今回は男性にもある鉄欠乏について。
コチラもご参照を。
男性でも糖質依存が強い人がいる
糖尿病の患者さんを診ていると、どうにも糖質依存が強く糖質を控えられない人がいます。
鉄と糖質依存についてはコチラ。
通常、男性は割と糖質依存が少ない方が多く、決心すればすぐに糖質オフ生活が開始できます。
しかし、糖質依存が強く、男性なのになかなか糖質オフできない、という人もいます。
その中で目についてきたのが「鉄欠乏」です。
そういう人達にフェリチンを測定すると、かなりの確率でフェリチンが低値であったりします。
強烈な糖質依存の方に鉄欠乏の方が結構いた、という事です。
男性の鉄欠乏の実例
実際の症例をいくつか記載します。
すべて男性のデータです。
フェリチン100未満は「鉄欠乏」、フェリチン40未満は「重症鉄欠乏」です。
・痔疾患ありで、フェリチン20
・BMI 30・糖尿病で、フェリチン41
・BMI 25で、フェリチン44
・アルコール性肝硬変で、フェリチン48(肝障害は落ち着いている)
・80歳以上・BMI22で、フェリチン53
・大腸ポリープ切除後で、フェリチン61
・糖尿病(前医でインスリン30単位以上)・BMI27で、フェリチン71
色々な場合がありますが、鉄欠乏自体が意外とよくある事が分かります。
そして鉄欠乏を解消すると糖質依存も改善される事が多くあります。(もちろん鉄欠乏だけが全てではありません)
男性にみられる鉄欠乏の原因
男性の鉄欠乏には、原因は2つあります。
鉄が入ってこない。
鉄が出て行ってしまう。
この2つです。
鉄分を摂っていない(入ってこない)
このような糖質過多な方々の食事を聴くとほとんどの方で、肉などの鉄分を含む食べ物を摂っていません。
糖質と野菜、といったパターンが主体だったりします。
これでは鉄は摂取できません。
そして、摂取量が少なければ、体内の鉄も増えにくくなります。
出血する病気ができやすい(鉄が出て行く)
糖質過多の方は、その多すぎる糖質を処理するためにインスリンもたくさん分泌しています。
つまり、血液中にインスリンが多くある「高インスリン血症」の状態です。
高インスリン血症では大腸癌のリスクが高まります。
高インスリン血症では、癌の前段階のポリープも同様に出来やすくなります。
そして、大腸癌や大腸ポリープからは出血しやすいので、鉄欠乏になりやすくなります。
糖質によって炎症も起きやすい状況なので、痔疾患の方も意外と多くいらっしゃいます。
痔からも出血するので、鉄欠乏になりやすくなります。
さて、こういった理由から糖質過多の生活では鉄欠乏に陥りがちです。
で、それからどうなるの?
以上のように、糖質過多がフェリチン低下へ繋がります。
そうすると、鉄欠乏のため糖質依存が強まります。
まさに、負のサイクルです。
皆さんの周りにも、この負のサイクルに陥っている人、いませんか?
鉄欠乏が原因かもしれません。
鉄欠乏かな?と思ったら
医療機関でチェックしてもらうと良いでしょう。
またサプリを自分で適当に飲むと
・サプリでは鉄が足りなくて鉄欠乏が治らない
・実は鉄欠乏がなくて鉄過剰になっちゃう
という可能性もあります。
特に上の「サプリでは全然足りない」というのはよく目にします。
やはり、一度、フェリチン等を検査してもらうのをお勧めします。
以上、男性の鉄欠乏について、でした。