今回は貧血ナシの鉄欠乏について。
夏です。
冷たいものが欲しくなる季節です。
ですが、1年中ずっと氷が大好きな方は、鉄不足かもしれません。
鉄不足のヤバさはコチラを。
貧血ナシで鉄不足ってあるの?
普通の方や、医師でも「貧血=鉄不足」と考えている方は多いと思います。
しかし、実際は違います。
貧血がなくても鉄不足という事はあります。
貧血がなくても鉄不足という事は、「ある」。
以前に経験した驚愕の鉄不足の症例はこうです。
ヘモグロビン(血色素量)というのが貧血かどうかを見る数値です。
男性では13.6〜18.3、女性では11.2〜15.3、が基準値です。
一方で、鉄の蓄えがしっかりあるかどうかはフェリチンで見ます。
日本のフェリチンの基準値は、男性が17〜321、女性の場合は4〜86、などとなっていますが、これは「健康的な数値」ではありません。
詳しくはコチラを。
フェリチンは100以上が健康的な状態です。
フェリチン40以下は「重症鉄欠乏」です。
驚きの症例
その症例ではヘモグロビンが14.2ありました。
全然、貧血はありません。
しかし、鉄の蓄えを表す数値のフェリチンはなんとたったの9(!!)でした。
もう体内に鉄の蓄えがほとんどない状態です。
その他でも調べたところ、
Hb11.5でフェリチン9
Hb12.0でフェリチン7
Hb12.0でフェリチン8
Hb12.3でフェリチン6
Hb12.5でフェリチン13
など、貧血がなくても鉄不足が非常に多く見られました。
しかも!!
上記のデータはわずか10日以内に調べた症例のデータ
です。
貧血がなくても鉄不足がある、というのが「結構良くある事」というのが分かったかと思います。
これらは症状があってもほとんどの医療機関ではスルーです。
「鉄を補充しましょう」とは言われません。
原因についても「原因不明です」となります。
なぜなら貧血がないからです。
「鉄欠乏=貧血」と思っている医師がほとんどです。
栄養学の大著「ヒューマンニュートリション」(p195〜196)にも
「鉄欠乏による有害な影響は、貧血の程度にはあまり関係していない」
的な記載があります。
鉄欠乏による有害な影響は、貧血の程度にあまり関係しない。
という事で、症状がある皆様。
貧血かどうかではなく、鉄不足かどうかが大切です。
鉄不足のヤバさはコチラを(再掲)。
今回は、鉄の事を書きましたが、鉄不足がある人は、ほぼ100%タンパク質不足にもなっています。
タンパク質の必要量は「プロテインスコア」で計算してください。
今のタンパク質摂取量が、とんでもなく足りない、という事が分かります。
タンパク質・鉄不足には、タンパク質と鉄の摂取を。
以上、貧血ナシの鉄欠乏、についてでした。