今回は、ナイアシンフラッシュについて。
ナイアシンの記事を書くと質問が殺到します。
各SNSやブログに来た質問から、今回は「ナイアシンフラッシュ」を取り上げます。
今までのナイアシン記事はコチラ。
https://mizunodoc.jp/archives/1513
https://mizunodoc.jp/archives/1528
最初に注意点
ただし、「調べればすぐ分かる事」を質問している方は、現状でのナイアシンを含む全てのサプリメントの服用をおやめください。
基礎的質問をしている人はまだサプリメントを飲む段階ではない。
知識不足のままのサプリメント使用は大変危険です。
自分で調べられない人は、使用すべきではありません。
知識不足のままのサプリメント使用は大変危険。
自分で調べて知識が充分になってからサプリメントを使用する。
ナイアシンフラッシュって何? 何か良い事あるの?
国際オーソモレキュラー医学会ニュース、2013年4月2日
ここにはこう記載があります。
一部の人に対する問題として、ナイアシンは、「ナイアシンフラッシュ」という有名な副作用を引き起こすことがある。
人によっては、治療のための高量摂取後に、こうした一時的な(30~60分の)、時には痒みを伴う皮膚の発赤が生じる。
しかし全体的に見れば、ナイアシンフラッシュは、有益な健康効果に関連している。
ナイアシンはとくに、高親和性のGタンパク質共役受容体であるGPR109aとGPR109bを活性化し、それが様々なプロスタグランジン類の放出につながり、結果としてフラッシュ反応が生じる。
血管拡張とフラッシュをもたらす、ナイアシンのこうした影響は、脂質異常症を治すものとして広く理解されている。
ナイアシンフラッシュを副作用と表現する人もいるが、体が自分の脂質代謝経路を修正しているということであり、これはアテローム性動脈硬化の予防において重要となり得る。
緩効性や徐放性のナイアシンなど、その他の形態のナイアシンは、フラッシュを引き起こさないが、アテローム性動脈硬化の予防や治療の効果は他より低いとも考えられる。
ナイアシンフラッシュはプロスタグランジン類の放出によって、顔などがほてったり、赤くなったりする事です。
通常は30〜60分で自然におさまります。
それ以上にヒドい場合は、その方の健康状態に問題があります。
繰り返します。
ナイアシンフラッシュがひどい場合は、「ナイアシン、ヤバい!」ではなく、「アナタの身体がヤバい!」です。
ナイアシンフラッシュがひどい場合は健康状態に問題あり!
ナイアシンフラッシュ自体は、上記のように脂質異常や動脈硬化に良い作用がある、という事です。
ナイアシンフラッシュは、身体に良い事が起きている。
あと、よく耳にする個人的な感想としては、
「特有の爽快感がある」
「テンションが上がる」
などがあります。
私は最近、素のナイアシンを2000mgとか一気に摂ってもあまりフラッシュしませんが、テンションが上がる感じはします。
最後にもう1回、書いておきます。
ナイアシンフラッシュがひどい場合は自身の健康状態に問題あり!
ナイアシンのアレルギーってあるんですか?
ナイアシンフラッシュがひどすぎて、「アレルギーとかあるんじゃ?」とか思っちゃう系の疑問ですね。
結論から言えば、ナイアシンに対するアレルギーはありません。
ナイアシンに対するアレルギーは無い。
ナイアシンは「ビタミン」の1つです。
ところで、ビタミンの定義はご存知でしょうか?
ぼんやりは知っていてもハッキリ説明できる人は少ないと思います。
<ビタミンの定義3つ>
・生きるのに必要
・必要量は微量
・体内で必要量を作れない
つまり、ビタミンは欠乏しまくると死にます。
ビタミンにアレルギーを起こしていたとするなら、ビタミンが摂れない状態となります。
つまり、死にます。
「ビタミン=生命に必須」です。
ビタミンアレルギーがあったら既に死んでしまっているので、ビタミンに対するアレルギーは無い、という事です。
ただし、稀な場合に、サプリメントの「カプセルの成分」や、「錠剤に含まれる成分」にアレルギーを起こす場合があります。
なお、ついでに目薬などには消毒薬の成分が添加物(防腐剤)として入っていて、それで目がヤラれる方も結構いたりします。
使用期限・販売期限を伸ばすための防腐剤ですね。
防腐剤が入っている液体の「飲むタイプ」のサプリメントはあまりないと思いますが、目薬には割と当たり前に消毒薬の成分が入ってますので注意しましょう。
目薬に含まれる消毒薬の成分に注意!
ナイアシンフラッシュがひどい理由3つ
ナイアシン・フラッシュ自体は良いもので、それで不調になる場合は自分の身体がヤバい、というのは上に書いた通りです。
その「自分の身体がヤバい」というのは大きく3つあります。
<ひどいナイアシンフラッシュの原因3つ>
・まだ糖質を摂っている
・栄養不足(特にタンパク質と鉄の不足)がある
・間違った飲み方をしている
まだ糖質を摂っている場合
糖質を摂れば摂るほど、糖化やインスリンによる酸化が起きます。
つまり、炎症が起きます。
炎症が起きるとプロスタグランジンなどが作られ、さらにそのプロスタグランジンが炎症をひどくしたり、長引かせたりします。
医学のあゆみ「プロスタグランジンと炎症」
プロスタグランジン(PG)は,その生成がアスピリン様抗炎症解熱鎮痛薬で阻害されることから,急性炎症の症状である発赤,熱感,腫脹,痛み,発熱などの発現に関与するとされてきたが,最近の研究はその機序を分子レベルで明らかにし(杉本の稿),それとともに,PGがそれを越え,炎症の慢性化,免疫炎症への転化,組織リモデリングなどにも深くかかわっていることを明らかにしてきた(青木,姚の稿).
このように、糖質の摂取は、プロスタグランジンを増やします。
そして、そのプロスタグランジン系はナイアシンフラッシュの原因でもあります。
最初の記事を再掲します。
国際オーソモレキュラー医学会ニュース、2013年4月2日
ナイアシンはとくに、高親和性のGタンパク質共役受容体であるGPR109aとGPR109bを活性化し、それが様々なプロスタグランジン類の放出につながり、結果としてフラッシュ反応が生じる。
糖質を摂るというのは、ナイアシンフラッシュの元をせっせと作り出している事に他なりません。
対策は糖質を控える事です。シンプルですね。
糖質を摂っているなら、糖質オフすればフラッシュは軽くなる。
なお、実は糖質が多い、という罠食品についてはコチラ。
栄養不足(特にタンパク質と鉄の不足)がある場合
タンパク質と鉄不足があると、ありとあらゆる「副作用」や「合併症」が出やすくなります。
エネルギーが作れず、身体の修理のための材料もないからです。
全身がボロボロです。
そういう方は糖質も摂りまくっており、体中炎症だらけです。
プロスタグランジンもそれはそれはテンコ盛りです。
タンパク質不足と鉄不足がある、という事は、ナイアシンフラッシュの元になるものが沢山あり、それに耐えられる身体ですらない、という事です。
いつも「優先順位」と連呼しているのはこういう事です。
タンパク質不足と鉄不足を放置して、他の何をしても良くなりません。
栄養ピラミッド、健康ピラミッドを再度みてください。
また、タンパク質の必要量はプロテインスコアで計算してください。
鉄については当ブログの「鉄関連カテゴリ」をご覧ください。
https://mizunodoc.jp/archives/category/鉄関連
間違った飲み方をしている場合
「ナイアシンフラッシュがひどい!」と言っている方は、上の「栄養不足」とコンボで、この「間違った飲み方」をしている人がかなり多いです。
ダブルパンチなので、それはひどくなりますね・・・。
ナイアシンを飲み始める前に必ず下の2つのサイトを「少なくとも10回以上」読んでください。
もう1度書きます。
ナイアシンを飲み始める前に必ず下の2つのサイトを「少なくとも10回以上」読んでください。
さらに超大切なので3回目。
ナイアシンを飲み始める前に必ず下の2つのサイトを「少なくとも10回以上」読む!
かの有名な「こてつ名誉院長のブログ」に飲み方が書いてあります。
概要を言えば、最初はビタミンCとナイアシンアミド1500mgで始めて、アミドを3000mgに増やしていきます。
さらにその後に、500mgずつ「素のナイアシン(速効性ナイアシン)」に切り替えていく、という方法です。
100mgずつ素のナイアシンを増やす方もいますが、あれはナイアシン・フラッシュという「ほてり」が出まくって、全然増やせません。
アミドをMAXまで増やしておくと、ナイアシン・フラッシュの元となるヒスタミンを体外にある程度、出し切っていますので、素のナイアシンに切り替えてもフラッシュが軽く済みます。
さらに、ナイアシン自体に関してはコチラを。
ナイアシンに関する質問を多く受けますが、10人いたら10人ともこの上のインタビューに書いてある事を質問してきます。
つまり全員です。
10人質問してきたら、10人とも上のサイトを理解していない。
「読・ん・で」
ナイアシンを飲み始める前に、少なくとも10回くらい読んで下さい。
2〜3回では、頭に入ってません。
アミドならフラッシュは絶対起きないの?
結論から言えば、ナイアシンアミドでもフラッシュは起きる可能性があります。
確率的には「1%程度」と言われています。
アミドの他の注意点は?
アミドでの注意点は「吐き気」です。
アミドで吐き気が出た場合は、ナイアシンエステルを。
ナイアシンの種類についてはコチラ。
https://mizunodoc.jp/archives/1528
ナイアシン系を摂ってたら他のビタミンBはいるの?
結論から書くと、要ります。
ナイアシンはナイアシンであって、他の種類のビタミンBではありません。
ビタミンはどの種類も「互換性がなく」、それぞれについて「欠乏すると死にます」。
つまり、ナイアシンを摂ったら、ビタミンB1が要らなくなる、とかそういう事はありません。
また、ビタミンB群全体が水溶性ビタミンなので、蓄えが効きません。
同じく水溶性ビタミンのビタミンCとともに、ビタミンB群も毎日摂取が基本です。
ビタミンB群は、B50、B75、B100といった「全部入り」のものがあるので、そういうもので摂ると良いでしょう。
もちろん、タンパク質不足や鉄不足が改善されてきてから、です。
ひどいタンパク質不足や鉄不足があると、ビタミンでも体調を崩します。
ひどいタンパク質不足や鉄不足があると、ビタミンでも体調を崩す。
すべての基本は、タンパク質と鉄です。
優先順位を間違えてはいけません。
栄養の優先順位を間違えない!
栄養ピラミッド、健康ピラミッドを参照ください。
以上、ナイアシンフラッシュについて、でした。