性酸素」というものが発生しまくります。
また、普段は「活性酸素」を除去するシステムが細胞の中にありますが、「インスリンが来たよ」情報が細胞内に届いていると、ある種の「活性酸素」を除去するシステムが「スイッチ・オフ」状態で働かなくなっている事が分かっています。
つまり、「インスリンが来たよ」情報が広まっている、というのは
・活性酸素は発生しまくる
・活性酸素の除去システムはお休み
という状態です。
そう、細胞の中でダメージが広がりまくりです。
細胞内で起こる事なので、細胞膜では防げません。
通常はそれほど長時間ではないので、ダメージも回復できます。
しかし、最近の「不自然なまでに過剰な糖質まみれ」な食事を毎日、毎日、1日3回、間食する人なんかは4回とか5回とか、摂っているとどうでしょうか?
治している時間もなく、次のインスリンが来てしまいます。
そして、どんどんダメージが蓄積し、細胞は内側からボロボロになっていきます。
「糖化」よりももっと深刻な動脈硬化が、インスリンによって起きます。
大量のインスリンによる動脈硬化ダメージが最もヤバい。
これは講演会でも説明しています。
以上、酸化と糖化でした。