この記事は、有料オンラインサロン過去記事(シーズン1~3)の公開版です。
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ガイド34:末端の冷え(順次、公開)
末端の冷え1-なぜ冷えるのか?漢方は? (S3)
末端の冷え2-ツッコミ第一弾 (S3)
末端の冷え3-ツッコミ第二弾 (S3)
末端の冷え4-筋トレの部位は?(S3)
末端の冷え5-実は病気だった?!(S3)
末端の冷え6-レイノー って?(S3)(シリーズ完結)
末端の冷え3-ツッコミ第二弾
ツッコミ・シリーズ、その2です。
前回ツッコミ・シリーズ(末端の冷え-2)は、医師などが執筆した話だったので、「栄養方面」や「根本対策」がゴッソリ抜けている、というある意味いつものツッコミでした。
今度は「医療系の国家資格が無い系」の方が作ったサイトです。
当然ながら、医師サイト・医師監修記事よりも、激しく大変な事になっています。
珍説:筋肉が固くなって冷える(笑)
で、その中でも特に「何いってんの?!」という、一連の珍説シリーズを発見しました。
珍説1:冷えの原因は?
こういった説が展開されていたりします。
「冷えは、多くの人が ”血流が悪くなっている” ことが大きな原因の1つと考えています。」
はい、間違いです。
「血流の低下」などは冷えの「大きな原因の1つ」ではありません。
「ほんの一部の原因」でしかありません。
確かに「血流の低下」も原因の<1つ>ではあります。
しかし、その前に「冷え」症状のあるほぼ全員が大前提として「代謝の低下」があります。
そして、その「代謝の低下」している人の殆どが、タンパク質・鉄が不足しています。
出発点ですらこの有様ですから、この続きは「お察し」ですね!
どこまで逸(そ)れていくのか、ワクワクしてきますね!
珍説2:珍用語が炸裂!
では、珍説の2つ目です。
珍説2「冷えの一番の原因は、”筋肉が硬くなってしまう”ことです。
筋肉が固くなると、リンパ間質液が流れなくなります。
このリンパ間質液は、心臓のチカラでは流れず、筋肉の動きで流れるからです。
リンパ間質液は、血管から細胞の方に染み出す液体で、細胞に酸素や栄養を届けます。
そうすると、リンパ間質液によって、筋肉に酸素や栄養が届かなくなります。
その結果、筋肉で熱を作れなくなり、身体が冷えます。」
さて、ここで新たな展開がありました。
一部のなんとか「リンパがどうこう」な系統な方が「リンパ間質液」などと、おっしゃっている感じです。
そんな医学用語はありません(笑)
英語でも調べ直しましたが、やはりそんな用語はありません。
なお、珍用語ではない用語としては、以下の2つです。
・リンパ液(lymph)
・間質液(細胞間質液、細胞間液、interstitial fluid)
細胞間を流れる細胞間質液を「間質リンパ(間質リンパ液)」と呼ぶ事はあるものの、紛らわしいので通常は使われません。
「リンパ間質液」などという珍用語は、無いんです。
あるのは、「リンパ液」と「間質液」です。
「新しい珍造語」を作り出すのも、「国家資格無い系サイトあるある」ですね。
もちろん、国家資格無い系サイトが全部アカンという訳ではありません。
素人さんに分かりやすく書いてあるサイトも多くあります。
が、国家資格という同じベースが無いため、振れ幅が大きめ、というのはあります。
そして、「一番の原因は筋肉が硬くなってしまうこと」などという致命的な間違いが・・・。
冷えの一番の原因は「代謝の低下」ですよ・・・。
「熱を作れないから冷える」。
実に、シンプルな話です。
基礎がしっかりしていないと、「自分の仕事の範囲」を「一番の原因!」と言っちゃう系ですね・・・。
珍説3:そして更なる迷走
珍説3「多くの人は、運動する事で冷えを解消できると考えています。ですが、運動は、かえって筋肉を固くしてしまいかねません。
このため、筋肉がゆるんでいる状態で運動する事が大切です。」
珍説2の「冷えの一番の原因は筋肉の硬さ」などと盛大に踏み外した「その先」がここに。
外れたまま進み続ければ「ズレ」が大きくなっていくのがよく分かる展開です。
全編、間違いだらけです・・・。
「筋肉の硬さ」を連呼するのは、「睡眠の質が!」とか「睡眠負債が!」などと同じ手法ですね。
客観的評価がしづらい「概念」をゴリ押しする系統です。
検査方法も、評価方法もない「概念」ですので、言いたい放題できます。
珍説4:老廃物という幻想
珍説4「冷える人は、リンパ間質液の流れが悪くなっています。このため、老廃物の排出機能も低下しています。老廃物が体にたまり、老化が促進されます。」
これも「筋肉の硬さ」に続く、「便利な言葉」=「老廃物」の連呼です。
「老廃物」・・・とっても漠然とした言葉、都合よく使える言葉です。
分かったような、それでいてその実態は不詳という。
結論を言えば、そんなに「老廃物」が身体に溜まる事はありません。
「リンパがどうこうで流れがイマイチで」というのは、せいぜい手術でリンパ管などを傷つけてリンパ浮腫が出来ている人くらいです。
そういう手術歴や特殊な疾患がない場合には、「老廃物」などというものが溜まっている事はありません。
浮腫みっぽい人は、「リンパの流れ」ではなく、糖質過多とタンパク質不足が原因です。
糖質を過剰に摂ると、インスリンも大量に分泌されます。
その大量のインスリンは、身体に水と塩を留める作用があります。
このため、糖質を過剰に摂ると、身体に水が溜まりまくります。
では、糖質を控えればいいのですが、これが日本人女性の場合は出来ない事が多くあります。
日本人女性の場合は、鉄不足があるため、糖質を控える事ができません。
鉄不足が糖質依存になる理由については、コチラを。
また、タンパク質が不足すると、血液中のタンパク質(アルブミンなど)も減るため、血液が薄くなります。
すると、血液中の浸透圧が低くなり、液体部分が血管の外に出やすくなります。
これがよくある「(若い)女性の浮腫み」の原因です。
「筋肉の硬さ」や「リンパの流れ」が原因ではありません。
糖質過剰、鉄不足、タンパク質不足が原因です。
女性のむくみは、糖質過剰、鉄不足、タンパク質不足が原因。
以上、末端の冷え3、でした。
知っている人からすれば「笑える、無い無い」と即断出来ますが、ネットにはこの系統の「無い」話が、さも「ソレっぽい」感じでゴロゴロしています。
ご注意ください。
次は、末端の冷えに関係する病気について説明していきます。
ガイド34:末端の冷え(順次、公開)
末端の冷え1-なぜ冷えるのか?漢方は? (S3)
末端の冷え2-ツッコミ第一弾 (S3)
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末端の冷え4-筋トレの部位は?(S3)
末端の冷え5-実は病気だった?!(S3)
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